こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
昨日から国会がスタートし、明日25日からはいよいよ衆参両院における代表質問で論戦の火蓋が切って落とされます。
その前に、所信表明演説を聞いていくつか私の心に残ったポイントを記しておきます。
第二百十一回国会における岸田内閣総理大臣施政方針演説
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2023/0123shiseihoshin.html
>先日の欧州・北米訪問の際、ある首脳から、「なぜ日本では、議会のことを、英語でparliamentではなく、Dietと呼ぶのか」と問われました。確かに、ほとんどの国は、議会を英語でparliamentと呼ぶようです。調べてみたところ、Dietの語源は、「集まる日」という意味を持つラテン語でした。
今回の所信表明演説は、小話からスタートする意外な展開でした。まあそれはいいとして、結局、所信表明演説の中で総理はなんでDietと呼ばれるようになったかは教えてくれません!謎掛けをしたら答えも教えて欲しい!
Dietの語源がラテン語であることはその通りなのですが、これは明治時代の帝国議会はドイツ(プロイセン)の在り方を主な参考にしていたので、プロイセン帝国議会(Reichstag)を英訳したことに由来するようです。
参考サイト:
National Diet? -ダイエット(日本の国会)は通じない?-
https://national-diet.com/nationaldiet
で、次に続くくだりが挑発的というか、なかなか味わい深いのです。
>政治とは、慎重な議論と検討を積み重ね、その上に決断し、その決断について、国会の場に集まった国民の代表が議論をし、最終的に実行に移す、そうした営みです。私は、多くの皆様の御協力の下、様々な議論を通じて、慎重の上にも慎重を期して検討し、それに基づいて決断した政府の方針や、決断を形にした予算案・法律案について、この国会の場において、国民の前で正々堂々議論をし、実行に移してまいります。「検討」も「決断」も、そして「議論」も、全て重要であり必要です。それらに等しく全力で取り組むことで、信頼と共感の政治を本年も進めてまいります。
検討ばかりと揶揄されてきたけど、何が悪い!その上で俺は、これだけのことを決断してきたのである!
というプライドがほとばしる発言です。これもいいんですけど、なんというか、自分で言うことじゃない気はしますよね。ネット風に言うと「煽り耐性が低い」という感じでしょうか。
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政策面でもっとも気になったのはやはり、いわゆる「防衛増税」のくだりです。
>こうした取組(※防衛力の強化)は、将来にわたって維持・強化していかなければなりません。そのためには、令和九年度以降、裏付けとなる毎年度四兆円の新たな安定財源が追加的に必要となります。歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保などの行財政改革の努力を最大限行った上で、それでも足りない約四分の一については、将来世代に先送りすることなく、令和九年度に向けて、今を生きる我々が、将来世代への責任として対応してまいります。
すでに総ツッコミが入っていますが、ここが意味がわかりません。歳出改革、行財政改革の努力はこれから最大限行うのに、なんでもう4分の1が足りないって決まっているの??
本日の財務省レクでもこんなポンチ絵がありましたが、どう歳出改革・行財政改革をしようとも、この分だけは絶対に増税するのだ!という強い意思を感じます。結論ありきというやつですね。
そして労働市場改革の部分。
>人材の獲得競争が激化する中、従来の年功賃金から、職務に応じてスキルが適正に評価され、賃上げに反映される日本型の職務給へ移行することは、企業の成長のためにも急務です。本年六月までに、日本企業に合った職務給の導入方法を類型化し、モデルをお示しします。
年功序列をやめよう、企業はそれに対応して欲しい。モデルをお示しする。
というのであれば、まずは年功序列(入省年度順)の権化である霞が関・中央省庁の国家公務員の人事制度から改革するのが筋ですよね。中途入省だとほぼ事務次官にはなれないとか、給与体系全体を抜本的に見直す余地があるはずです。
民間企業に「お願い」するのであれば、やるべきことが先にあると思います。
エネルギー政策。
>長年の懸案となっていた、北海道・本州間の送電線整備など再エネ最大限導入に向けた取組に加え、安全の確保と地域の理解を大前提として、廃炉となる原発の次世代革新炉への建て替えや、原発の運転期間の一定期間の延長を進めます。また、国が前面に立って、最終処分事業を進めてまいります。
原発について踏み込んだ方針を出していることは是としますが、まさに避けて通れないのは最終処分場の問題。所信表明演説に入れてきたということは、覚悟を持ってのことだとお見受けしました。
この点については維新もしっかりと提案を出し、政府の取り組みを後押しすべき点で後押ししていきます。
一方で、防衛造成やエネルギー政策に比べてあまり「覚悟」が感じられないのが子育て支援・少子化対策の分野。
…特に引用したい部分がないくらい、あまり発言に中身がありません。。
6月の骨太方針までに予算倍増に向けた大枠を提示する、内容については「様々な工夫をしながら(これから)考えてまいります」ということで、少子化担当大臣に丸投げして、言い訳程度の政策が出てこないことを願いつつ、
維新としては教育の無償化や子育て応援税制など、対案を具体的かつ強力に打ち出していきます。
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長くなってきたので本日はこの程度に留めます。
相変わらずの岸田総理ですが、旧統一教会問題で失点をするまで論戦でも柳のように身をかわし、強敵であったことも事実。
政局やスキャンダルではなく政策を武器に、正面から政府与党とぶつかるべく準備を進めてまいります。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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