こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
クリスマス・イブの本日ですが、ネット上では突如始まった「ねこホーダイ」というサブスクサービスが大きな話題になっています。
月々の定額を払えば猫を借りたり「手放したり」できるというサブスクサービス。私もTwitterで苦言を呈したところ、
「法令違反でもないサービスに政治家が口を出すのか」
「民間介入、規制強化ではない」
とのご指摘がありましたが、これは動物の命に対する向き合い方として道義的な問題が大きいのはもちろんのこと、法的にも問題があるのではないかと考えられます。
すでに猫に対する愛着形成などの問題は有識者が指摘をしている通りですので、取り急ぎ現時点で考えられる法的な問題点をいくつか指摘をしておきます。
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動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=348AC1000000105
まずストレートに抵触すると思われるのが、同上7条4項です。
(動物の所有者又は占有者の責務等)
第七条
4 動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない。
このサブスクサービスは「できるかぎり終生飼養に努める」という法の趣旨に真っ向から反し、むしろ途中で手放すことを無邪気に奨励・許容しているように見えます。
また、第二条の「基本原則」にも触れるおそれがあります。
(基本原則)
第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
2 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。
繰り返し出てくる「習性を考慮」。猫は飼い主や家に愛着を形成する習性がありますから、名前も与えられず、飼い主が頻繁に変わる状況では大きなストレスがかかることは想像に難くありません。
こうした観点から、果たしてこのサービスは合法的なものと言えるのかどうか。週明けにも担当省庁に確認したいと考えています。
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一方でこの「ねこホーダイ」を擁護する声として、「殺処分になるより良いではないか」「保護猫の行き先を確保するための一つの手法」というものがあります。
確かに動物殺処分は減らさなければならない難題ですが、それでもこのサブスクという解決方法には問題が大きいと感じざるを得ません。
人間に引きつけて考えてみれば、要保護児童を預ける家庭が不足しているからといって、サブスクで里親家庭を探そうという話にはならず、受け皿を他の方法で必死に講ずるはずです。
もちろん動物のは場合は、その「必死に講ずる」部分が欠けて安易に殺処分をされてしまうからこそ問題が起きるのですが、その部分は政治や行政が正面から向き合わなければならない課題です。
このサービスにしても、責任の転嫁や手軽さを公言するような内容ではなく、「命を救う・つなぐ」という視点で構築された事業内容や発信であったなら、ここまで問題視されることはなかったかもしれません。
対応結果については、またブログやSNSでご報告いたします。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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