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時間がない人は、政策の「はじめの3つ」を見よう!-衆院選2014 各党公約ランキング!その2-

選挙の話

自民300議席超える勢い 衆院選・序盤情勢調査:朝日新聞デジタル

http://www.asahi.com/articles/ASGD376BZGD3UZPS01L.html

各種新聞調査でも、自民との圧勝が報道されました。
皆さま、投票先はお決まりになったでしょうか?

私のブログでは引き続き、少しでも皆さまの投票の参考になるべく、
投票日までなるべく多く各党の政策について紹介をしていきます。

前回の記事はコチラ
(おかげさまで大反響、感謝です!)

今回はちょっと趣向を変えて、予告と内容は異なりますが、
各党の公約からそれぞれの「志向」を読み解きたいと思います。

分厚い冊子に総花的な政策が並ぶ「公約」。
時間がない方に注目していただきたいのは、ずばりその「順番」です。

写真 1

考えてみれば当たり前なんですけど、「重点政策」といって
5つも10つも並べていたとしても、その政党にとって大事なものは
やっぱりそのトップや前の方に持ってくるわけですね。

なので、似たような(実現不可能そうな…)政策を並べていたとしても、
その順番、具体的には最初の3つを見比べれば、だいたいその党の属性が掴めるのです。
本日は、ややマーケティングに近い話になるかもしれません。

それでは順番に見てみましょう!
※今回は順不同です

■自民党

1.経済再生(&財政再建)
2.地方創生(&女性活躍推進)
3.暮らし安全・安心(&教育再生)

非常にわかりやすいのが、この自民党です。
「アベノミクス解散」と自分で言い切っている通り、経済を争点にしたいのだから、
経済政策≒アベノミクスをトップに持ってくるのは自然と言えます。これは選挙戦略ですね。

2番目に「地方」を持ってきているのは、
ずばり自民党の支持基盤は地方・農村部で特に強いからです。
要は地方にお金をバラまく宣言なのですが、自民党にとってこれは欠かせません。

ちなみに「一票の格差」問題が一向に解決をみないのも、
都市部に比べて地方の票の価値が高い方が、組織票のある大政党にとって有利だからです。

東京都民の一票は、特定地方の半分だったり5分の1だったりしますが、
地方や農村から強い支持を得ている政党にとっては、そっちの方が好都合というわけです。
嫌な世の中ですね。

参考:農政に見る民主主義の罠 by ちきりん
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090827

三番目の項目はわかりづらいですけど、この中で最初に上がっているのは復興支援になります。
が、ここでのポイントは実は、それに関連した災害対策=国土強靭化計画です。
要は「自民党に任せておけば、これからも公共事業で金をバラまくぜ!」ってことですね。

地方への投資や公共事業を重視し、相変わらず経済は中央集権でアベノミクス爆進!
自民党のメッセージは、その順番からも極めて明快と言えるでしょう。

■民主党

1.経済
2.社会保障
3.雇用

野党第一党の民主党も、選挙対策で経済政策を頭に持ってきました。
アベノミクス批判でしか選挙を闘えないので、しょうがないですね。

トップ3に社会保障と雇用を持ってきているのは、
民主党の支持基盤が労働組合だから、という明白な理由によるものです。

「社会保障」のリード文の中には「非正規雇用の増加等に対応」と記載してありますし、
「雇用」の分野では「労働法制の改悪阻止」という勇ましい文字が躍っています。

こういう人たちが政権を取ると、どっちの方向を向いて政治を行うかは、
2009年から我々が思い知った通りです。ハイ。

■共産党

1.消費税増税中止
2.アベノミクスをストップ
3.憲法9条

安倍政権に真っ向から二大テーマで対峙しつつ、
自らのアイデンティティである憲法9条をしっかりトップ3に持ってきています。

賛否は置いておくとして、この党のマーケティング戦略は非常に明快です。
ここ最近、順調に議席を伸ばしているのは、決して偶然ではないと思います。

■社民党

1.アベノミクス反対、格差是正
2.集団的自衛権反対、平和憲法を守る
3.脱原発、再生可能エネルギー促進

こちらも平和憲法を二番目に掲げてきていますが、
ますます共産党との差別化が難しくなっている社民党。

脱原発も、優先順位トップ3に持ってきているのは社民党と生活の党のみで、
ここからも原発の争点化失敗という事実が浮かび上がってきています。

■維新の党

1.「身を切る改革」「行政改革」
2.「政治とカネ」に終止符
3.「脱・公共事業バラマキ」の経済対策

他の政党が「アベノミクス」という争点の土俵に乗っかる中、
ユニークなアジェンダ設定をしているのが維新の党。

トップ2には自らの党是である、改革政策を掲げてきました。
差別化戦略としては有効ですし、「何をする党なのか」というメッセージが明確です。

なお、4番目にも「稼げる国へ、徹底した競争政策」を持ってきて経済通をアピールする一方、
外交・安全保障については12番目と下位に配置しており、
特化型政党としての印象をますます強めています。

■次世代の党

1.国民の手による自主憲法の制定
2.防衛力強化、憲法解釈の適正化、拉致被害者の早期救出
3.財政制度を発生主義・複式簿記化に

コメント必要ですかね、この政党(笑)。
こちらもまあわかりやすく、自分たちの党是を先頭に持ってきています。
アベノミクスどこいった。

三番目に財政制度や会計の話がきているのは、
全国で一番初めに複式簿記を導入した元東京都知事である、石原慎太郎さんの影響ですね。
こちらもオリジンが非常にはっきりしております。

内容をよく見ると、維新の党と近い政策を多く持つ次世代ですが、
ここまでその優先順位が異なるのでは分党して正解、と言えるのかもしれません。

■公明党

1.経済政策(特に軽減税率導入)
2.社会保障と教育の充実
3.震災復興と防災・減災

とにかく今回は軽減税率導入がやりたくて仕方がない公明党。
圧倒的に支持層が「福祉」を求める人たちが多いために、
政策順位もとにかくそんな感じなのでしょう。

が、今回ぶっちゃけ政策が一番総花的でバラまき感があるのが、この党なのではないかと感じてます。
与党化して、どんどん立ち位置が謎になってきたなー。。

■生活の党

1.非正規雇用の是正と少子化対策
2.消費増税凍結と内需拡大
3.脱原発

正直、内容も薄いし、まったく党の方向性が見えてきません…。
脱原発が残っているのは「未来の党」の名残だと解釈できますが、
どんな層が何を期待してこの党に入れるのか、今回もっとも謎の政党。

というわけで、いかがでしょうか。
なんとなく、各党の優先順位や特徴が見えてきたのではないでしょうか?

皆さんが「一番重視すること」に力を入れている政党を選ぶ、
というのも、一つの投票行動なのかもしれませんね。

次回はまたランキング形式に戻る予定です。
毎日書くの大変だから、次回は週明けかも…。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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