こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
本日、大変残念ながら一都三県の緊急事態宣言延長が決定となりました。
この事態を東京都選出の国会議員の1人として防げなかったことは本当に心苦しく、皆さまにさらなるご不便をおかけすることを申し訳なく思っております。
本日の菅総理・小池百合子知事の記者会見を拝見し、私は後者(小池知事)について率直に不誠実さを感じ、怒りを隠すことが出来ませんでした。
■未解決のデータ変更問題
重症者の病床使用率が1週間で「53.5ポイント」改善? 都のデータ「あやふや」でも緊急宣言延長するのか(J-CAST)
https://www.j-cast.com/2021/03/04406406.html
重要な数値である「重症病床使用率」が2月下旬に突如変更され、十分な説明・検証がなされないままであることは、昨日の予算委員会で私も指摘し、上記ニュースで取り上げていただきました。
厚労省と東京都の「重症者」に対する定義が違うということは昨年からずっと問題になってきましたが、
・なぜこのタイミングで急きょ、定義が統一できたのか
・これだけ頑なに東京都は統一を拒んできたのだから、変更による弊害はないのか
・国ベースの「正しい数字」で、しっかりと遡った検証が行われているのか
etc…
等といったことが曖昧なまま、私権制限を継続されることにまずもって多くの都民・国民は納得がいかないと思います。
■自ら述べた「解除基準」はどこにいったのか
そして解除基準の話。
小池知事やそれを擁護する人々は「東京都が解除基準を『500人以下』などと定めたことは一度もない」と述べていますが、それは欺瞞であり、少なくとも不誠実です。
乙武さんや複数の記事が指摘しているように、小池知事は1月の記者会見で明確にこう述べています。
>昨日の西村担当大臣の国会での説明の際も、東京都でいえば1日500人という数値を挙げられました。まさにそれらのことも念頭に入れながら、この間をしっかり都民の皆さん、事業者の皆さんとともに目指していきたいと考えております。
小池知事1月8日記者会見より
(中略)
1日の陽性者数500人というのは、それに従って、ベッド数などもそれに応じて下がってくるわけです。それに対しての対策もそれだけ負荷が下がってくるということですから、レベル3ということ、国が定めているところのレベル3ということは一つの目標になろうかと思います。
これで「500名やレベル3は目標ではなかった」というのは、まさにゴールポストずらしと言わざるを得ません。
また、本日は「140名」という数字が大きく報じられ、突然降って湧いた目標値に関係者は騒然となりました。
公平を期すために言えば、こちらは2月の段階で東京都の専門家が示していた数字であり、その意味では「突然出てきた数値」ではありません。
参考:東京の感染者「1日500人」で宣言解除したら…専門家「すぐに再拡大」(読売)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210211-OYT1T50177/
上記の新聞では140人以下を「独自の目標」と報じています。
しかしながら、東京都や都知事に言わせれば、こうしたものも「目安」「目標」であって「解除基準」ではない(?)ということになります。
そして最新の(昨日の記者会見)では解除基準については
「政府によります」
「政府が定めているものに従っている」
(引用元の記者会見全文)
なんなの、本当に。
解除を決めるのはあくまで政府で、自分たちは延長を「要望」しただけ。責任はすべて政府にあって、どんなことがあっても自分には関係がないということでしょうか。
こうした言葉遊びに振り回されて、藁にもすがる思いで緊急事態の解除を待っている人たちの状況を考えると、忸怩たる思いでいっぱいです。
■聞こえない謝罪の言葉
そして何より。
昨日の緊急事態延長決定後の記者会見で、小池知事から謝罪の言葉が一切聞かれないことです。
菅総理は記者会見で「申し訳ない」とはっきり述べているにもかかわらず。
小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和3年3月5日)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/governor/governor/kishakaiken/2021/03/05_01.html
私が確認した限り、「申し訳ありませんが~」という枕言葉すら、会食自粛をお願いする文脈で一度さらりと出てきたのみ(見落としていたら教えてください)。
もっとも重要な冒頭発言では、感謝の言葉はあれど、あやふやな目標を追いかけたまま宣言延長に至ってしまったことに対する謝罪の言葉は一切ありません。
それどころか報じられているように、「都民に緊急事態だという自覚はあるのか」と批判を転嫁する始末。
ご自身が緊急事態宣言中にもかかわらず、何日も外出をして選挙活動に没頭していたことも、都民の意識に大きな影響を与えているのではないでしょうか。
■
小池知事には、人を動かす力があります。また政局を読み切る力も並大抵のものではなく、傑出した政治家であると心から思っています。
しかし今の小池知事には、世論やワイドショーが自らの思うがままに動くことに慢心し、もっとも傲慢で非科学的な言動を繰り返していた「築地市場移転問題」のときの姿がダブります。
あの時も「総合的判断」の元でゴールポストは縦横無尽に動き、豊洲への移転決定後、自らの言葉に責任をもって方針転換への謝罪をすることはついぞありませんでした。
昨日の記者会見の模様からも、緊急事態の延長で落ち込むどころか高揚している様子が伝わってきます。本当によくないことだと思います。
テレビ世論はそれでも小池知事を支持し、批判することは少ないでしょう。それでも、言うべきことを地道に積み重ね、指摘を続ける他ありません。
都民に対する重い責任を背負い、自省をしながら、できることをすべてやっていきたいと存じます。
悔しいな。今回も、悔しい。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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