もっと、新しい日本をつくろう

平成27年6月8日 厚生委員会意見開陳

委員会, 議会活動,

〇遠藤委員長 次に、陳情二七第七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

〇高原障害者施策推進部長 お手元にお配りしております陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号3、陳情二七第七号、精神障害者保健福祉手帳及び自立支援医療受給者証の更新期日の事前案内に関する陳情は、港区の神浦信生さん外二百六十一人の方々から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、精神障害者保健福祉手帳及び自立支援医療受給者証の更新期日の到来に関する事前案内を送付していただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 精神保健福祉法等により、精神障害者保健福祉手帳の有効期間は原則として二年、自立支援医療受給者証(精神通院)の有効期間は原則として一年と定められています。
 都においては、有効期間の終了する三カ月前から更新申請を受け付けており、手帳及び受給者証にその旨、明記しています。
 また、平成二十五年度からは、更新申請手続に関するリーフレットを作成し、これを活用して手帳及び受給者証所持者に更新手続の案内や有効期間の注意喚起をするよう、区市町村や指定医療機関等に対して協力依頼をしているところでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

〇遠藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

〇中山委員 陳情二七第七号につきまして、都議会公明党を代表して意見を表明します。
 これまで都は、陳情に代表される都民要望に応えて、精神通院に関する自立支援医療受給者証の有効期間が原則一年であること、精神障害者保健福祉手帳の有効期間が原則二年であること、そして、有効期間の満了日の三カ月前から更新申請が可能であることを、既に我が党の過去の質疑に応える形でチラシを作成し、区市町村の窓口などで配布しています。
 今回、陳情では、港区の取り組みの例が言及されています。港区の取り組み例は、該当区民が希望する場合、あらかじめ希望者が郵送用の切手を張った封筒を窓口に提供する形で、更新時期が到来する際に、申請手続を勧奨するお知らせを区役所から発送するものであります。
 この取り組みは、自治体側の特段の予算組みを必要としないという点で、自治体財政力の強弱に左右されるものではなく、さらに、お知らせを望まない世帯には届かないようにするものでもあり、効果的と考えます。
 しかしながら、当該更新申請の受け付けそのものは、都事業ではなく区市町村事業であるため、都が直接履行できる性質のものではありません。
 とはいえ、改めて都の福祉保健局として、港区の実施例の効用などを調査いただき、利点が多く区民から喜ばれている場合には、関係課長会などの機会を通じて、港区の取り組み例を都内区市町村に周知し、関係者からも好評である旨をお伝えいただくことは可能であると考えるものです。
 この点のご努力の実施を要望し、本陳情の趣旨に賛同する意見表明といたします。

〇大山委員 私からも意見を述べます。
 同様の陳情が二年前にも趣旨採択されていて、福祉保健局も改善しているということなんですけれども、陳情の理由にもあるように、高次脳機能障害の方の困難というのはわかりますし、それから、自立支援医療受給者証の有効期限が一年で、精神障害者保健福祉手帳の有効期限が二年ということなわけですから、やはり高次脳機能障害の方の困難というのは非常に大きいということはわかるわけです。
 したがって、その障害をどうすれば障害にしなくて済むのかというのは、施策としてできることだということなんですよね。ですから、この陳情にあるように配慮してくださいということなんです。
 申請主義です、書いてあります、リーフレットもつくってありますということなんですけれども、やはり実際、通知が来て助かっているんですということなわけですから、やはり一声かけて、あなたのこの手帳の更新時期ですよということで、もう一歩進めていってほしいと思いますので、趣旨採択していただきたいと思います。

〇あさの委員 私からも何点か確認をした上で意見を述べさせていただきたいと思いますが、今、ほかの委員からも発言があったとおり、これは以前に同様のものが陳情二五第四号という形で出されておりまして、厚生委員会、それから本会議を通じて趣旨採択という形になっております。
 その当時、自立支援医療受給者証や精神障害者保健福祉手帳の有効期限が到来する前に、郵便などで連絡をもらえるよう体制を整備することということが、当時の願意の中の一つでありましたけれども、それについて、都としても努力をしてきていただいた、この趣旨採択から都として努力したことについては評価できると思います。
 しかし、やはり今述べたように、郵便などで連絡をもらえる、港区は独自にやっているということでありますが、個々人に更新のお知らせを届けるということができていないということも事実でありますので、まず、そもそも更新のお知らせを届けるということができないということの原因について伺いたいと思います。

〇高原障害者施策推進部長 精神障害者の方においては、鬱病や統合失調症など疾病は多岐にわたり、その症状も軽い方から重い方までさまざまでございます。中には、自分が精神科に通院していることや精神障害者保健福祉手帳を所持していることを、ご家族に知らせていない場合もあるやに聞いております。
 こうした方々にとっては、一律に手帳等の更新申請の案内を送付することは、かえってご迷惑になることも想定されること等から、更新申請の案内を送ることは現在してございません。

