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イスラム国のテロを受けて、日本最大級モスクの「東京ジャーミィ」に訪問しました。

日々のこと

先日、イスラム国のテロについて所感を述べたところ、
外交関係を専門としているジャーナリストの方から、

「専門外のことを、都議ごときがとやかく言うな」
「ブロガーで評論家を気取っている暇があったら、仕事をしろ!」

というかなり辛辣な批判をいただきました。


(後略。続きもハードです、気になる人はコチラの最後の方から。)

最初にこのメンションを目にした時、
反射的に

「人が空いた時間に、何を書こうが勝手ではないかっ!!」

思わずイラっとしてしまったのですが(人間だもの)、
よくよく考えてみると都内のモスクに行ってみるべきという指摘はその通りだし、

「政治家・議員がモスクに訪問することでイスラム社会との連帯をアピールし、
 今回の事件でムスリムが差別されたり孤立化するのを防ぐことで、テロを防止できる」

というのは、正直なところ自分にはまったくなかった発想でした。
海外ではこうした文化の衝突が起きた時に、政治家が相手方の文化施設を訪問して、

「テロ自体は悪だが、文化そのものは決して悪ではない」

ということを表明・アピールするそうです。
それが少数文化の孤立化・被差別化を防ぎ、未来のテロを防止するのだ、と。
私のような地方議員・ヒラ政治家としてでも確かに、わずかでもやれることはあったのです。

というわけでスケジュールとにらめっこしたところ、
なんとか本日、新年会前に少し時間を作ることができそうだったので、
国内最大級のモスクである

東京ジャーミィ
http://www.tokyocamii.org/ja/

にアポイントを取って訪問することができました。

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急な訪問にも関わらず、自らもムスリムである広報担当の下山さんが、
2時間以上に渡って今回の事件への所見とイスラムの価値観を教えてくださいました。

写真 1

イスラム国の人質拉致事件と、その前のフランスの立てこもり事件以来、
東京ジャーミィへはマスコミからの取材が殺到しているそうです。

「イスラム国がテロを起こしたからといって、うちに取材に来ること自体がおかしいと思う」
「仏教徒がテロを起こした時、『日本人だから』といって取材がきたらどう思いますか?」
「日本では圧倒的に、イスラムに対する理解が不足している

冒頭からこのように熱く語る彼の言葉に、
すべてが集約されていた気がします。

写真
(ライトアップされたモスク)

確かに我が国では、イスラムに対する誤解と偏見が溢れています。
例えば、知識人の中にすら

「テロを起こしているのは、イスラムではない。あれは『イスラム原理主義者』だ」

という人がいたりします。

ですが、イスラム原理主義というのは単純に
「古き良き、マホメットの時代に還ろう」と思っている人々のことで、
原理主義者=即テロを起こす勢力につながるわけでは決してありません

過激派だとか穏健派だとかは、
日本のマスコミや学者がわかりやすくつけたレッテルに過ぎないのです。

写真 4

さらにはテロから離れて、
日本・東京とイスラムとの将来の関係についてもお伺いしました。

2020年にパラリンピック・オリンピックを迎える東京。
日本にはベジタリアン・メニューなど、外国の食文化が乏しいことが指摘されますが、

・イスラム食の「ハラール」もまだまだ普及が乏しく、来訪者が苦労するであろうこと
・日本では「ハラール」の基準がバラバラで、ビジネス的にも難しい状況になっていること
・ムスリムの礼拝所が少なくて困っていたが、最近は徐々に増え始めて改善していること

など、興味深い指摘やご意見も多々いただくことができました。
こうしたムスリム観光客への受け入れ体制の充実施策は、すぐにでも都政に活かせそうなので、
早速次の定例会で文書質問をさせてもらいたいと考えています。

その他にも話題は多岐にわたり、
お忙しい中で下山さんは本当に長時間の質問に応えていただきました。
最後に日本や、行政に求めたいことは何かと尋ねると、

「とにかく、一人でも多くの人にジャーミィを訪れてもらって、イスラムを知ってもらいたい
「一度でも来てもらえれば、イスラムへのイメージが必ず変わる。わかりあえる」

とのことでした。
実際、私も海外での観光を除きモスクを訪れたことはなかったし、
これほどムスリムの方にじっくりとお話を伺う機会はありませんでした。

「今の日本のイスラム関係のマスコミ報道は、第二の悲劇を招く」

と下山さんは大変心配をされていましたが、
確かに我が国ではイスラム教とムスリムたちが

「なんだか怖いもの」「平気でテロを起こす人々」

と思われています。
しかしながら、イスラムの根本を貫く思想は「寛容」であり、
多くのムスリムたちは平和を願い、共生しているのです。

裏を返せば、そのようなムスリムたちを一部とはいえ、
『テロ』に走らせた社会的背景をこそ、我々は学ばねばならないのかもしれません。

写真 3

「次はぜひ、もっと大勢の方と一緒にジャーミィに来てください!歓迎します!」

という下山さん。
今回は急な訪問でしたが、ぜひ次は多くの仲間たちと共に、
イスラムを理解し触れるためにこちらを再訪したいと思います。

冒頭に私に辛辣な指摘をして下さったジャーナリストの方は、
その後にこのようなtweetと記事を書いて下さいました。


おときた都議はテロ対策において最も偉大な貢献をする
http://agora-web.jp/archives/1629801.html

私には過分な評価でしかありませんが、
自分にない「気づき」を与えてくれたことに心より感謝を致します。

今後も私は私の立場から、ムスリムたちの差別や孤立化を防ぎ、
東京都のテロ対策を万全にするべく政策提言を行っていきたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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