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代表質問から見えた、都議会の「与野党化」

都議会の話

昨日9月25日は、都議会第3回定例会の「代表質問」が行われました。

「代表質問」

以前の記事でもちらりと触れましたが、
「交渉会派」と呼ばれる大会派の代表たちが
それぞれの会派の立場を代表して長々と質問をする日です。

交渉会派」というのも耳慣れない言葉かと思いますが、
議会ではある一定数以上の人数を有する会派が「交渉会派」となり、
議会の運営を協議したり、代表質問ができる権利を獲得できます。

ググっても出てこなかったのですけど、おそらく議会の運営について
「交渉」できる会派であることから、この名称が定着したものと思われます。

具体的に何名以上の会派が「交渉会派」になれるかは
その時おりの議員数によって違うようなのですが、都議会では
おおむね条例提出が可能となる11名前後が目安となるようです。

なお、過去には9名で交渉会派になったケースもあり、
また区市町村の議会では概ね5名前後であることが多いとのこと。
これらはすべて議会の慣習と照らし合わせて、時おりの議会運営委員会の話し合いで決まります。

話しを戻しまして、現在の都議会の交渉会派と
代表質問の持ち時間は以下の通りです。

・自民党(63分)
・公明党(41分)
・共産党(36分)
・民主党(23分)

都議会本会議の質問は「一問一答」形式ではなく、
まず質問者がぶっ通しで持ち時間分、質問を読み上げます。

それに概ね、質問時間の1.5倍くらいの時間をかけて
知事及び関係各局の局長クラスが質問に回答していくというのが
代表質問のやり方になります(一般質問も同じですが)。

というわけで、この時間を上の割り振りに当てはめていきますと、

・自民党(63分+95分=158分)
・公明党(41分+62分=103分)
・共産党(36分+54分=90分)
・民主党(23分+35分=58分)

これに休憩時間15分×2=30分を加えまして、
439分≒7時間半くらいが、代表質問日の拘束時間となります。

ひぇぇ~!
傍聴する方も大変だ。。

なお、出番のない議員たちも
ひたすらこの質問と答弁を座って聞くのみであります(苦笑)。

また当然のことながら(?)質問と答弁は予めペーパーになっており、
お互いの内容も当日までに調整済になっているものがほとんどです。

こんな儀式的なことに全議員と局長クラスの人材が丸一日拘束されるのも
なんだかな~と思わなくもないのですが、議会におけるやり取りは強い意味を持つので、
これも「民主主義のコスト」の一つなのかもしれません。

前置きが長くなりましたが、昨日初めて代表質問に議員と出席しまして、
強く感じた点があります。それは、都議会がかなり「与野党化」していることです。

「代表質問」はその性質上、細かい点を追及するというより
自分たちの会派の所信表明を兼ねて自派の政策方針を滔々と述べて、
大枠の指針や政策についてざっくりと質問することが多いのですが、

今回、自民党と公明党からの代表質問は

「わが党の要望を受けて、○○という政策が実現されたことは高く評価ができます。
 そこで改めて○○について、知事の覚悟と指針を伺います」

というように、自分たちと知事を持ち上げて花を持たせるような
質問がかなり多かったように感じました。

議院内閣制を採用する国会と違い、地方議会は「二元代表制」です。
二元代表制では、首長と議員はどちらも有権者から直接選挙によって選出され、
それぞれが住民の代表として適度な

「緊張関係(対立関係)」

を保つことによって監視や競争のインセンティブが働くことに意味があります。
ところが多くの地方議会では、このように時の最大会派が
「与党化」して首長と協力体制になることが多く、これが

「本来立法機関である議会(議員サイド)から、条例案が何十年も提出されない」

という事態を招いたり、
議会が単なる首長の「追認機関」に成り下がる原因となります。

もちろん、協力すべきところは協力するべきですが、
このようなスタンスの自民・公明会派が3分の2を占める都議会で
適切な「緊張関係」が保てるのかどうか、率直に不安を感じた代表質問でございました。

そういう意味で、政策的な是非は置いておいて、
「野党」共産党さんの質問が一番見応え(聞きごたえ)があったと思います(笑)。
野次の量も半端じゃなかったですけど…。

我々も4人という少数会派ながら、「与野党」の枠組みではなく、
「二元代表制」を体現する議員として、首長や行政に適切に意見・異議が述べられるよう
活動していく次第であります。

そして本日は一般質問日。
みんなの党からは、両角幹事長が登壇されます!

ライブ中継もあるようですので、
お時間のある方はぜひともご注目下さい。
出番は、サラリーマンにも優しい19時前後の予定です(^^)

東京都議会インターネット中継
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/live/

昨日の代表質問の様子も早速アップされています。

平成25年第3回定例会録画映像
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/live/2013-t3.html

本日も定例会は13時から始まって、
さあ何時に終わることやら…。それでは、今日はこの辺りで。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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