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「聞き取り調査に関する報告書」ではまったくの消化不良。真実に迫るために第三者機関の調査や政治倫理審査会が必要不可欠

日々のこと

裏金問題について、自民党の「聞き取り調査に関する報告書」が弁護士名で発表されました。

PDF20ページに及ぶものではあるものの、結論から申し上げればこの裏金システムがなぜ、どのように始まったのかという核心は一切あきらかにならない、極めて不十分かつ消化不良な報告書となっています。

特に安倍派(清和会)については、安倍氏がトップだった令和4年にキックバック廃止が決まったと複数人が証言しているにもかかわらず、それが復活した理由は不明のままで、誰かが隠蔽していることは明らかです。

身内による自主的な聞き取り調査でこれが解明できない以上は、より強力な第三者機関を設置した調査を行う必要があります。

また、発表は匿名にすることを条件に様々なコメントを引き出しているのでしょうけれども、さすがに匿名情報では納得できない部分が多々あります。

例えば、

還付が認められたもの 85名
そのうち、当時は還付を認識していなかったもの 53名

といった数字が記載されていますが、要は秘書がやってたから知らなかったという人が53名もいるわけですよね。これなどは特に、金額の多寡と照らし合わせないと信憑性が判別できません。

そして安倍派以外の聞き取りでも、岸田派は「誰が売ったのかわからないパーティー券の金額を収支報告に記載していなかった」となっています。

これも大問題で、本来はパーティー券の匿名販売は禁止されているわけで、その管理を与党の派閥が一切できていなかったとすると、いかに政治資金パーティーがザル運用されていたのかと頭がクラクラします。

政治活動の自由というお題目で、納税義務も税務調査もなく政治家が資金を集めるということ自体が、やはり限界を迎えていることの証左ではないでしょうか。

他にも突っ込みどころが満載の報告書、明日以降の衆議院予算委員会でも大きなテーマになります。

引き続き精緻な分析をするとともに、やはり政治倫理審査会にできるだけ多くの裏金議員の出席を求めていきたいと思います。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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