さて、新党「結いの党」さんが正式に発足しまして、
理念や政策などもおぼろげながら見えてきました。
結いの党
http://yuinotoh.jp/
本日は政党人としての立場をちょっとだけ離れて、新党が純粋に
理念・政策的に政界においてどのような立ち位置になるのか
考察をしてみたいと思います。
まずはこちらを御覧ください。
図にしてみました。
縦軸はお馴染みの「保守VSリベラル」の軸。
横軸は「大きな政府VS小さな政府」で取り、四象限で主要政党を置いてみます。
こうしてみると、
自民党…大きな政府×保守
公明党…大きな政府×リベラル
で、連立を組んでいる矛盾も明らかになりますし、
共産党さんと社民党さんの揺るがない感じが素敵です。
真ん中に民主党さんが鎮座ましましているのは、
はっきり言ってこの政党の理念・政策はワケがわからないからであります。
(個々人では素晴らしい議員さんも多いのですが…)
さて、こうしてみると新党「結いの党」さんの立ち位置は
これまでになかった新しいポジションであることがわかります。
まだ情報としては不十分ではありますが、
>現行憲法下で、まずは可能な自衛権の行使のあり方を具体化。必要に応じて法整備。
>特定秘密保護法は見直し、第三者機関の権限強化等の歯止めを追加。あわせて情報公開を促進。
こうした政策の文面と、離党されたメンバーの顔ぶれから考えて、
結いの党はややリベラルな政策・理念を持っていると推測されます。
それではなぜ、これまで
「小さな政府×リベラル」
という立ち位置の政党が存在しなかったのでしょうか?
端的に言えば、それは
「マーケティング的に美味しくないから」
だと考えられます。
顧客(=支持層)が少ないんですね、このレイヤーには。
リベラルな価値観を持つ人たちは、一般的に「大きな政府」を求めます。
(社民党や共産党の支持層を思い浮かべていればわかりやすいかと思います)
彼らもその辺りを意識してか、理念に
>「政治は社会的弱者のためにある」を旨とする。
と掲げるなどしておりますが、初回の世論調査では
政党支持率は概ね1%未満と(予想通り?)低迷しています。
個人的にもやはり「リベラル×小さな政府」という組み合わせは
相性が悪いように思います。経済的自由を得るためには一定の国力が必要ですが、
ときにリベラルな思想がそれを否定するからです。
しかしながら、みんなの党が結党される前まではそもそも
「大きな政府VS小さな政府」という対立軸自体が存在しなかったわけで、
ここで新たな象限に踏み込んだ政党が出来たことも時代の要請なのかもしれません。
そういうわけで、顧客が少ないレイヤーで支持を集めるのは困難だと考えられますし、
また結党の経緯から議席などについては誠実な対応をして欲しいとは思うものの、
「小さな政府」という思考と政策が一致する部分では協力し、
日本でも健全な対立軸が機能するよう切磋琢磨していければなあと思います。
でも、その前に解党しちゃうのかな?残念。
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おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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