連休中、都内でも震度5弱となる地震があり、
びっくりして飛び起きた方も多いのではないでしょうか。
このとき私は友人の家に泊まっていたのですが、
こんな素朴な疑問を聞かれました。
「これがもしもっと大地震だったら、都議会議員って何するの??」
…はっ!!
そういえば、都議会議員はどう行動したらいいんだろう??
普段、都民の防災についてしつこく突っ込んでいるくせに、
自分たちのことについてきちんと把握していませんでした。。
で、議員になってから説明される機会もなかったので、
てっきりそんなものはないのかと思っていたんですけど、
議会局に確認したら出てきました(このプロセスでいいんだろうか…)。
とりあえず議会でも対策本部を設置して、
議員の安否確認やらをするらしいのですが、
具体的にどうやってやるのかがけっこう謎です。
ちなみにこれは他の都道府県議会でもそういうところが多いらしく、
宮城県議会は3.11の後に慌てて議員同士の安否や
所在が確認できるシステムを導入したそうです。
昨年12月、都議会の防災議員連盟で東北に訪問した際、
県議会議員の方に見せてもらった議員用の防災カード。
インターネットを通じて安否ステイタスが入力できるようになっています。
一般企業も3.11以降、こうしたシステムを導入しているのが一般的です。
この時もお話を伺って、
「都議会も早急にこうしたシステムの導入を云々」
って議論してたはずなのですが、
その後どこに消えてしまったのだろう…。
■
こうした安否確認方法がない他にも、
特に災害時には議員には明確な役割は規定されていません。
避難や救助のリーダーシップを取れるわけじゃないですからね…
東京都が設置する災害対策本部と議会災害対策本部は別物で、
これはほとんどの自治体でも同様のようです。
「議員は災害対策本部には入ったり、口を出すべきではない」
という考えによるものでしょう。これは正しい仕組みだと思います。
ただその一方で、都議会議員はこんなものを持っていたりします。
東京消防庁から貸与される「警戒線通行証」。
こちらがあると、一般人が近づけない消防・救助現場に
立ち入ることができる場合があります。こんなものもあってか、
議員たちは災害時に色々なところに視察に行けたりするわけです。
よくわからない作業着のコスプレを着て(あれ、議員全員に支給されてます)、
とりあえず現場に行って視察をする議員は後を絶たない中、
どんな被災地で聞いても
「災害時に議員がきても、その対応に人が取られるだけ(で邪魔)」
という声は多いですよね。。
そんなわけで、結論としては都議会議員は発災時、
・設置される都議会災害対策本部に安否を(どうにかして)連絡し、
・可能であれば都議会議事堂に参集して、
・大人しく情報を聞いて待機。
ということが望まれそうです。
東日本大震災の際の話を聞いてもそうですが、
発災直後に「政治家」「議員」ができることは限られています。
むしろ「船頭多くして…」になる場合が多いとさえ言えるでしょう。
議員の仕事は復旧から復興に向かうフェーズの中で、
行政に届かないニーズの吸い上げや地域間の利害調整になりそうです。
これは、普段から同じことですけどね…。
■
とりあえず我々都議会も、宮城県議会を見習って
インターネットなどで安否登録できるシステムを作ってはどうだろう?!
超党派で、議論を加速させていかなければ。。
先ず隗より始めよの精神で、引き続き首都直下型地震など
東京都の災害に備えていきたいと思います。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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