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平成26年11月18日 厚生委員会質問内容

〇おときた委員 私からはまず、都立病院経営委員会についてお伺いをいたします。
 病院経営本部では、都立病院の医療の質の向上と効率的な経営を実現するためとして、都立病院経営委員会を設置しております。
 まず、こちらの委員会の具体的な活動内容と役割について教えてください。

〇高野経営戦略担当部長 都立病院経営委員会は、都立病院における医療の質の向上と効率的な経営を実現するため、病院や企業の経営、財務事務などに精通した専門家による直接指導や実効性の高い改善策の提案を得ることを目的として設置をしております。
 主な活動内容でございますが、都立病院の経営全般や当該年度の事業計画等について助言や提言を行うこと、また、病院への継続的な監査や措置状況について検証等を行うことでございまして、年に二回程度、委員会を開催し、ご議論をいただいております。
 さらに、平成二十五年度には多摩総合医療センター及び小児総合医療センター、平成二十六年度には墨東病院において現場視察及び意見交換を行いまして、各病院に対して専門家の視点から助言を得ております。

〇おときた委員 都立病院経営委員会の役割とその活動内容がよくわかりました。
 さて、こちらの委員会のメンバーの変遷を見ますと、平成二十三年度より、従来の九名から十五名へと大幅に委員を増員しています。しかしながら、この間に、特に都立病院の経営規模や、または患者数が大きく変わったわけではないと思います。この増員の理由とその狙いについてお聞かせください。

〇高野経営戦略担当部長 少子高齢化の進行等に伴います医療環境の変化や、医療や介護の新たな提供体制への対応、さらに、診断群分類包括評価を用いた入院医療費の定額支払い制度、DPCの導入など、診療報酬の改定といった病院経営を取り巻く環境が複雑さを増していることから、これらに的確に対応するため、医療経済学や病院管理の専門家など学識経験者等を増員し、検討体制を強化しております。
 また、平成二十二年度の包括外部監査におきまして、個人未収金の滞納管理や診療材料等の棚卸資産の管理など、多岐にわたって指摘を受けたことから、抜本的な改善を図るため、公認会計士を増員し、都立病院の財務事務に対する外部監査機能を整備しております。

〇おときた委員 検討体制の強化、外部監査機能の整備のためとのご答弁でした。ですが、厳しい財政状況が続く中、こうした外部委員会の活動へも都民からは厳しい目が向けられています。委員をふやせば、人件費を中心に、決して少なくない経費が使われますから、その効果については、明白にはかられなければならないと考えます。
 委員の増員から三年以上がたちますが、具体的にはどのような成果が見られたのか、お聞かせください。

〇高野経営戦略担当部長 平成二十三年十一月に、医療経済学や病院管理を専門とする学識経験者など五名で構成される経営部会を設置し、都立病院の将来の方向性を大きな視点からご議論いただいております。
 また、平成二十四年九月には、都立病院が提供すべき医療機能や地域の医療機関との協働のあり方、経営力の強化手法など、今後の都立病院のあり方について委員会報告として取りまとめをいただきまして、これを踏まえまして、都におきましては平成二十五年三月に都立病院改革推進プランを作成しております。
 また、同時期に、公認会計士三名で構成をされます監査部会を設置し、包括外部監査の指摘事項に対する対応策について助言や検証をしていただいたところでございます。その助言を踏まえまして、財務事務に係るマニュアルの見直しや個人未収金の管理体制の強化など、指摘事項に対する着実な改善を図っております。
 現在も継続的に外部監査機能として指導助言をいただいております。

〇おときた委員 都立病院改革推進プランの策定や、財務事務に係るマニュアルの見直しなどに一定の功績があることがわかりました。
 同時に、明確な目的のための増員措置であれば、その役割を終えれば適正人数に戻すこともまた大いに検討されるべきだと思います。
 今後も都立病院経営委員会の委員数については、不断の見直しを続け、必要に応じて削減し、またその理由、意義が都民にわかりやすく伝わるように要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、都立病院及び公社病院における言語聴覚障害者対応についてお伺いいたします。
 これは公立の病院に限った話ではありませんが、医療機関の診断をお願いする際の手段は電話が中心です。ところが、これでは、言語や聴覚に障害のある方は、ご自身で連絡をとることができません。現状、こうした方々への対応はどのように行われているのかを伺います。

