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NGT・山口真帆氏によって、情報公開と危機管理の「新たな扉」が開かれた

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

週末ですので、やや政治・政局と直接関係ない話題をば。

●山口真帆さん、NGT運営の記者会見中にTwitterで反論 「(劇場での)謝罪を要求されました」

アイドルグループ・NGTを巡る不祥事が大変なことになっています。グループの不祥事に対して、運営が公式見解を記者発表している最中に、当事者がTwitterで反論。

それを記者が拾って運営に質問をぶつけるという、まさに前代未聞の展開です。

ここには情報化社会の進展によって、誰もが「オウンドメディア(自分メディア)」を持てることなった重要性のすべてがつまっているなと、展開を見て私は戦慄すら覚えました。

ここに至るまでには、いくつもの時代・状況の変化があったと思います。

誰もがSNSなどで自分のメッセージを発信できるようになった

まず大前提はこれですね。従来であればアイドルや芸能人などは、事務所によって厳しく情報統制され、仮に懇意な記者に「真実」を伝えたとしても、報道機関と事務所の関係などもあってそのまま記事化されることはまずなかったでしょう。

事務所の検閲や報道機関を通さなくても、当事者が全世界に意見を発信できるようになり、それをマネージメント側がもはや「止められない」ということが、今回の一件で改めて明らかになりました。

記者会見が容易にネット生中継されるようになった

そして二番目に重要なポイントがこちらです。「記者会見」といっても無数のものが常時行われているわけで、相当なビッグニュースでキー局が取り上げない限り、記者会見の様子を記者以外が生でみるということは困難でした。

ところがネット社会と技術の進展により、いまやネット中継で気軽に記者会見を全国配信できますから、ちょっとした記者会見程度でも生で見ることができるようになりました(私の記者会見レベルでもネット中継される)。

これによって「当事者が記者会見を見ながら、生で反論する」という、今までの常識では考えられないスピード対応が可能になったわけですね。

記者のネットリテラシーが上がり、SNS発信を拾って質問としてぶつけた

加えて重要な3点目が、質問する記者サイドの変化です。どれだけ当事者が頑張ってツイートしても、記者がそれを拾わなければ「ネットの中だけ」の出来事で終わったかもしれません。

しかしながら、今回はそもそも山口さんのTwitterが一つの発端となって大騒動になったことからも、記者たちは山口さんのTwitterに注目していたのでしょう。あるいは、本人に近い人から予告めいたものがあったのかもしれません。

いずれにせよ、リアルタイムで記者が当事者の反論をネットから拾い、それを質問としてぶつけた。今回の件は大きな「前例」となり、記者が今後は当然にチェックする材料になると思います。

以上を総合すると、今後は記者発表をする側は、生半可な内容では当事者からの「生反論」が来ることを想定し、率直な内容を発表することが不可避になるのではないでしょうか。

今回は、以上のようないくつもの変化が積み重なり、ついに洪水のようになって「情報公開」と「危機管理」のあり方が根本から問われる展開となりました。

私はこれを極めて重要かつ前向きな変化だと捉えています。当事者である山口さんの苦難はいかばかりかと思いますし、今回の対応を決断した勇気には敬意を表するばかりです。

おそらくこれまで、芸能界に限らず企業や政界でも、組織側の「お手盛り第三者調査」と「大本営発表(記者会見)」によって、いくつもの真実や当事者の声が握りつぶされてきたのでしょう。

勿論、傍観者である私にどちらの言い分が正しいかはわかりません。しかしながら、当事者の発信によって「大事なことが隠されていた」ことだけは、誰の目にも明らかになりました。

大げさかもしれませんが、一人のアイドルである山口真帆さんによって、平成最後のこのタイミングで、「情報公開」という新しい扉が開かれました。

しかもそれは、政治家も、著名な起業家も、ジャーナリストも、誰も開けることができなかった扉だったのです。

もはやこの「情報公開」の流れには、誰も抗うことはできないでしょう。

これまで「水面下」で様々な物事を進めてきた人たちにとっては、それはもっとも恐れる事態かもしれません。

しかしながら大多数の人々にとっては、それこそが開かれたより良い社会につながると私は確信しています。

私も引き続き、自分自身のオウンドメディア(自分メディア)を成長させ、情報発信力を研鑽していきたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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