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質問案のデータに「ecoyuri」。二元代表制を毀損するやらせ質問疑惑について

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日午前、先般から議論されているいわゆる都議会の「やらせ質問」問題に関連しまして、記者会見を行い説明をさせていただきました。

質問作成に“都知事関与” 都議会議員が説明要求(NHK)
“都民ファやらせ質問疑惑”保存者名が「ecoyuri」(テレビ朝日)

これは昨日速報が打たれた共同通信社の取材・調査により、新たな事実が明らかになったためです。

記者会見でもお伝えした点につきまして、当ブログでも説明をしていきたいと思います。

まず、報道に至った経緯についてです。

先の都議会・予算特別委員会において、都民ファーストの会・樋口都議と当時の知事側近であり東京都特別顧問の小島氏による「やらせ質問」が指摘されました。

以来、議員から送られた質問文書の作成者名が小島氏であることが判明するなど、「やらせ質問」への疑念が高まっています。

「知事側近作成ファイル上書き」都民ファ 質問疑惑都議 やらせは否定(東京新聞)

私は当時、都民ファーストの会内部で当該の都議とは近い立場で活動しておりましたが、この小島氏との「やらせ疑惑」については何らかの確証を持つものではありません。

何より、他の都議が作成した質問について過度に干渉することは信義にもとるとの考えから、その件についての発言・発信は最低限度のところで控えてきましたし、今後も自ら積極的に行うつもりはありません。

ただし、この疑惑に対する都民ファーストの会および小池知事の対応、参考にした資料やメールのやり取りを一切非公開にするという対応は、情報公開を一丁目一番地としてきた姿勢に矛盾した、極めて不適切なものであると考えております。

常日頃からすべてをさらけ出すのは難しいとしても、疑念を払拭するために、指摘された範囲の質問策定プロセスを詳らかにすることは、決して難しいことではないはずです。

そんな折に、通信社から都民ファーストの会在籍当時の質問作成過程について、とりわけ臨時議会での質問作成で参考にした資料について、具体的な取材がありました。

私自身、そのプロセスは今回の「やらせ疑惑」とは無関係なものと思っておりましたし、正直なところ、資料の存在もほとんど失念しておりました。

そのために戸惑いはありましたが、具体的な指摘・取材がある中で沈黙を貫くことは疑念を加速させ、隠蔽に加担する行為であり、公明正大な態度ではないと思えました。

そこで私は、少なくとも自分自身が当時責任を持って質問作成に携わった部分については、問い合わせに対して情報公開をするべきとの結論に至りました。

ついては、私自身が書きあげた質問草案や、その際に参考にした資料などを、デジタルデータも含めて取材元に開示をした次第です。

当時、都民ファーストの会として経済港湾委員会に所属していた私は、昨年8月の臨時議会において、本会議や委員会における質問を中心的に作り上げる・取りまとめる役割を担っていました。

最終的に会派役員の手によって大きな修正が入ったものの、臨時本会議における一万文字以上の最初の質問原稿案をかきあげたのは、紛れもなく私自身であります。

ただこの質問を作成する際には、ある参考資料がありました。

それが報じられた「質問案」の資料であり、これは直接的には、同じく経済港湾委員会に所属していた樋口都議から、質問をつくる作業部会宛にもたらされたものだったと記憶しています。

私はこちらの資料をその後、メールでも共有してもらいました。

資料には、質問と答弁、いわゆるQA形式になっている文章がすでに詳細に記載されていました。

この資料を質問作成の参考にし、質問に反映してほしいとのことでしたので、各議員が持ち寄った質問案とともに検討し、すべてではないものの、私自身の手でいくつかを実際の質問にも反映しました。

この資料の出処については、持ち込まれた樋口都議は「党本部からもらった」というように発言していたと記憶しています。

ただこの質問案には、市場問題に精通しており、執行機関側でなければ書きづらい「想定答弁」まで記載されていることから、違和感を覚えて役員などにも確認しましたが、「党本部に詳しい政策スタッフがいると聞いている」など、曖昧な答えが返ってくるのみでした。

いずれにせよ当時は、この文書の出処を調査する術を知りませんでしたので、私はこれを極めて重要な参考資料として、質問を作っていたわけであります。

こちらの資料を取材に対して開示したところ、当該通信社の確認により、この参考とした「質問案」資料の作成者が「東京都」であり、また小池知事との関連が疑われる「ecoyuri」というアカウント名が残されていることがわかりました。

この資料が質問作成を当初から担った私自身や、都民ファーストの会の作業部会に大きな影響を与えたことは明らかであり、仮にこの資料の作成者が東京都や都知事、つまり執行機関サイドであったとすれば、これは二元代表制の原則を毀損する極めて不適切な行為です。

執行機関側との馴れ合いをやめて、古い議会を新しくするとしていた、小池知事や都民ファーストの会の選挙公約にも明確に違反します。

当時、都民ファーストの会で質問作成を進めている際、小池知事の影響力を感じなかったと言えば嘘になります。

実際に私自身、この「質問案」の資料に都民ファーストの特別顧問である小池知事の意向を強く感じていたことから、個人的にこの資料を「顧問ペーパー」と呼んでいました。

また会派内には、いわゆる「知事与党」として、知事に対して忖度をする雰囲気がありました。

とはいえ、直接的・具体的に「あれをやれ、これをやれ」と質問に介入してくることはありませんでしたし、形式的にであれ、二元代表制は維持されていると思っていました。

ところがこの「質問案」が、東京都職員や小池知事自身が作成・関与したものだとすれば、事の次第は極めて深刻であると言わざるを得ません。

私は当時、もらった資料の作成者を確認するという発想を持ち合わせておりませんでした。今回の取材・指摘があるまで、この資料の存在をほとんど失念していたというのが正直なところです。

仮にこの資料が東京都および小池知事が深く関与して作られたものであったとすれば、私自身も二元代表制を毀損する行為に加担していたことを、重く受け止める必要があると考えています。

また当時、小池知事に忖度する雰囲気が会派内に流れる中で、議会人としてもっと毅然とした態度を取るべきだったのではないかとも痛感しております。

いずれに致しましても、資料作成者について生じた疑惑につきましては、小池知事および東京都、都民ファーストの会の関係者が真摯に説明を尽くすことが不可欠ではないでしょうか。

この資料の作成者は誰で、どこを通じて、どのようにもたらされたのか。

今後の知事記者会見などで、こうした事実が明らかになることを強く期待いたします。

そしてその事実の中に、二元代表制や公約に反する不適切な行為があれば、私自身も含めて、関係者一同が深く反省する必要があることを、自戒も込めて申し述べさせていただきたいと思います。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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