〇野瀬サービス推進部長 都立病院では、基本的役割である行政的医療として、障害者医療を全病院で展開し、積極的に取り組んでおります。
 言語、聴覚に障害のある方についても、多くの患者の診療を行っているところですが、予約の際には、診療情報提供書の有無、ない場合には、それが必要な理由の説明、受診する診療科のご希望、病院指定の日時での受診が可能かどうかなど、さまざまな双方向のやりとりが必要なため、電話での受診予約としております。
 都立病院に電話で受診予約が必要なのは、初診のときがほとんどであり、言語や聴覚に障害のある方については、家族や友人などの代理の方が電話で受診予約をされていることが多く、また、かかりつけ医から病院へ直接、受診予約が入る場合がありまして、これまで特に支障が生じたことはございません。

〇おときた委員 電話のみの対応になってはいるものの、代理の方などが対応するので、特に今まで支障は生じていないとのご答弁でした。
 しかしながら、私のもとには、若年層の障害者を中心に、メールやインターネットなどを使って自分自身で連絡がとれるようにしてほしいとの声が多く寄せられております。
 都立病院などのホームページを見ますと、老若男女全ての方に、見やすく、わかりやすく作成されており、また、誰もが利用できるウエブアクセシビリティーという基準についても厳しく配慮されていることがわかります。しかしながら、肝心の連絡手段については、やはり電話番号のみの記載になっておりまして、これでは、特定の障害者の利用をシャットダウンしてしまいます。
 既に、同じ障害者の中にもジェネレーションギャップが存在しており、障害者団体の中心となる高齢者層からは、余りそのニーズは出ませんが、若い障害者の方になりますと、自分のことは自分でしっかりと行いたい、メールやインターネットという技術があるのだからそれを活用させてほしいと、そういう思いを持つ方が多数存在いたします。
 まだまだ多くの医療機関が電話対応のみとなる中で、公的な機関である公立病院こそ先駆けて、言語聴覚障害者対応のため、メールやインターネットによる対応を導入すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

〇野瀬サービス推進部長 都立病院の受診予約については、さきにお答えした診療情報提供書や受診日時に係る調整のほかにも、適切な診療科の受診につなげるため、具体的な症状や合併症を聞き取るなど、さまざまな双方向のコミュニケーションが必要であります。
 患者ごとに異なる状況をきめ細かく酌み取り、患者が安心して納得できる医療を提供していくことが大切であると認識しており、メールやインターネットの利用は、多くの課題を有していると考えております。

〇おときた委員 診療という性質上、電話における細やかな対応が必要となることは一定程度理解できますが、代理の方を挟んで対応する場合でも、同様の欠点は完全には解消されません。また、今、インターネットにおいてさまざまなやりとり、問い合わせフォームなどを使って複雑なやりとりが可能ともなっております。
 繰り返しになりますが、障害をお持ちの方の、自分でできることはできるだけ自分で行いたいという思いは、我々には想像できないほど非常に強いものです。私のもとに来た訴えの中には、代理の方に用事を頼まなければならないたびに、自分は一人では生きていく資格はないのだと、そう思わされているようで、強い悲しみに見舞われるといった切実な声もありました。
 今のこの時代、技術で解決できるようになったことは多数ございます。東京都が所管する公共機関としては、同じく電話での対応窓口しかなかった警視庁の遺失物センターにも、先般、当人たちの強い希望と時代の要請により、障害者用の問い合わせフォームが設けられ、インターネットを通じて、言語聴覚障害者の方々がみずから連絡することが可能になりました。
 ぜひとも、都立病院、公社病院には、こうした状況をご理解いただき、時代と患者に寄り添った対応を早急に導入されることを強く要望いたしまして、私からの質問を終わります。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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