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先人の蓄積を使い、後世に負担を残す…「エネルギー」の罪深さ

日々のこと

不安視された天候もなんとか回復し、
夕張視察の初日行程がほぼ終了いたしました。

色々と拝見しましたけど、
個人的な本日のハイライトは、高松捨石集積場(ズリ山)。

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捨石場とは、炭鉱で石炭採掘をしている際に大量に出てくる、土の廃棄物置き場です。
純粋な土以外にも、質が悪くて出荷できない石炭などもズリ場に廃棄され、
どんどんと積み上げられていくことになります。こうしてできた山を「ズリ山」といいます。

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純度はズリ山ができた時期によって異なるそうですが、
石炭の山がこれだけ積みあがっているのは、なかなか壮観です。
こうしたズリ山が、炭鉱の街であった夕張市内にはいくつも残されています。

これの何が問題かというと、ただでさえいわば単なるゴミの塊であって負の遺産なのですが、
ここ夕張市においては平成24年、炭鉱の閉山から20年以上経って、
ズリ山がとんでもない自然災害を引き起こしたのです。

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人工的に不自然に積まれたズリ山とズリ山の間に、
雪解けと大雨で水が溜まりに溜まっていく事象がいつしか発生しており、
これが一昨年決壊して、街の方にまで水害が発生しました。

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財政破綻都市である夕張において、
放置されたズリ山まで気にする人はなく、
こんなところから鉄砲水が発生することは予想だにされてなかったそうです。

で、このズリ山、
当然放っておけば、また同様の被害が予想されるため、
ズリ山をなくすなり水路を作るなりして、対策をしなければなりません。

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これを単なる公共事業として行うと、必要な財源はおよそ5億円。
一般会計規模が約110億円、市税収入が10億円未満の夕張市にとっては、
とてもポンと出せるような金額ではありません。

写真

そこで現在、夕張市が挑戦しているのが、
ズリ山に含まれる石炭のうち、発電所の調整炭として使えるものを採取し、
事業に必要なお金を捻出しよう、事業収入を上げようという取組みです。

初期投資は国に頼りながらも、10年間で工事費ゼロ、
つまり事業収支を均衡化させることを目指していくそうです。

…ちなみに実際に着手している事業者の方の話では、
このまま技術的なイノベーションが起こらない前提で作業を進めると、
ズリ山を消滅させるためには330年必要になるそうです。うわあ…

しかしまあ。

蓄えられた資源でエネルギーを使うだけ使って、
後世に多大な負の遺産を残していく。
これって、どこかで聞いたような話だと思いませんか?

そう、スケールは違えど、原発もやっぱり一緒です。

炭鉱の街として栄え、そして急激に廃れていった夕張市。
今の原発立地体も、同じような運命をたどるのでしょうか…。

爆発的な力をもたらすエネルギーの罪深さと、
同じことを繰り返す人間の愚かさを、雄大な北海道の大地で感じた次第です。

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今夜はバブル期の夕張市が20億円(!)で買い取った、
ホテルマウントレースイにて宿泊体験です。※宿泊費は自腹

よく行政が、こんなのものを持とうと思ったよね…
絶対ダメでしょ。。

明日はそんな行政的な視点から感じた、
夕張レポートをお届けできればと思います。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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