こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
本日は徳島市長選挙の投開票日。私も阿波おどりに2回ほどお邪魔したりと、
思い入れのある都市で注目をしていたのですが、
徳島市長選の投票率45・70%
徳島市長選の最終投票率は45・70%で、前回2012年の25・64%を20・06ポイント上回った。— 徳島新聞社 (@tokushimapress) 2016年3月27日
徳島市長に遠藤氏が初当選確実 元四国放送アナ:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASJ3W5K80J3WPTIL01H.html
なんと投票率は前回比20%アップということで、
前回が低すぎるとはいえ、2倍近くの方が投票に足を運んだことになります。
そしてその結果として、史上初めて現職市長が敗れるという大番狂わせが起きました。
※
首長選挙においては、式典・祭りなど街のあらゆるイベントで挨拶をし、
任期中に合法的に選挙活動ができる現職が圧倒的有利とされている。
(23区でも現職区長が負けた例はない)
(画像は選挙ドットコム寄稿記事より)
これは民主主義や選挙にとって、
非常に重要なことを示唆した結果だと個人的に思っています。
前回2012年の徳島市長選挙は、現職市長と共産党推薦候補の一騎打ち。
勝敗が見えていることもあってまったく盛り上がることなく、
投票率は首長選挙で20%台に低迷しました。
しかし今回は現職・共産党推薦候補の他に、
保守系で知名度バツグンの元アナウンサー、無所属で40歳の新鋭弁護士と、
個性豊かな新人候補たちが政策を戦わせ、選挙を彩りました。
たったの4人に1人しか足を運ばなかった選挙で選ばれた市長に較べて、
今回の市長には大きな期待がかかると思いますし、徳島市民たちの政治意識は
間違いなくレベルアップしたことでしょう。
それをもたらしたのは、
「多様な選択肢」と「健全な競争」です。
多くの選択肢から選べるということが、
有権者の「投票に行こう」「自分の意見を伝えたい」という気持ちを喚起しました。
そして候補者同士も、ライバルに少しでも競り勝つために
民意に耳を傾け、政策を磨き上げていったことは想像に難くありません。
多様な選択肢の中から、有権者は自分の一票を託したい
政策や理念を持つ候補者を真剣に選び、候補者もまた
その期待に応えるために努力する。
ここにこそ民主主義の醍醐味があり、
この積み重ねで社会や政治は少しずつ前に進んでいくのです。
■
翻って、現在の我が国の状況はどうでしょうか。
「一強多弱はよくない」
「自民党に対抗できる勢力をつくる」
というお題目の元、政策や理念の一致しない政党が誕生し、
共産党すらもそこに選挙協力をすることで、有権者が選べる「選択肢」は
むしろどんどん少なくなる方向に流れが進んでいます。
私はこの状況は、あるべき姿ではないと考えます。
野党が強い・勝ちそうなら投票に行くという人もゼロではないものの、
それ以上に選択肢が減れば投票を放棄する人が増えることに確信があるからです。
「小選挙区制度では、野党はまとまらなければ勝てない」
「二大政党制を目指すならこうなるのは必然」
などと言われるともっともらしい気はしてきますが、
アメリカだって二大政党以外に実はたくさんの政党があります。
そうした多様性の上に、二大政党が築かれているという事実を忘れてはいけません。
現行の日本の選挙制度化でも、一時期は第三極と言われる政党が躍進し、
キャスティングボードを握る一歩手前まで上り詰めたことがありました。
制度を言い訳にするのは、所詮当選のことしか考えない「政治屋」の理屈に過ぎないのです。
■
このままでは今後の参院選・衆院選における
投票率は期待できないでしょうし、
「入れたい政党がない・候補者がいない」
という状態が続くことでしょう。
(共産党支持層ですら、投票放棄するケースあるんじゃなかろうか…)
今回の徳島市長選挙の結果が示したのは、
有権者の期待は無理に政党・候補者を絞ることではなく、
多様な選択肢にこそあるという事実ではないでしょうか。
脱既得権・小さな政府を唱える政党が事実上また一つ消滅した今日、
私も私なりに新たな選択肢が提示できるよう、
引き続き努力を重ねていきたいと思います。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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