次の世代に希望をつくる

ベビーシッター控除案、「控除上限」と「所得制限」についての補足説明

日々のこと

※2026年8月23日 追記

公開後、「後段に出てくる『所得制限』というのは高所得者は対象外になるという意味か」というご質問をいただきました。

大事な論点なので補足します。一言で「所得制限」と書きましたが、中身は3つに分かれ、高所得者を対象外とする「足切り型」は避けるべきだと考えます。

一つ目は足切り型です。

年収がいくらを超えたら対象外、と線を引く形。児童手当の旧特例給付がこれにあたります。

二つ目は逓減型です。

一定の所得を超えると控除額が段階的に減っていく形。ゼロになる断崖がありません。

三つ目は控除率の傾斜型です。

足切りはせず、控除率そのものを所得に応じて変える。アメリカのCDCTCは対象費用の35%から20%へと下がっていく設計で、高所得でも一定率は残ります。

冒頭で述べた通り、このうち足切り型は絶対に避けるべきだと考えます。

理由は制度の目的と矛盾するからです。

この措置は働き続けられるようにするためのもの。ところが線を引くと、その手前で残業や昇進を断る動機が生まれます。

年収の壁で繰り返してきた失敗と、まったく同じ構造です。

就労を後押しする制度に、就労を止める段差を作る。避けたいところです。

実務的には二つ目か三つ目、つまり緩やかな逓減が妥当だと思います。

あわせて、本文で挙げた「控除上限」は所得制限とは別物である点も補足しておきます。

こちらは対象にできる費用そのものの上限です。年間いくらまでの利用料を対象とするか、という天井で、所得に関係なく全員に同じようにかかります。

逆進性を抑える手段としては、実はこちらのほうが効きます。

高所得層ほど利用額が大きくなるので、天井を置けばそこで自動的に頭打ちになるからです。

優先順位を整理すると、こうなります。

まず還付付きの税額控除にすること。そして対象費用の控除上限を検討すること。

そのうえで、必要があれば、所得に応じた緩やかな逓減を加えること。

足切り型の所得制限は、この中では最も筋が悪いのでNG。

年末の大綱に向けた議論では、ここまで書き分けて提起していければと考える次第です(省庁からの提案がどこまで遡上に乗るかは不透明ですが)。

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 42歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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