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「親小沢・脱小沢」が対立軸になるカラクリ

政治コラム

9月に突入してしまいましたが、8月の終わりについに日本の新首相が誕生しました。仮にも政治コラムを名乗る以上これに触れないわけにはいかないので、候補者が乱立した代表選についてなんか書きたいと思います。

代表戦後、新聞やテレビでは代表選に対する厳しい総括が行われていました。「急な日程で議論が深まらなかった」という批判はもっともだと思いますが、「新小沢・脱小沢という論点に終始し、政策が見えなかった」というマスコミの意見に関しては

「そんな下らん質問に時間や紙面を割いたのは、おまえらだろうがぁぁ!!」

と叫びたくなってしまうのは僕だけですかね?

はっきり言って、マトモな国民ならもう小沢か否かどうかなんてどーでもいいと思ってるでしょう。それよりも財政(増税)やTPP、震災復興などについてもっと知りたいはずです(きっと)。

じゃあなんで、そんな部分にスポットが当たるんでしょう?
これについて知り合いのマスコミ関係者の方から、面白い話しを伺いました。

「政治部の記者たちに良く言えばベテラン、悪く言えば年寄りが多く、その人脈も古い。だから彼らが自信を持っている情報網は小沢系ばかり。であれば自然と、報道の中心が『小沢』になる」

そうです。
なるほどね、と。

ちょっと違う分野ですが、美容・ファッション業界では「今は逆にライター(or雑誌編集者)の評価するものは売れない」という説があります。

これは、現在美容雑誌などのコンセプトや紙面を決める力を持っている「実力者」たちの高齢化が進んでしまい、そのセンスが消費の主役である若者とズレてきているためだと言われています。

政治報道にも、同じことが起こっているのではないでしょうか?

本当に国民が知りたい情報にリーチできず、自分たちが得やすい・重要だと思う情報を押し付ける。それが「世間のニーズだ」と言わんばかりにスポットを浴びせ、挙句「政治の舞台では未だに『小沢』が焦点」だと結論づける。

こんなことが起こっていては、議論が「国民不在」になるのも当然というものです。

高齢化しているのは、政治の世界だけではない。その権力の監視機構であり、国民に情報を届けるマスコミにも、新しい世代の台頭が望まれるのかも知れませんね。

そんな代表選から新首相誕生への一連の流れの中で、僕がポジティブだと思ったことが2つあります。

一つは、戦後3人目の50代首相が誕生したこと。53歳の野田首相はいわゆる「現役」世代。これは素直に寿ぐべきことだと思います。やはり、未来に責任の持てる世代がトップに立つべきだと、僕は強固に確信しています。

二つめは、衆議院の首班指名(新首相が正式に決まる投票)において、29歳の横粂議員が自らに一票投じたこと
-議場内騒然…「横粂君」1票-

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20110831-828162.html

最初にこのニュースを聞いたとき、「なんてアホだ!」と思いました。首班指名で自分に投票するなんて、これまでの「政界の常識」ではありえないことだからです。

でも、そう最初に思った僕の思考もすでに、政界のしがらみに染まっていたのかもしれません。総理にふさわしいと思った人間に、素直に投票すること。それが「世界の常識」です。若き横粂議員の行動は、政界という荒波に少なからず一石を投じるものであったと思います。

…まあ彼が次の選挙に受かるかどうかは別として、まずは若き首相、そして僕の大学の先輩筋にあたる野田首相に、大いに期待してみたいと思います。がんばれ新首相!

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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