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多数決は「とりあえずの結論」を出す手段に過ぎない -民主主義ってなんだ?-

日々のこと,

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
今朝方にタウンミーティングを行い、休日の早朝から
沢山の方にご参加いただきました。

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今回のテーマはずばり「民主主義」ということで、
誰もが知っているけど実はうまく説明できないこの言葉。

「民主主義ってなんだ?」
「これだ!」

というコール&レスポンスがデモで流行っていたりしましたが、
それって本当に正しいの?ということを改めて、歴史の教科書に
学ぶという会を実験的に開催してみました。

参考図書はこちら↓

上下巻で公民の教材として使われていたものを、
一度のタウンミーティングで説明し尽くすことはできませんでしたが、
そのエッセンスみたいなものはお伝えできたかなあと思います。

その中で取り上げたことから、一つだけご紹介。

もちろん本書の中で、民主主義を構成する要素として
最重要なものとして「選挙」が挙げられています。
しかしながら選挙も、決して万能なものではありません。

充分な討議と少数意見の留保などの仕組みを整えたとしても、
最後は結局「多数派が勝つ」ことになる多数決で、
必ずしも正しい答えになるとは限らないからです。

だからこそ本書の中では、
多数決は「とりあえずの結論に過ぎない」としています。
ちょっと長いですが、全文引用。

 多数決によるのは、多数の意見ならば正しいと決めてかかることを意味するものではないのである。ただ、対立する幾つかの意見の中でどれが正しいかは、あらかじめ判断しえないことが多い。神ならば、その中でどれが真理であるかを即座に決定しうるであろう。しかし、神ならぬ人間が、神のような権威をもって断定を下すことは、思い上がった独断の態度にほかならないのである。

 さればといって、どれが進むべきほんとうの道であるかわからないというだけでは、問題はいつまでたっても解決しない。だから、多数決によって一応の解決をつけるのである。つまり、多数決は、これならば確かに正しいと決定してしまうことではなくて、それで一応問題のけりをつけて、先に進んでみるための方法なのである。

(民主主義 P98より。強調筆者)

で、「とりあえずの結論」が間違っていたら、修正ができる。
それこそが4年に一度行われる「選挙」という仕組みなわけですね。

ただこうした中で、民主主義を守る
決定的に重要な「タテ」があると言います。
また長いけれど引用。

 多数決の方法に伴うかような弊害を防ぐためには、何よりもまず言論の自由を重んじなければならない。言論の自由こそは、民主主義をあらゆる独裁主義の野望から守るたてであり、安全弁である。

 したがって、ある一つの政党がどんなに国会の多数を占めることになっても、反対の少数意見の発言を封ずるということは許されない。幾つかの政党が並び存して、互に批判し合い、議論をたたかわせるというところに、民主主義の進歩がある。

(民主主義 P98より。強調筆者)

なんというか、補足の必要がないくらい凝縮されたセンテンスです。
外形的に見る限り、まだ我が国の「民主主義」はしっかりと
機能している
と言って良いと私は思っています。

というわけで、今の政策決定が正しいかどうかはわからないけれど、
デモ活動を頑張った方々が次に目指すべきは明確に「選挙」です。
(そのような方向に向かっているようですが)

デモで頑張ったけれども、それでも結果が変えられなかったと、
嘆く人にこそ読んでもらいたい名著です。きっと、次なる「希望」が感じられるはず。

議会に本会議にと駆け抜けた一ヶ月、さすがに疲労困憊。
明日の午前中は半日ゆっくり寝たいと思います…。

簡潔ながら、それではまた明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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