〇あさの委員 確かにそういった原因もさまざまあると思います。恐らく、この陳情者の方もそういった話をいろいろ聞いてきたんだと思うんです。なので、この陳情の中でさまざまな対策、自分たちで考え得る個人情報だったり、それを望まない人たちについてどうしたらいいかということについても、こうしたらどうかというような意見まで述べているわけであります。
 私もいろいろ考えますが、もちろん郵送してほしいというのは前回のものではありますけれども、通知をするという観点でいけば、今の時代、別に郵送にこだわらなくても、インターネットのメール等も使えると思います。自分でアドレスと更新日時を手帳を見ながら登録するだけで、リマインダーのように勝手に来るというようなものをつくったりすることも考えられるのではないかと。
 特に郵送物の場合、最大だとこれは二年、原則としてあるわけですけれども、二年間、つまり郵送物をちゃんと保管しておいた上で、あるいは郵便局に依頼するにしても、やはり切手で負担してもらっても多少のコストはかかるという状況でもありますし、責任の所在もはっきりさせなきゃいけないというのがありますが、自動的にオートマチックにできるシステムというのもあるわけで、そういったものの活用というのも検討できるんじゃないかなというふうに思います。
 望んでいることがあるのであれば、結果は、つまり要望している人たちはみんな通知をもらえるという状況をつくるには、そして、そこに近づくためにはどうしたらいいかという知恵を絞って、でき得ることを最大限考えて取り組んでみてはどうかと思いますけれども、それについての見解はどうでしょうか。

〇高原障害者施策推進部長 精神障害者の方は、医療機関や訪問看護を利用されており、また区市町村や地域の相談支援事業者などの支援を受けていらっしゃることから、手帳等の有効期間の終了期日が近づいてきた際に、これらの関係機関から、更新申請の手続について声かけをしてもらうことは有効であるというふうに考えております。
 このため、平成二十五年度からは更新申請手続に関するリーフレットを作成、配布し、対象の方に案内してもらえるよう、区市町村等の関係機関には協力依頼をしております。
 今後とも区市町村を初め、関係機関と協力もしながら、精神障害者の方が円滑な更新手続を行えるよう努めてまいります。

〇あさの委員 区市町村はもちろん窓口になりますので、そこに連携を求めるというのも大事なことですし、それはこれからもどんどん取り組んでいただきたいと思います。
 一方で、都としては、やはり大きな、広域的な自治体ということで考えれば、区市町村の窓口のサービスがどうであっても、自分たちがそうしたいなと望んだ人は自分がちょっと努力するだけで、先ほどいったメールサービスでも何でも、できるようなものを用意してあげる、あるいはそれを用意するような組織なり団体なりというのを探してみるとかということも、一つの努力としてはあり得るのではないかと思います。
 そういった意味で、今までの説明にあったとおり、家庭を含めた生活環境や、それから障害の程度など、考慮すべきことは本当に多岐にわたっておりますので、一律でやるとか、あるいは陳情者の願いにあるとおり、一律でやることに決めておいて、やってほしくない人だけいってもらうというシステムというのは、やはりちょっと難しいのかなという気はいたしますが、とはいっても、まだまだ技術の進歩等も含めると取り組める余地はきっとあるんだろうというふうに思いますので、民主党としても、これは趣旨採択が妥当ではないかというふうに考えます。
 以上です。

〇おときた委員 陳情二七第七号について、意見を申し述べます。
 本陳情については、同内容のものが以前にも厚生委員会で趣旨採択をされております。
 そこから東京都は、該当の手帳内で記載を目立たせるなど、更新手続への注意喚起を行ってきたことは一定の評価がされるところですが、根源的な解決には至っておりません。精神障害者の方々の症状はさまざまであり、どうしても更新期日を管理できないという当事者の声は深刻なものがございます。
 東京都が課題としている、先ほどの質問でもありました個人情報、プライバシーの問題については、陳情者の提案のとおり希望制にする、あるいは内容のわからないはがきを送付する、個人宛てのインターネット、Eメールを使うなど、一定の解決が可能だと考えられます。
 以上の理由から、かがやけTokyoは本陳情を趣旨採択とし、東京都のより一層の対応に期待をするものです。
 以上です。

〇遠藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇遠藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二七第七号は趣旨採択と決定をいたしました。

個人献金のお願い
ボランティアスタッフご登録のお願い
音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

友だち追加
twitter @otokita
Facebook おときた駿
Instagram @otokitashun

Tags: ,

ページトップへ