次の世代に希望をつくる

「減税のフリ」ガソリンの“付け替え増税”にNOを。そして本当に下げるべきは社会保険料だ

日々のこと

ガソリン税の旧暫定税率(いわゆる上乗せ分)を年内に廃止へ…与野党が合意し、政府・与党は年末の税制改正大綱に向けて動き出しています。

ところが同時に、道路・上下水道など老朽インフラの維持更新を口実に「自動車の利用者から新税を取る」構想が浮上

これでは、減税の名を借りた単なる名称変更=付け替え増税です。国民はもう、こういう“トリック”には騙されません。

もちろん、インフラ更新の需要は存在します。しかし「必要だから新税」しか選ばないのは、政治の怠慢でしょう。

まずは歳出の見直し(歳出削減)と優先順位づけ、それでも不足する場合に負担の議論が筋

順番を間違えてはいけません。

■減税の目的は「国民負担の軽減」。付け替えでは何も変わらない

減税の目的は、実際の家計・企業の負担を下げることに尽きます。

ガソリンの上乗せ税率を廃止しても、同額規模の新税を自動車利用者に課したら、可処分所得もコスト構造もびくともしない。

減税のフリをして信頼を失うだけです。

ここで政治が示すべきは、どこを削り、どこに重点投資するかの優先順位。その覚悟です。

■“最大のボス”は社会保障費。ここに切り込まずして財源なし

最近の動画でも財務省が資料で示す通り、日本の社会保障給付費は長期にわたり桁違いの伸びを続けてきました。

給付費は90年代から直近までに大幅増。非社会保障支出は対GDP比でほぼ横ばいであるのに対し、社会保障が膨張を牽引しているのは明白です。

ここを変えなければ、いくら「新税」を創っても、焼け石どころかザルに水。まずは持続可能な給付と負担の設計に立ち返るべきです。

■窓口負担の適正化(原則3割)などの医療制度改革を最優先に、歳出改革を前へ

私は繰り返し訴えます。現役世代の可処分所得を増やすことが、日本の成長と少子化対策の土台です。そのために、

●窓口負担の適正化(原則3割)
現在は高齢でも資産が十分にある世帯の多くが1〜2割負担になっている一方、若年の低所得世帯でも3割負担が基本。
負担能力に応じた例外(低所得者の軽減)は当然確保しつつ、原則は世代横断で3割に。受診行動の適正化と給付費の抑制を図る。

●給付の適正化・生産性改革
OTC類似薬の保険適用除外の拡大、ポリファーマシー是正、ジェネリック・バイオシミラーの置換、オンライン診療・AIトリアージ・電子処方の徹底、かかりつけ機能の明確化、DPC/出来高のハイブリッド最適化等で4兆円規模の医療費削減を目指す(維新の改革提言より)。

――こうした具体策を一刻も早く前に進めていくべきでしょう。

結論:付け替え増税にNO。現役世代の負担を本当に下げる政治へ

話をまとめます。

●単なる名称変更は詐欺的。減税のフリはやめよう。
●減税の目的は負担軽減。別の税で取り返すなら意味がない。
●財源論は歳出改革から。最大要因は社会保障費、ここに切り込む。
●特に医療制度は窓口負担を最優先に抜本改革。減税だけでなく、社会保険料の引き下げを視野に。

付け替え増税は論外として、本当に下げるべきは社会保険料だと、私はこれからも訴え続けます。

現役世代の可処分所得を増やし、投資と挑戦と子育てを後押しする国へ。

付け替え増税ではなく、改革の果実による負担軽減を。

これが、私たちが示すべき希望のロードマップです。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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