こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
昨日の予算特別委員会の質疑内容について、3回ほどに分けて内容を書いていきたいと思います。
まず本日は、小池知事が昨年6月20日に発表した「築地を守る、豊洲は活かす」の基本方針が変わっているのではないか?という点について検証したいと思います。
その前に大前提として、当時私がその基本方針を支持したことは間違いであり、自分の政治判断のミスを心より申し訳なく思っています。詳しい経緯はこちらのブログをご覧ください。
小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成29年6月20日)
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/governor/governor/kishakaiken/2017/06/20.html
すべてはここから始まりました。会見の文字起こし以外に、当時の映像や資料などもすべて上記のページから閲覧することができます。
こちらは昨日の委員会で私が使用したパネル。当時の資料に発言を加えたものです。重要なのは赤い丸をつけた部分ですね。
「仲卸の目利きを活かしたセリ・市場内取引の確保・発展」
とはっきりと明記してあります。会見の終盤には
「その後、食のテーマパーク機能を有する新たな市場として、東京をけん引する一大拠点とするという考え方であります。」
と、こちらもはっきりと明言しています。
「中央卸売市場は豊洲」だとしても、築地にもなんらかの市場機能は残るのだ、「市場併設案」なのだと誰もがこの方針を理解していました。
ところが、築地に市場機能を残すことが難しいと理解し始めたのか、知事の発言はどんどん揺らいでいくことになります。
(時間の関係で昨日は使えなかったパネル)
「食のテーマパーク」を単なる1つの考え方と退け、「築地に市場は作らない」と断言してみたり、そして議会では「自由な発想で幅広い意見をいただいている」とあくまで検討中であることを強調しています。
公約であった「築地に市場機能を残す」という意思はまったく感じらず、その変節疑惑はずっと指摘され続けてきました。
そしてこの点については、予算特別委員会の中で私以外からも質問が相次ぎ、ついに小池知事は委員会という公的な場で、市場機能を残すという点についても「1つの考え(だった)」と退けるに至りました。
築地に市場機能を残すのは、(知事の中では)公約ではなかったのです。
■
これは明らかに、事実上の公約撤回です。しかしながら、小池知事は頑なにそれを認めません。
「築地に市場機能を残すと宣言できないなら、基本方針が変わったことを認めるべき」
だという私の質問に対して、小池知事は
「基本方針は、まさしく基本的に何ら変わっていない。大きな方向性は豊洲と築地の両方を活かすことだ」(3/15付 朝日新聞記事の要約より)
と答弁しました。こんな大きな方向性「だけ」が公約だったと、受け入れられる人がいるでしょうか?
選挙の直前にあれだけ提示された資料と強気な発言は、何だったのでしょうか?
私はこのように続けます。
ではもう一つ別の角度から伺います。6月20日の発表の際、知事は築地へ復帰を希望する事業者に対して
「経営支援については検討してまいりたい」
「築地へまた復帰される際のお手伝いはさせていただく」
とはっきりと述べています。これも、まさか1つの考えですか?多くの事業者の運命がかかっています、知事、よく考えてお答えください。
小池知事はこれに正面から答えず、「まずは豊洲市場への移転が最優先」と述べるに留まり、事実上の「先送り」状態であることが明らかになりました。
これは、私は変節だと思います。築地再開発が検討中だとしても、
「基本方針を発表したときは、築地に市場を残す・戻れると約束した。でもどうやら難しい事情もあって、今は検討中になりました。申し訳ない」
と、素直に認めるべきではないでしょうか。
■
何も私は知事の発言の揚げ足を取って責め立てたいわけではありません。
これを白黒はっきりせざるを得ないのは、この知事の玉虫色のスタンスが原因で、現在進行系で混乱の最中にいる市場関係者がたくさんいるからです(政治家の公約が大事だということも当然ありますが)。
そして築地再開発検討委員会には市場関係者が入っておらず、その議論の流れから見ても、市場機能を築地に残すという流れにならないことは明白になりつつあります。
市場移転後に結論を先延ばしをするのではなく、結論を速やかに出すことこそが、市場関係者の混乱を収めて円滑な移転につながります。
逆にいま知事は、「豊洲市場に移転するまでは、どちらにも良い顔をするために結論を曖昧にしておこう」と、立場を死守することに躍起になってしまっているように見えます。
変わることが悪いわけではありません。状況が変われば、政治判断を変えるのもまた1つの重要な役割です。
悪いのは、変わったことすら認めずに約束と違う方向に進むことです。
以上が私の主張になります。
小池知事は変節したのか、変わっていないのか。築地の市場機能については結論を出すべきか、出さざるべきか。
判断は質疑を見た皆さまに委ねたいと思います。
さて、ここまでも重要ですが、次からが本題の本題。
築地市場跡地でどのように収益を出すのか、その財源論と現状スキームの破綻について、明日の記事で解説していきたいと思います。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 予算特別委員会2018