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HPVワクチン、男性への定期接種見送り。「費用対効果」推計方法に疑義あり

日々のこと

男性のHPVワクチン定期接種が、「費用対効果」を理由に当面見送りされることになりました。

私自身もHPVワクチンを接種し、子宮頸がん撲滅のために普及啓発に努めてきましたので、今回の決定は残念です。「当面」見送りなので、引き続き検討がなされることを強く望みます。

限られた財源をどう使うかという視点は大事である反面、今回の「費用対効果」の想定には納得できない部分があります。

産婦人科の稲葉加奈子氏が指摘しているように、今回の推計の一つには「女性の接種率」との見合いがあります。

HPVは性交渉で感染するため、男性も接種することには子宮頸がんを予防する間接的予防効果があります。

多くの女性が予防接種をしていればよいのですが、その比率が低い場合には、間接的予防効果に対する期待値は上がる。そして現在の日本の女性接種率はわずかに20%台。

20%台だと、男性への接種もかなり費用対効果が「良い」のに、80%台まで推計して

>女性の接種率が向上した場合には男性接種の費用対効果が悪い可能性が示唆された。

と結論されていて、極めて非現実的・楽観的な推計を根拠に用いすぎです。

男性への定期接種を見送るなら、女性の接種率が本当に80%台になるまで強力に普及啓発をしていく。その考えが果たして政府にあるのか。ないなら、現実の20%台の推計を重視して、男性への定期接種に踏み切るべきではないでしょうか。

本件については国会質疑でも取り上げていきたいと思います。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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