もっと、新しい日本をつくろう

教育無償化を断行する際に、所得制限は必要か?キャップ制の妥当性は?吉村洋文共同代表による勉強会

日々のこと

こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

本日は吉村洋文共同代表・大阪府知事が上京するタイミングに合わせて、教育無償化についての勉強会をフルオープン(マスコミ入り・YouTube中継あり)で行いました。

会場には多くの議員のみならず、現役高校生を含む学生部メンバーも多数参加し、またネット中継は平日にもかかわらずリアルタイムで700名以上が視聴されていました。

珍しい二人の並び。ツッコミを入れているようにも見える…。

教育無償化の論点については、以前に私のブログでも少し触れておりますので、動画を見る前にこちらもご参照ください。

2時間超の議論はたいへん白熱し、ぜひ動画で全編を見てもらいたいのですが、ブログでは最後に吉村さんから言及があった「所得制限」の問題をば(動画1:46~あたりから)。

教育(のサービス提供や支援政策)において、所得制限は必要か?

これは非常に議論が分かれるところだと思います。以前に私も予算委員会の質疑で取り上げまして、岸田総理&政府の認識を確認したことがあります。

2022年10月

行政施策に所得制限をかける理由は大きく以下の2つだと考えられます。

財源の問題。お金がないから支給対象は絞るべきというシンプルな理由
応能負担。高所得の人にまで政府が税金を使って支援するのはおかしい、それは逆に不公平だから行わないという考え方

前者はわかりやすい。後者はいわゆる応能負担の考え方で、お金がある人は相応の金額を払うべきで、逆にそうしないことは不公平だというものですね。

どちらも一つの理ではあるものの、負担についてはすでに税制度(所得税等)において再分配が行われています

累進課税によって高所得者には重税が課されている中、さらにサービスにおいても格差を設けるとすれば、それは「二重取り(二重取られ)」だろうという捉え方もできるわけです。

それで再分配が不十分だと言うのであれば、本来変えるべきは税制度のはずです。

実際、応能負担とはいえ、消防や警察などのサービスにまで所得制限や応能負担が課されていることはありません。

とりわけ子どもたちにかかる支援・教育についてはある種の公共財として、「税(負担)の再分配についてはしっかり税制で行い、提供するサービスには所得制限をかけない」というのがシンプルであるべき姿だと私自身も考えます。

そして吉村さんがもう一つ指摘していたのは、実務上の問題・事務負担についてです。

何をもって富裕層・高所得者と定義するのかは非常に困難です。この点、橋下徹氏も所得制限のバーが低すぎることを指摘しています。

いま、教育行政においては世帯年収910万円を超えると高所得者とみなされ、支援金が受けられなくなります。児童手当は960万円を超えると減額が始まります。

若手公務員でも共働きならこの金額はあっさり超えますし、それで子どもを複数人育てていたら、「富裕層」と言われるほどの暮らしをできるでしょうか

子どもを3人育てている年収1,500万円世帯と、単身の年収800円世帯なら、どちらが裕福といえるのでしょうか。

ことほど左様に高所得・富裕層の判断というのは難しい上に、世帯年収2,000万円以上の層は1.2%、1500万円まで伸ばしても合計で3.1%程度です。

本日の勉強会の公開資料より。

行政施策で所得制限を設けると、その判別のために人件費を含めた膨大な行政コストが発生します。マイナンバーなどが完璧に機能するようになれば、こうしたコストは低下しますが…。

吉村さんが言うように、そうしたコストをかけてまでわずかな高所得層を選り分けるべきかというのも、判断材料の一つになるのではないでしょうか。

本日の勉強内容・議論を踏まえて、来週から政調会を中心に、教育無償化を全国展開する場合の制度設計について検討・議論を加速していきます。

万博ロゴが並ぶの図。

授業料の上限規制(キャップ制)における統制経済批判に応えて、市場原理と教育の質の向上をどのように両立させていくか。

極めて難しい問題ですが、勉強会の最後や記者会見で述べた通り、大阪の制度設計が発表されてからアレコレと考え続けてきた結果、私はここに一定の回答を出せるのではないかと手応えを感じています。

来る衆院選までに制度設計が発表できるよう、同僚議員とともに邁進していく次第です。

それでは、また明日。

個人献金のお願い
ボランティアスタッフご登録のお願い
音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

友だち追加
twitter @otokita
Facebook おときた駿
Instagram @otokitashun

ページトップへ