こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
我々都議会議員は120名ほどいますが、それぞれが2つ~3つ前後の
「審議会」「協議会」
と呼ばれる、有識者たちの行政会議体にアサインされています。
行政は様々な政策を決定するのにあたって、こうした会議体での
意見聴取や話し合いをもとに意思決定を行っていきます。
で、こうした審議会・協議会を経て地方議会の訴状に上がってきたときには、
すでに結論はほとんど決まってしまっていることは、以前にお伝えした通りです。
どうして地方議会では「俎上に載ったときには議論が終わってる」のか?
http://otokitashun.com/blog/togikai/6350/
そして前述の通りこの審議会・協議会にはそれぞれ
5~6名の都議会議員たちがちりばめられておりまして、多くの場合は
単年度の持ち回りで担当する審議会・協議会が変わっていきます。※例外もある
本日は私が今年度から担当した「中央卸売市場取引業務運営協議会」があり、
昨日その事前レクチャーを今月から受け入れている大学生インターン生とともに
受けていたのですが、
「え、こんな専門的な内容で、毎年変わっちゃったら何もできないんじゃないですか?!」
そーなんです。。
大きく福祉政策や住宅政策なんかを審議する会議体は比較的わかりやすく、
その分野に精通している都議会議員たちも活発な議論を交わしますが、
逆にほとんど口が挟めないような専門的分野の会議体も存在します。
頻繁に都議会議員が入れ替わるメリットとしては、
・新しい視点がもたらされる可能性がある
・形骸化して馴れ合いになっている会議体に刺激を与える(かもしれない)
という一方で、インターン生の彼が心配した通り、
議員の専門性が育たないので、充分に議論が深められないデメリットがあります。
■
今日は中央卸売市場の「臨時休業日・臨時開業日」を巡って議論が行われまして、
1日でも多く開業したい水産部と、一般企業並みに休業日を確保したい青果部の関係者の間で
白熱の議論が交わされていたのですが、都議会議員は誰も口を挟むことができませんでした…。
東京都が運営するさまざまな「市場」、築地市場がもっとも有名ですが、
この開業日、年間の休業日などは各関係者で議論・調整されます。
「水産部」と「青果部」は歴史的経緯もあって、
扱う商材は異なるものの同場所で同時に開かれることが慣習となっています。
当然、同時に開催した方が集客力に段違いになります。
毎日新鮮な商材が入ってくる水産部は、毎日でも開業して利益を上げたい。
一方で、取り扱う商材の特性上、水産物ほど焦る必要のない青果部としては、
従業員のためにも休みをある程度確保して優秀な人材を業界内で確保していきたい…
「そんなに意見が違って商材も違うなら、別々に開催すればいいじゃん」
と思ってしまいがちですが、
すでに同時開催するときの集客・売り上げがスタンダードになってしまっている以上、
今さら二つを切り離して同じパフォーマンスと事業規模を維持することはできません。
結局、毎年お互いの溝が完全に埋まることはありませんが、
両者の主張の折衷案的な休業日(開業日)が設定されて「落としどころ」となるようです。
■
私自身ももっと事前にレクチャーを受けておくべきだったと
反省するところですが、やはり議員の任期は4年ありますから、
せめて2年くらいは同じ審議会・協議会を担当するべきではないかなと感じた次第です。
審議会・協議会は大政党・大会派から割り振りが始まるため、
なかなか少数会派が任意の会議体に入れることは少ないのですけど、
アサインされる以上しっかりとした知識を身に着けて問題提起をしていきたいですね。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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