こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
本日は社会的養護・児童養護の分野で政策提言を続ける
こども@ホーム推進委員会
http://kidshome.jp/
の第三回となる勉強会が開催されました。
今回のテーマは「社会的養護後の自立支援」で、
講師はアフターケア事業「ゆずりは」代表の高橋亜美さん。
児童養護施設や自立援助ホームから自立した後、
様々な困難に直面する元要保護児童たちは少なくありません。
「すべての施設出身者がそうではないが、貧困や犯罪、望まぬ性産業への従事などの
社会的困難に直面することが多い。これは誰かに聞いた話ではなく、自分が経験してきた事実。
実際に、婦人保護施設の入所者の多くを施設退所者が占めている現状がある。」
「東京都が調査した施設退所者3,920人対象へのアンケートに対して、
連絡が取れたのは半分にも満たない1,778人、有効回答数はたったの638人だった。
アフターケアの手が届いていない元要保護児童たちがいる、客観的な事実を実感した」
など、実際にかつて自立援助ホームで長年勤務をし、
その後は身銭を切って支援を続けてきた高橋さんならではの、
非常に重みのあるお話を多数伺うことができました。
■
さて折しも先日、山田太郎参議院議員の国政報告会で、
私が講演した社会的養護の内容がログミーで書き起こされておりました。
虐待した親の「いつか引き取りたい」が優先される 施設の子供たちの現状と進まない里親委託
http://logmi.jp/128610
文字に起こしていただき沢山の方の目に触れたのは非常にありがたい反面、
少なからず厳しいご意見もいただきました。
「東京都議会議員の音喜多駿(おときた駿)氏が「第2回 山田太郎のアグレッシブの会~欧州報告 尊厳死・児童養護~」に登壇」
この方はアニメ好きをアピールしながら片方で偏見に満ちた主張で児童福祉を語り、性差別と社会的養護を受けている児童への偏見と差別に満ちている。— りさり (@sweetcocoamilk) 2016年2月28日
里親制度の拡大という基本方針はよいのだが論調が一面的で乱暴…施設出身児童が一律に問題を持ってるような印象が…出身者が読むとかなり傷つくのでは…
おときた議員による-虐待による児童養護施設の入所児童の課題 https://t.co/pkXR0v9nfp
— @Bourbon (@ultraseven14) 2016年2月28日
このあたり、非常に難しいな…と。
言葉というのはどうしても、物事をスパっと切り分けてしまうもの。
慎重に内容を選んでいるつもりの「記事(文章)」ですらそうなので、
講演などでバーっと語る内容はさらに、表現が偏ってしまいがちです。
また、実際には声のトーンや雰囲気なども影響すると思うのですが、
文字起こしをするとさらにドライな印象になり、それも相まって
極端な受け取られ方をしてしまうのかもしれません。。
もちろん、施設出身者の全員に問題があるわけではありませんし、
お金が欲しいだけで施設運営をしている人も(ほとんど)いないと思います。
皆さんがそれぞれの立場から、「正しい」ことに
真剣に取り組まれておられるのは確かな事実です。
(児童養護施設なら、自らの存在意義に誇りを持ってロビー活動をしているはず)
ただ一方で、社会的養護の中で起きている現実に
目を背けるわけにはいきません。このあたりのニュアンスを上手く
伝えられる表現・言葉を身につけなければな…と反省をしています。
■
社会的弱者の支援や街の再開発、どんな政策課題においても、
その解決を試みれば多様な意見にぶつかります。
「当事者・現場の声を聞け!」
とはよく言われますが、当事者・現場といえど十人十色。
何を持って正しいとするかは、どこかで判断するしかありません。
政治家・議員でよく
「大事なのは、皆さま(当事者・現場)の声を聞くことです」
というような方がいますが、これはある種の『逃げ』だと思います。
元SPEEDの今井絵理子さんが出馬会見で、沖縄基地問題について問われた時にこのように
かわしていましたが、一歩譲っても候補者あるいは新人議員だから許されることです。
政治における真の「対話」とは、自分の考えを堂々と示し、
それに対して意見をぶつけてもらうことです。漫然と現場の声を聞いているだけでは、
100年経っても「正しい答え」など出てくることはないでしょう。
ただここで最も気をつけなければいけないのは、
「当事者と言っても様々。どうせ意見なんてまとまらないから、聞く必要などない」
と開き直り、独裁的・官僚的に意思決定をしてしまうことです。
当初は高い志を持って現場と意見を交わしてきた政治家たちが、
徐々にこうした考えに堕ちていくことも珍しくありません。
まとめますと、
1.自分の意見を持ち、それをぶつけて対話する政治家
>>
2.主体性なく、ただ漫然と様々な意見を聞く政治家
>>
3.対話をせずに意思決定を独断で行う政治家
最初は誰しも2番からスタートするかもしれませんが、
やがては1番になっていかなければいけません。3番になるのが最悪のパターンです。
そして1番のような政治家になった後、対話を続ける中で間違っていたら修正し、
どんどん政策をブラッシュアップしていけば良いのだと思います。
■
当事者でも支援者でもない「政治家」である私にできることは、
一人でも多くの方々と対話をし、その上で正しいと思う政策提言を
しかるべき方法で続けていくこと。
どんな手厳しい意見にも耳を傾け、
言葉と表現を選びながらしっかりと学び・発信し、
問題解決の緒(いとぐち)を掴んでいきたいと思います。
こども@ホーム推進委員会では、引き続き社会的養護に携わる
様々な立場の方をお招きして勉強会・交流会を続けていきます。
今後もこちらの活動にご注目いただければ幸いです。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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