もっと、新しい日本をつくろう

「日本の政治家の演説は下手クソすぎる」「言葉が刺さらない」問題の原因はどこにあるのか

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日は日本財団の主催するソーシャルイノベーションフォーラムにて、こちらのイベントに登壇してきました。

コーディネーターに(政治業界では)お馴染み、ユースクリエイトの原田謙介氏を迎え、現職議員とメディア関係者らが実際にネット投票を体験しながら、民主主義の課題について語り合うこの企画。

選挙制度のあり方からメディア報道まで、文字通り議論は多岐に渡ったのですが、とりわけ私に刺さったのはBuzzFeed編集長の古田さんのこの指摘。

日本の政治家は演説がまったく響かない。欧米やアジアの政治家と比べてもまったくダメ。名演説と言われるものがほとんどない」
「本当に表現したいこと、伝えたいことがあるのか疑問」(要旨)

うーん、演説が下手ですいません…(苦笑)。

※【9月10日14時追記】
なお古田さんはこの後に続けて、「言葉は政治家だけの問題ではなく、むしろみんな(日本社会全体)の問題」という主旨のコメントも述べられており、政治家にだけ厳しかったわけではありません。

で、その場でも少し触れたのですが、これはかなり核心をついた深遠な問題だと思います。

技術的な上手い・下手で言えば、「上手い」人は日本の政治家にも沢山いるはずです。でも、「拙いながらも心に響く」いわゆる動画サイトでバズるような名演説が、なぜ日本人政治家からあまり出てこないのか。

まず古田さんも指摘するように、「そもそも本当に伝えたいことがない」政治家・議員がいるというのも事実だと思います。そりゃ魂がこもっていないので、名演説になるわけがありません。

でももっと根が深いのは、色々と「わかった上で」のっぺりした演説をしている政治家・議員が多いんじゃないかと言うことです。

どういうことかと言いますと、心に響く名演説というのは、往々にして極端だったり大胆だったりするものです。

こんなことを言ったら批判されるんじゃないかとか、敵が増えるんじゃないかと気にしてばかりいたら、突き抜けた演説は生まれません。

ところが日本で長く政治家をやって、選挙を何度も経てくると、まさにそうした「敵を作らない」「選挙でなるべく多くの票を取る」マインドに染まってきてしまうんですよね。

おそらく選挙で受かることだけを考えれば、敵はできるけど10人の人が感動して涙を流す演説をやるよりも、なんだか無難な演説を繰り返して万人受けするような内容にしておいた方が合理的なはずです。

なので、表現はどんどんマイルドになり、極端でわかりやすいことは言わなくなり、名演説からはかけ離れたものが量産されて、それが日本政治家のスタンダードになっていくのですね。

これ、実は私がまさに最近になって直面していることでもあります。

音喜多新党(仮)の立ち上げに際して、党綱領とまでいきませんが、私たちの思いを込めたメッセージを発表しました。

●メッセージ  -あたらしいあたりまえをつくろう-

この中に、例えば私は「小さな政府」「都市型政党」というフレーズを敢えていれました。

ですが、これには私と考え方がほとんど一致している近しい人たちからも、多くの懸念が示されました。

「極端なことは言わないほうが良い」
「これだけ見て逃げてしまう層が出てしまう」
「誤解を招く恐れがあるし、わざわざ火種を入れなくても…」

こうした懸念は、従来の選挙のセオリーから言えばまったく正しいものだと思いますし、指摘をしてくれた方々には心より感謝をしています。

でも、万人に向けた表現は、結局は誰にも刺さらないのだろうと私は思います。

最大多数のボリュームを取ろうとして表現に気を使い、あれもこれもと入れ込めば、結局何を言いたいのかよくわからないメッセージになってしまう。それをスピーチするのだから、「名演説」などできるはずがありません。

そして、実際にそこから政策づくりをスタートして、あれもこれもと財源をばらまいてきた姿が、今の日本の政治の末路です。

日本の政治家が、政治そのものが次のステージにレベルアップするためには、選挙を恐れずに「伝えたいこと」をわかり易い言葉ではっきりと伝えなければいけないのではないでしょうか。

もともとの地力のある組織政党であれば、これまでのセオリー通りの選挙をしていれば良いのかもしれません。

しかし、スタートアップ政党はタブーに挑戦しなければなりませんし、そこにしか活路がないと私は考えます。そして、その活路を切り拓いていくことこそが、次の政治につながると信じます。

改めて「言葉」を大事にしながら、前に進んでいきたいと思った1日でした。

演説ももっと上手くならねば…!

そんな貴重な気づきをもらえた共演者の皆さま、イベント主催者の皆さま、本当にありがとうございました!(写真に写っていない市ノ澤さん、ごめんなさい!)

当日の様子は後日、YouTubeでもアップされるとのことですので、主催者ページをぜひチェックしてみてくださいね。

音喜多新党(仮)も、統一地方選挙等に挑戦したい仲間をまだまだ募集中(9月末一次締切)!こちらも合わせて、よろしくお願いいたします。

音喜多新党、始動。2019年統一地方選挙に向けて、公認・推薦候補を公募します
https://otokitashun.com/blog/daily/18682/

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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