こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
ここ数日、ワクチン接種が遅れるフラストレーションから、その怒りは厚労省のワクチン施策へと向けられているようです。
私の結論から申し上げますと、厚労省には改善すべき点は多々あるものの、ことワクチンについては「利権・陰謀」の類とは無関係であろうと思っています。
私は医学そのものやコロナウイルスについては専門外ですが、これはHPVワクチンの問題には接種当事者として取り組んできた実感です。
直近では子どもたちに対するインフルエンザ接種についても、なんとか集団接種を積極再開・許容できないか?と厚労省と意見交換したことがありましたが、医系技官は利権を守るどころかむしろ積極的で
「医学的には問題ないし推し進めたいが、歴史的経緯や世論の反発から政府・厚労省は消極的で…(要旨)」
という雰囲気でした。なお、インフルエンザワクチンの集団接種が中止されたのも副反応に対する不安≒ワクチン忌避が強くなったことが主な理由です。
参考:【医師監修】昔の子どもは集団予防接種をしていた? インフルエンザの今と昔
https://general.kenei-pharm.com/learn/influenza/5355/
インフルエンザワクチンについては、その効果は無効だとする通称「前橋レポート」が大きな注目を集め、ワクチン忌避感情を強めてしまったのですが、現在ではこのレポートは多方面から反証・批判がなされています。
参考:インフルエンザ予防接種ワクチンは打たない派の方へ⋯なんで判ってもらえないんだろう?(五本木クリニック)
https://www.gohongi-clinic.com/k_blog/375/
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話をコロナワクチンに戻します。
政府と厚労省がワクチン早期承認などに慎重だったのも、ひとえに(歴史的経緯も踏まえた)国民感情に配慮したもの、もっといえば国民感情を民意とした政治家が要望したものだと言えます。
私もまさに厚労省官僚の久米氏が指摘する国会審議に注目していましたが、ワクチンについて慎重な意見は与野党問わず出されています。
「諸外国でも事例があって十分に安全性は確かめられているのだから、日本は特例でどんどんワクチン接種を進めるべき。そういう法律・ルールももっと作るべき」
などと声高に主張する政治家はほとんどおりませんし、いないのはそういう世論がない(強くない)からです。
副反応が一つでも起こればメディアに袋叩きにされることは確実ですし、多くの政治家はそれも含めて慎重になっています(いました)。
勿論これはこれで、深刻なエラーを起こさない民主主義の利点であり、そのための知恵です。
ただそれが、ワクチン接種が進まないフラストレーションから、厚労省悪玉論へと向かってしまうのには違和感があるということは申し上げたいと思います。
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ワクチンも副反応がまったく起きない、完全無欠な存在ではありません。どんな政策にもプラスとマイナスがあります。
そうした時に、どこかに「悪玉」がいるという考え方は溜飲を下げるには良いのかもしれませんが、事態の解決にはあまり役に立たないのではないでしょうか。
ワクチンについては厳しい状況が続いてきた日本も、少しずつ巧妙が見えつつあります。
HPVワクチンを含めて、科学的に正しい政策が素早く政府に反映・採用されるよう、引き続き国会から私も提言を続けて参ります。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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