こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
国会では加計学園問題を巡って閉会中審査が白熱していますが、防戦一方に追い込まれている安倍首相の支持率低下に歯止めがかかりません。
【産経FNN世論調査】内閣支持率、第2次内閣発足後最低の34・7%、不支持は最高の56・1% 「首相を信頼」は29・6% 加計学園や稲田朋美防衛相の問題が影響
http://www.sankei.com/politics/news/170724/plt1707240026-n1.html
比較的高めに数字が出る産経調査でもこの数字…。
半年前まで「安倍自民一強」に疑念を持つ人などほとんどおらず、総裁選の三選確実とまで言われていた状態から、あっという間にこの体たらく。特に、一貫して低かった不支持率が5割を超えたのは衝撃的でした。
とにかく「一寸先は闇」という格言を地で行くように、展開が目まぐるしく変わっていく政界ですが、この背景にはいくつかの要因があります。
◯情報化社会が進展し、有権者の感度が高くなったこと
◯特に「非公開」「説明不足」に対して敏感になっていること
◯そうした状況下で、官邸および自民党が完全に初動対応を間違えたこと
メディアやマスコミ報道に対する批判はあると思いますが、メディアは陰謀論とかではなくクールにマーケット(視聴者や有権者の反応)を見て動くので、このあたりは冷静に抑えておく必要があると思います。
舛添問題など、多くの事例ですでに明らかになっていることですが、もはや今の時代は
「不都合なことは隠しておく」
「当面をやり過ごせば、批判は収まるだろう」
ということが一切通用しなくなっています。インターネットの発達を主な要因として、情報がオープンであることが当たり前となった世の中では、
「情報が公開されないこと」
「説明が不十分なままやり過ごされていること」
自体に不満が鬱積するのであり、その不満はSNSなどの一般人によるオウンドメディアで無限に自己増殖していきます。そしてどれだけ支持率が高くても、転落するときはあっという間です。
ここ3年、政権運営をつつがなく行ってきた首相官邸(≒菅官房長官)は、今回の件に関しては完全に対応を誤りました。
出てきた情報を「怪文書」と切って捨てて封殺し、前川元事務次官の個人攻撃を行い、国会延長を拒んで議論を打ち切ろうとする。
そのすべてが、国民感情をマイナスに振り切らせたと言っても良いでしょう。
■
昨日には今井絵理子参議院議員への不倫報道なども出て、女性人気の低い安倍政権には決定的なダメージになりそうです。
本当に半年後が、いや三ヶ月後すら予想が難しくなっているこの政治の世界。情報化社会では一手の対応を誤れば、凋落は瞬間的に起こります。
逆に、常に情報に対する感度を高く持ち、間違ったときは素早く訂正・修正をしていけば、信頼を維持し続けることもできるでしょう。
秋口には衆議院解散もささやかれ始めましたが、今回の一連の流れから我々政治家も多くを学び、信頼に足る政治を創り上げていかなければなりません。
他山の石とし、都政運営に活かしていきたいと思います。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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