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「原発推進派」を自称する、自民党議員の不可解な主張。福島処理水の安全性を再び検証する&英語で発信!

日々のこと

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

今日も前回前々回に引き続き、福島原発の「処理水」の安全性について検証していきたいと思います。正念場なので、しつこくいきましょう。

前回のブログにおいて、「福島第一原発における処理水と通常の原発排水は確かに異なるが、最終的なステイタス・安全性においては同じものである」ということを解説しました。

その後、ネット上で自民党・山本拓議員による不可解な主張が話題になっているのを目にしましたので、自説(安全性)を補強しておきたいと思います。

こちらの山本議員、確かに以前から原発推進の政策を唱えているようではあるのですが。

上記のように明らかに福島処理水に「危険性」があるかのような文章を発表していたり、自身のHP上では頑なに「汚染水」という表現を使い続けているなど、ちょっと私には理解に苦しむところがあります…それ、原発推進にもマイナスだと思うのですが。。

この山本議員への反論をかねて、2つの面から不正確な点と福島原発処理水の安全性を指摘しておきたいと思います。

■トリチウム以外の核種は、基準値以下まで十分に除去されている

確かに核燃料・デブリに直接触れた後の冷却水には、通常の原発排水には含まれないセシウム・ストロンチウムなどの核種が含まれるものの、それは化学的処理によって基準値以下まで十分に除去されます。

東京電力資料「多核種除去設備等処理⽔の⼆次処理性能確認試験結果」より抜粋

なので、少なくとも山本議員は「正確な事実」を発信しようとしているのであれば、トリチウム以外の核種は基準値以下まで除去されることは合わせて明記するべきです(「完全には除去できない」という極めて曖昧かつ誤解・不安を招く表現になっている)。

しかしおそらく山本議員や、そして海洋放出に安全面から根強く反対をする人々は「基準値以下であろうと、少しでも残っていたらダメだ!」ということ(ゼロリスク理論)を暗に主張されたいのだと思います。

あるいは

「そんな得体のしれないものを流して、万が一にでも健康被害が出たらどうする!世界から非難を浴びるぞ!」

と懸念されているのかもしれません。そこで、ぜひ次の事実も知っていただきたいと思います。

■世界の「再処理施設」からは、福島原発処理水と同様のものがすでに海洋放出されている


福島から出される処理水が、他の原発排水そのものとは異なるとしても、核燃料の「再処理施設」においては、福島原発とほぼ同じ性質の水が排水されています

厳密には核燃料・デブリに触れる福島第一原発と異なり、再処理施設では核燃料そのものに水がタッチするわけではないようですが、その周辺部の清掃などにも使用されることから、再処理施設では福島原発と同様にセシウムやストロンチウムを帯びた水が排出されます。

こちらは十分に化学的に処理され、東電の試験結果と同様、トリチウム以外の核種については基準値以下にして「処理水」として海洋放出されるわけですね。

しかし当然のことながら、これらの再処理施設周辺で処理水による健康被害が出たという科学的事実は存在しません

繰り返しになりますが、最終的に海洋放出前にトリチウム以外の核種は化学的に安全な基準値以下まで除去されるので、世界の原発から日常的に排出されている処理水≒トリチウム水と変わらないという結論になります。

処理水の海洋放出、常時監視へ IAEAトップが訪日意向
https://this.kiji.is/755224880256270336?c=39550187727945729

とにかくここからは情報戦。東電の信頼性欠如は国際機関(IAEA)のサポートで補いつつ、しつこいくらいに科学的に正しい情報を発信し続ける必要があります。

拙い語学力ですが、twitterで英語発信をしている細野豪志議員を見習って私も英語で動画を撮ってみました。

明日以降も引き続き、緊張感をもって国会論戦・情報発信に臨んでまいります。

それでは、また明日。

【動画の英語メッセージ】

Message from a Japanese lawmaker on the safety of releasing treated Fukushima water into the sea.

Hello, I’m Shun Otokita.
A Japanese lawmaker of the House of Councillors.

I think some of you are really concerned that untreated radioactive water stored in Fukushima
will be discharged into the ocean without proper treatment.

I would like to share with you that the quality of Fukushima’s treated water is as harmless as
those of other nuclear power plants are currently
discharging in the world.

Our technology is capable enough to reduce  radioactive substances including tritium
to the standard level.

And before discharging the treated water, safety assessments are carefully conducted.

Please access reliable source of information and refrain from spreading rumours! Thank you.

こんにちは、参議院議員の音喜多駿です。

福島に貯められた未処理の放射性水が、適切な処理をせずに海に放出されるのではないかと心配している方もいらっしゃると思います。

福島の処理水の水質は、現在世界の原子力発電所から排出されている処理水と同じくらい安全であることを皆さんと共有したいと思います。

我々の技術は、トリチウムを含む放射性物質を標準レベルまで低減することができます。また、処理水を排出する前に、安全性の評価を慎重に行っています。

皆さん、信頼できる情報源にアクセスし、噂を広めることはご遠慮ください。ありがとうございました。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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