こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
世間一般ではどの程度の話題になっているのかイマイチわかりませんが、
政界やネット界隈では民維の新党名が「公募」されていることが話題になっています。
党名案を募集します
https://www.dpj.or.jp/newparty/
…なんだか思った以上にしょぼいシンプルな募集ページですが、
それだけ急に決まって時間がなかったということなのでしょう。
「名前というのは、自らの想いや理念を込めてつけるものじゃないのか」
「自分たちの子どもの名前を公募するようなもの」
などの批判・指摘はもっともだと思いますし、
個人的に何より感じているのは
「都合の良いときだけ国民を利用するのはやめて欲しい」
ということに尽きます。
こうした態度こそが国民の政治不信を招くものであり、
私は違和感を超えて怒りすら覚えています。
「国民の皆さまに認められる二大政党を目指す以上、国民参加型で決めていく」
「開かれた政党として、皆さまとともに考えていきたい」
などの国会議員たちの発言が散見されますが、
これまでの合流決定や国会での議決(公務員給与アップ法案など)において、
一度でも国民や党員が意思決定に関われたことがあったのでしょうか?
さらに今回の党名募集について言えば、
公募された名前の中からフラットな投票で決定されるならまだしも、
結局最後に決めるのは国会議員(のしかも一部)です。
自分たちだけの話し合いでは決定できそうもないから、
「公募」という手段を使ってお茶を濁し、時間を稼ぐ気なのはミエミエです。
■
私は国民が積極的に意思決定に携わる
「直接民主制」を否定しているわけではありません。
むしろ代議制民主主義の欠点を補完するものとして、その可能性には
いまなお期待を持っています。だからこそ以前は、意思決定の一部に直接民主制を
取り入れる政党にも参加しておりました。
しかしながらその政党は、自らのアイデンティティとした直接民主型の機能を
十分に活かすことなく政党要件を失い、1年と持たず瓦解しました。
失敗の要因は多岐に渡るものの、最終的に最も大きかったのは
国会議員が意思決定のプロセスを恣意的に介入できたことだと思っています。
どれだけ仕組みの上で国民や党員の声を取り入れることになっていても、
その議題設定の権限を一部の人間が持っていたり、最終的な判断は国会議員のみに
任されているようでは、残念ながらその力は十分に発揮できません。
何を国民に聞くかは国会議員が決める、
意見を聞いても最終的には国会議員が決める。
でも開かれた政党だから、たまにはみなさんの意見も聞きますよ。
こんな姿勢を見抜けないほど、有権者も馬鹿ではありません。
本気の本気で公募などの直接民主的な手法を取り入れるのであれば、
まず何より政治家自身が国民をとことん信じることが最低条件です。
■
中途半端に「オープン」な姿勢を取る政党を見抜くことは簡単です。
所属の地方議員・党員の意見すらマトモに聞かないのですから、
早晩大量の離党者が続出することでしょう。
選挙目当ての野合や、自分たちだけでは党名すら決められない事実を、
「開かれた…」「国民の声を取り入れて…」などというゴマカシで
有権者を馬鹿にするのは、やめていただきたいと強く思います。
他党のことに口やかましいと思われるかもしれませんが、
政治への信頼回復のためには見過ごせない一件でありますので、
私の意見をここに述べさせていただくものです。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 政治家の責務