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自分のピントがズレているのか、巧妙に的を外されているのかわからなくなる…

日々のこと

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
行政のカバーする範囲というのは限りなく広いので、議員というのは時に
まったくの門外漢な分野に直面することがあります。

…というかそんなことばっかりなのですが、

「自分の得意分野以外手を出さない(質問しない)」

というのはそれはそれで一つの手で、このスタンスを突き詰めて
自分の得意分野でしか発言しない中堅・大物議員もいます。
とはいえ、それは最後の手段でありたいものです。

もちろん、これまで知らなかった分野でもそれなりに
調査・研究して挑むわけですが、なにせ付け焼き刃といわれても
仕方のない段階でプロである役人さんたちに対峙するわけですから、

「先生、これは○○だからできないんですよ」
「この分野は××なので、ウチの職責ではないんです」

なんていわれると、何が正しいんだかわからなくなってくる時があります。
格好悪いので言いたくはないんですが、議員なんて時にはそんなレベルです。
(10年とかやってる人は、違うのかもしれませんが…)

岡目八目で門外漢だからこそ言えること・見える視点があるメリットがある一方で、
自分がとんでもなく的はずれな方向に突き進んでいるんじゃないかという不安。

政策秘書などのプロフェッショナルを雇えない地方議員たちは、
少なからずそんな葛藤の中に置かれることがあるんじゃないかと思います。

そんな私がいま直面しているのが、監査委員会事務局が司る
自治体による「工事監査」の分野。

工事監査とは

工事監査は、都が行う工事について、計画、設計、積算、施工等の各段階において、不経済な支出や施工不良がないかなど、技術面から当該工事が適正に行われているかを主眼とし、経済性・効率性、有効性の観点にも留意して毎年度実施している監査です。(地方自治法第199条第1項及び第5項)
http://www.kansa.metro.tokyo.jp/03kouji/kouji.html

で、先日ブログでも取り上げた通り、
例の「旭化成建材」による杭打ちデータねつ造が
東京都でも大きな問題になっているわけですね。

旭化成建材による杭工事データ転用、ついに東京都にも被害。賠償請求は…?
http://otokitashun.com/blog/daily/9304/

まだ門外漢な私は、これは工事監査の範疇では?!
と思って東京都監査委員会に問い合わせたところ、

「うちは現段階では関係ない」
「国交省の調査を待たなければならないが、監査のプロセスに影響はない

とほぼ断言されまして。。

監査委員会といっても職員数名程度の小さな組織で、
契約や業者選定などのプロセスや、図面上で判別できるレベルの
監査を行うのが主な事業。

今回のようなデータ段階の改ざんは、工事現場レベルに立ち会わなければ
発見することは不可能であり、少なくともそれは監査委員会ではなく
その事業を司る所管局の役割である…と。

うーん、そりゃそうなんでしょうけど。。

「計画、設計、積算、施工等の各段階において、不経済な支出や施工不良がないか」

を調べるのだから、今回のデータ改ざんは計画・設計の段階にある、
まさに地方自治法上における監査の範疇なんじゃないんですかね?

日本中のプロが騙された今回の捏造ですから、事前に察知しろというのは無理な話しです。
しかし今後は、なんらかの対策やガイドラインを
設定する必要があるのではないでしょうか。

たとえその対策を実行するのが、工事を実際に監督する局マターであっても、
それを監督・監査するのは監査委員会であるはずであって…

とか今日一日グルグル考えているんですけど、

「姉歯事件レベルの後も、監査委員会の職責には影響が出ていない」
この問題で監査委員会に問い合わせているのは先生だけ

とキッパリいわれると、やっぱり自分が的はずれなこと言ってるのかしら…
といまだに現在進行形で悶々としています。

明日また都庁に行って色々と調べてみますが、
こういう時に「個」で活動する議員の限界を感じるなーと思う次第です。
大きい政党でスタッフが充実していれば、また違うのかもしれないけれど。。

というわけで、あまり「知らない」ことに触れるのは
本当に無様に終わる可能性があるのでどうかとも思ったのですが、
これもまた議員の率直な一面ということで、たまには書いてみました。

何かこの分野に詳しい方がいらっしゃれば、ぜひともお力をお貸し下さいませ。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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