こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
過日、「一票の格差」を是正するための衆院選・小選挙区の区割り変更案が発表され、大きな話題を呼んでいます。
というのも東京都および我が地元・北区を含む東京12区が、多大なる影響を受けているからです。
北区を含む東京12区といえば、かつては「白票が日本でもっとも多い選挙区」という不名誉な称号をいただき、前回の衆院選では
「公明党をぶっ潰す!!」
という掛け声とともに降臨した田母神閣下によって激烈な選挙区となり、その結果として公明党と共産党の代議士しか存在しないという、なんとも数奇な選挙区であります。
参考過去記事:
田母神候補の参戦で、激変した東京12区(北区・足立区の一部)の選挙事情
http://otokitashun.com/blog/senkyo/5176/
田母神候補の参戦で、激烈な争いの舞台となった東京12区に残ったもの
http://otokitashun.com/blog/senkyo/5330/
で、この東京12区がどのように変化するかというと、
【現行】
北区+足立区の一部
↓
【新案】
北区+足立区の一部+豊島区の一部+板橋区の一部
というように、北区は分割を免れたものの、なんと4つの基礎自治体にまたがる選挙区となる見込みです。
うーーん。。
第一印象としては率直に、「こりゃ大変だ」という感想しか出てこない状態です。
何が大変かと申しますと。
小選挙区制度では、その選挙区から原則として1名の代議士が選出されます。比例復活で当選する場合もありますが、とにかくその地区から選出された人が事実上の「地区代表」になるわけです。
国会議員は自分の地元利益のためではなく、天下国家のために全体最適のために働くのだという「建前」はありますが、現実論としては地元の基礎自治体の首長・地方議員たちと連携し、地域課題に対応していくこともその責務になります。
となると、今回の東京12区の場合、
・北区長と北区議会議員
・足立区長と足立区議会議員
・豊島区長と豊島区議会議員
・板橋区長と板橋区議会議員
たちとコミュニケーションを取って行かなければならず、またそれぞれの地区から式典などに呼ばれて地元まわりにも忙殺され、ますます天下国家のために政策に打ち込む時間が少なくなるのでは…ということを危惧するものです。
■
一概に小選挙区は悪いところばかりでもないのですが、こうした区割りの変更が頻繁にあるようだと、弊害のほうが目立つようになる可能性はあります。
また、豊島区と板橋区が選挙区が加わったことで、一部から「赤い大地」と称されるほど公明党・共産党が強い東京12区の勢力図が、どのように変わっていくかにも注目が集まります。
実際にこの区割りが実施されるのはまだ先になりますが、私も地方議員の立場から注視し、政治力学の変化をお伝えしていきたいと思う次第です。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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