こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
選挙公約で「所得制限のない完全無償化」を打ち出してからわずか4ヶ月。私学団体との折衝を乗り越え、ついに大阪府で教育の無償化がスタートする見込みとなりました。
大阪府高校無償化、私学団体が所得制限撤廃に合意 府修正案受け入れ
https://mainichi.jp/articles/20230809/k00/00m/040/342000c
>大阪府内の学校法人が加盟する大阪私立中学高校連合会は9日、高校授業料の無償化を巡り、所得制限を撤廃することで府と合意した。府は2024年度から段階的に所得制限を撤廃し、26年度に全学年・全世帯の府内生徒を対象に「完全無償化」を目指している。所得制限の撤廃は全国初。(中略)
>修正案では、標準授業料を現行の生徒1人当たり年間60万円から63万円に増額。私学経営を下支えする「経常費助成」も32万5500円から段階的に引き上げ、26年度までに2万円程度上乗せする。これにより、新たな標準授業料は府内の私立高校の平均授業料(22年度で62万9350円、施設整備含む)を上回るほか、全国で2番目に低かった経常費助成も全国標準近い水準となる。
吉村洋文共同代表が誰よりも思い入れをもって進めていた政策だけに、熱い思いを込めてTwitter(X)に長文を投稿しています。
一方で、大阪で始まったこの教育無償化は第一歩。国全体に広げていくにあたり、様々な論点は残っています。
>民間事業サービスを完全無料化することは、一瞬聞こえはいいが、それは完全計画経済を実施しなければならないことを意味する。 これは維新の思想と合うのだろうか。 今後、診療報酬決定をする際に毎回ドタバタの政治劇が繰り広げられるのと同じように、私学高校授業料の算定にあたって政治劇が繰り広げられる可能性が高まった。私学団体と完全にタッグを組む政治行政の復活になるか。
>しかしキャップをはめた上で、低中所得世帯は完全無償化にし、高額世帯には一定の負担をしてもらった上でキャップ以上の授業料を徴収する余地を私学側に残すことが、授業料無償化政策、ひいては教育費無償化政策の軸になることに違いはない。 現行の所得制限をどこまで緩和するのか、どの所得世帯に私学の経営の自由を支えてもらうのかを考えるべきだと思う。
(上記橋下氏の投稿より一部抜粋)
維新のファウンダー・橋下徹氏が指摘しているように、所得制限のない形で授業料にキャップをはめれば、私学側が市場原理で努力できる余地は極めて限定され、完全計画経済に組み込まれてしまう。
「所得制限のない教育無償化」という理想を求めながら、完全計画経済から脱却し、市場原理を残す余地はあるだろうか。
例えば経常費を減額し、生徒一人あたりの授業料支援の金額の方に上乗せすることで、「生徒の数」を競い合うような競争原理を残す・働かせることはできないか(こちらの補助の手法の方が、教育バウチャーの思想・制度設計に近い)。
この場合、少人数に質の高い教育を提供したい学校の運営理念とはバッティングするケースが考えられますし、完璧な制度を一朝一夕に作り上げることはできませんが、こうした多角的な議論と検討を加速していく必要があります。
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今回、大阪は行財政改革等で生み出した財源によって私学側の負担を軽減させ、すべての私学が参加する形で無償化制度をスタートさせることができました。
100点満点のやり方ではないかもしれませんし、これからも「産みの苦しみ」が色々な場面であると思いますが、それでも所得制限のない教育の無償化に大阪府が憲政史上初めて踏み込んだことはものすごい偉業と思います。
その大きな一歩をどのように全国展開することが最適解なのか、国政維新でも早急に議論を深めていく次第です。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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