少し更新が空いてしまいました。
どーもオトキタです。
更新をさぼった言い訳(!)としては
GW中は宮城県石巻市にボランティア活動に行っておりまして。
まるっと10日間ほど家を空けてしまっていたわけです。
被災地のことも色々と書きたいのですが、
コラムテーマと若干ズレてしまいますので
そちらは個人ブログの方で近々書いていきたいと思ってます。
さて本題。
ボランティアのキャンプサイトにいて
新聞もテレビも見れないうちに、なにやら世間で
重大な政治的動きがあったようで。そう、
「菅首相による、浜岡原発停止要請」
です。
原発に関する賛否はとりあえず置いておくとして、
僕が思うこの政治的動きの良い面、悪い面をあげたいと思います。
まず良い点。
菅直人が首相になっておそらく初めて
「政治的決断」と言える行動を起こしたこと。
これに尽きます。
メリット・デメリット双方があって正解がない中で、
決定を下していくのがリーダーであり、それが「政治」です。
まさに渦中の問題に対して、日本国の宰相がここまで大きな決断を下したことは
小泉の郵政民営化以来のトピックと言えるのではないでしょうか(言い過ぎ?)
こうした決断は世間の政治への意識を喚起し、議論を呼ぶことにもなるので、
プロセスはどうあれ大きな決断をしたことは率直に評価したいと思っています。
しかしながら、悪い点の方が目立つことは事実でしょう。
続いてその悪い点。
閣議決定などの法的な手続きを取らず、
首相「要請」という、実にあいまいな形を取ったこと。
これが今回の決断を「英断」から程遠いものにしてしまっています。
「要請」はあくまで「首相個人の意見表明」です。
民間企業である中部電力に、従う義務は法的にはありません。
ぶっちゃけていえば、単なる圧力。
極端な話し、こんな首相個人の圧力がまかり通るなら
国がその気になれば民間企業などたやすく潰せてしまうということです。
中部電力が浜岡原発を止めることで被る不利益は
2500億円とも言われています(停止に関わるコスト、火力発電の燃料費など)。
また、浜岡原発に勤務する社員たちの雇用も問題となります。
中部電力は「株式会社」ですから、その利益によって
株主たちに配当などを行っています。原発停止による業績悪化は自明ですので、
株主たちから訴訟を起こされるリスクも大いにありえます。
実際、本日午前に中部電力は11年振りとなる安値をつけたようです。
こうした中部電力が被る不利益に対しても、
政府は補償をする義務はありません。単なる「要請」ですからね。
補償するニュアンスも匂わせてはいますが、所詮はそれも口約束…。
そして本日、中部電力がこの「要請」を受け入れる決断を表明しました。
行政手続をすっ飛ばして、民間企業に政府が事実上の命令をする前例が誕生したのです。
中部電力の業績悪化は確実で、おそらくその補償もされると思います。
「政府の補償」というとなにか別世界な感じがしますが、端的に言って
これは我々が納めている「税金」です。
民主的な、法治国家としてのプロセスに乗っ取らず行われた政治的決断に、
我々の税金が湯水のように投下されていく…果たしてこれを、まかり通して良いのでしょうか。
進原発、反原発という観点からのみ今回の流れを議論する向きもありますが、
今回の『要請』が政治や行政に与えた影響を、もう一度よく考えてみるのも
我々有権者たちの義務かと思いますが、いかがなものでしょう。
そして原発と復興の問題に目処が立ったら、
きっちり解散して民意を問うて下さいね、菅首相!
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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