こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
本日はテロ事件で激減したパリへの日本人観光客呼び戻しPR等のために
来日しているパリ市長、アンヌ・イダルゴ氏ら一行が都議会にも訪れ、歓迎式が行われました。
アンヌ・イダルゴ氏は歴史上初の女性パリ市長となった人物で、
将来のフランス大統領候補の一人とも言われています。
彼女のスピーチの中で印象的だったのは、
「現在パリは、世界的競争力を高めるグラン・パリ計画を進行している。
この計画において、1300万人もの人口を誇りながらも一つにまとまっている、
東京という類を見ない都市は非常に参考になる」
という言及があった点です。
パリは現在、人口200万人程度の都市ですが、
これを近隣地域と連結して700万人規模の競争力のある巨大都市とする
グラン・パリ計画
http://www.ambafrance-jp.org/article3496
を進めています。
グローバル化を背景に、ビジネス・観光といったあらゆる面から
世界では都市間競争が熾烈を極めています。
ロンドン・パリ・ニューヨークは現在までのところ
不動の世界都市TOP3ですが、彼らとて非常に危機感を持って
都市の改革に取り組んでいるわけです。
■
さて我が国が誇る首都・東京都は、
世界都市ランキングでは万年4位に甘んじているものの、
1300万人もの人口を「単一都市(自治体)」としてまとめる唯一無二の都市です。
外国語環境や空港の立地、高い法人税などの要素でマイナス面は多々あるものの、
この圧倒的なスケールメリットが東京都の国際的な競争力を後押ししている事実は
否定しがたく、パリ市長が「お手本」というのもあながちリップサービスではないと思います。
前述のように多くの世界都市が
さらなる人口集積・競争力の向上に努める一方で、
我が国では
「東京都の一極集中化が問題だ」
「もっと地方に人材(人口)を振り分けるべき!」
という論調が強くありますが、
私はこのような言説には否定的です。東京が
「地方の若者・雇用を東京が奪い取っている」
という根強い「地方疲弊論(東京弊害論)」については因果関係が逆で、
地方に産業・雇用がないから人材が東京に流出したのであって、
決して東京都が人材を奪い取ったわけではありません。
そして地方に産業・雇用が育たなかったのは、
我が国の旧態依然とした中央集権体制に問題があると考えられます。
この点についてはワタセユウヤ氏のブログや、
下記に紹介する書籍に詳しいので、詳述はこちらに譲るとして↓
東京都一極集中は「若者のための雇用」がある場所だから
http://yuyawatase.blog.jp/archives/922224.html
もちろん東京以外にも大阪や福岡などの都市圏が発展を遂げ、
地方自治体もそれぞれの魅力を開花させていくことを否定するものではありません。
しかしながら、いわゆる「地方創生」のために
東京から意図的に今から人材を逆流させようとするのは、
せっかくの国際競争力を衰弱させるだけの悪手だと思います。
確かに待機児童問題や介護など、
東京(大都市)独自の問題は生じているのは事実ですが、
その解決策は人口分散だけではなく、また別に論じられる類のものです。
■
これから国がまた「中央集権的に」東京に手を突っ込み、
地方創生の旗を振っても事態が好転することは極めて難しいでしょう。
五輪などを契機に、東京都は日本を牽引するエンジンとして、
大都市固有の課題を乗り越えながら更なる飛躍を遂げていかなければなりません。
そんなことを確信した、パリ市長の都議会来訪でした。
東京都がグラン・パリを凌駕する国際都市となるよう、
私も政策提言を続けていく次第です。
それでは、、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 都議会