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年収1400万円超なのに、勤怠管理&情報公開ナシ!「私(小池知事)が把握」する特別秘書って

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

予算特別委員会・しめくくり総括質疑が終了いたしました。10分という時間はやはり短く、分散せずに総括質疑に40分を充てておけば良かったかな…と戦略ミスを反省中であります。。

今回は

●特別秘書の合理性・透明性について
●環状二号線暫定迂回道路について

の2つが質問テーマでして、まずは前者から取り上げていきます。

巨大行政である都庁においては、小池知事を補佐する「秘書業務」だけで15名(!)もの職員がいるのですが、これに加えて2名の「特別秘書」が存在します。

これは地方公務員法の規定に基づき、条例によって位置づけられている「特別職」で、

・議会承認なし(知事の任命)
・勤怠管理なし
・任期なし

・公用車付き(→これは改革によりまもなく廃止)

という、まさしくスペシャルな存在です。本職については上田都議のブログにて過日も取り上げられたところでして、

昨年(訴訟を起こされかけたため)行なわれた情報公開によって、特別秘書職の年間給与は1,422万円にものぼることが判明しています。

報酬カット中とはいえ、公選職である都議会議員を上回り、都知事に匹敵する給与をもらう存在(!)となっています。

この特別秘書は都知事が都のために行う「公務」のみならず、政治家としての「政務」についても補佐する存在であるため、その妥当性についてはかねてから疑問視する向きがありました。

現在小池知事の特別秘書職を務める野田数氏は、地域政党「都民ファーストの会」の二代目・四代目代表となったことでも有名ですね。

これはただちに法的に違法ではないものの、都税で給与が支払われている特別秘書職が政党活動を行なって良いのか、二元代表制を損ねるものではないか…との指摘があったわけです。

住民監査請求 知事特別秘書の給与返還を 6月の登庁4回  /東京
https://mainichi.jp/articles/20170920/ddl/k13/010/148000c

実際に東京都でも、特別秘書に対して「政党活動ばかりで、都のために働いていないじゃないか!」と給与返還を求める住民監査請求が起こされていたりします。

こうした世間からの「政務(あるいは私用)と公務の混同」における厳しい指摘を受けて、大阪府・京都府・兵庫県などではすでに特別秘書職を「廃止」しています

特別秘書職の廃止、または待遇見直しを検討すべきではないか?と小池知事に質しましたが、特別秘書はこれからも必要との答弁でした。

ではこのまま存続するとして、問題なのはその管理監督方法です。

特別秘書は「特別職」ではあるものの、東京都職員服務紀律が準用される取り扱いとなっており、利害関係者から接待を受けるなどの便宜供与は禁止となっています。

政治家・小池百合子知事であれば、その行動は一定程度情報公開されていますし、メディアなどによる衆人環視も働きますから、便宜供与などについてはそれなりの抑止力が働いています。

一方で特別秘書は、知事の「代理人」として権勢をふるい、政策決定に大きな影響力を及ぼしていることが推察される反面、勤怠管理・情報公開がないことからこうした「チェック機能」がまったく働いていません

知事自身はクリーンだとしても、見えないところで特別秘書職に利害関係者からの便宜供与が行なわれ、それが意思決定に反映される…

こうしたことが起こりうる懸念について、かねてから多くの指摘があるところです。

そこで、この仕組みについて改めて改善を求めて知事に質したところ、

「一般職と同様に出勤管理を行う必要はなく、勤務状況は私が直接把握(要旨)」

というご答弁でありました。

知事の頭の中だけで完結…どこかで聞いたような話が。。

勤怠管理がされてないので、都庁の人事部などは特別秘書の行動を把握できていません。

しかし知事が直接把握されているというのであれば、それをできる限り情報公開すれば良いのです。

そにれよって、都税で禄を食む特別秘書職を都民の目の下に置き、疑念の払拭・妥当性の検証が行えます。

こうした情報公開における対応を改めて求めましたが、こちらも残念ながら事実上の「ゼロ回答」でした。

これまでの都政では、主に今回見直しが行なわれた特別顧問の権限や透明性が議論されてきましたが、特別顧問以上の給与待遇・権勢を持つ特別秘書も同等以上の問題をはらんでいます。

私は、特別秘書職のすべてをただちに否定はしません。かつて所属した政党で行動を共にしていた際には、都政のために尽力していた側面も見ています(給与や待遇は知りませんでしたが)。

だからこそ、都民がそれを知るための「情報公開」が必要なのです。

特別秘書は公選職ではない公務員でもあり、法で定められた以上の情報公開を行うことは、情報公開を一丁目一番地に掲げた知事の責務ではないでしょうか。

本件については、引き続き透明性の高い運用を求めて参りたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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