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ふるさと納税で、都税の流出額は約190億円!バリアフリー予算の総額に匹敵する税収が…

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日は主税局・会計管理局に対する事務事業質疑が行われ、私は以前にVoicyブログでも取り上げた「ふるさと納税」について質問しました。

上記の過去ブログ記事でも、都内ワースト1の流出額の世田谷区で40億円以上、その他にも港区・大田区・江東区など約20億円近い金額が流出していることを取り上げましたが、本日の答弁で都内区市町村を含めた都域全体における平成29年度分の影響額は約476億円にものぼることがわかりました。

そしてふるさと納税には、本来であれば広域自治体である都の税収となるものも含まれており、都税への影響額は約190億円とのことです。

190億円!!

これでどれだけ巨額かといいますと、平成30年度予算でいえば、東京2020に向けたバリアフリー化の推進全体の予算と同じ規模です。

もう一ついえばシルバーパスにかかわる年間予算が約170億円なので、毎年、都内の主要交通機関を高齢者に対して無料開放できるくらいの金額が流出していることになります。

そしてこうした状況に対して、東京都は残念ながら「無為無策」といった状態です。

ふるさと納税と言うと、市区町村などの基礎自治体が返礼品競争をしているイメージがありますが、実は広域自治体もふるさと納税による寄付を募ることができます

東京都もその気になれば、独自のオリパラグッズなどを返礼品として参戦することができますし、あるいは文京区の「こども宅食」のように、社会的意義のある政策に対して目的寄付を集めるのも一つの手ではないでしょうか。

一方で、返礼品競争と化しているふるさと納税はおかしい、そんなものに参戦すること自体いかがなものかという考えも理解できます。

であれば、ふるさと納税の抜本的見直しを都として公式に求めていくべきなのですが、これを問うた私の質問に対する答弁は

○ ふるさと納税については、公共性の高いプロジェクトへの寄附を募集するクラウドファンディングの活用など、諸外国と比べて遅れているとの指摘もある寄附文化の醸成に一定程度寄与する面があるものと認識
○ 一方で、過熱する返礼品競争や高額納税者ほど控除額が大きいなど様々な課題もある。
○ 各自治体の判断により様々な返礼品が用意され、返礼品競争は過熱しているが、この状況に対して、国は、返礼割合は3割以内、地場産業の返礼品に限るなど、制度の見直しを検討すると表明しており、都は国の動向を注視

とのことで、あまりにも悠長で危機感が薄いと言わざるを得ません。

国は確かに制度の見直し検討を進めていますが、その方針を発表後もギフトカードなどを返礼品に設定する基礎自治体が後を絶たないなど、それが実効性を発揮するのはいつになるのか不透明です。

ふるさと納税に積極的に参加しないのであれば、逆にきっぱりと国に対して、制度の廃止を含めた抜本的見直しを都として強く要請するべきではないでしょうか。

約190億円という巨額は、これから年々増え続ける恐れもあります。流出してしまう側としての危機感を強く持つべく、本件は今後も議会で定期的に取り上げていきたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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