◯おときた委員 かがやけTokyoを代表いたしまして、当委員会に付託されました平成二十八年度予算関係議案についての意見開陳を行います。
初めに、各局共通事項について申し上げます。
平成二十八年度予算案は、一般会計が七兆百十億円と、二十三年ぶりに七兆円を超える大型予算となりました。都税収は、昨年より三・七%、千八百六十七億円増と、五年連続の増収見込みです。一方で、都債発行額は、昨年より二一・四%減の三千五百三十三億円に抑制していますが、都債残高はいまだ五・九兆円という巨大なものです。
都税収入は、法人二税の占める割合が高く、景気変動の影響を受けやすく、極めて不安定なものであるのはご案内のとおりですが、さらに、本年実施の地方法人課税の不合理な偏在是正措置により、三千四百億円の税収減の影響が想定されています。
このような状況の中で、戦後一貫して人口がふえ続けてきた東京都も、二〇二〇年ごろから人口減少局面に突入すると予想されています。そして、団塊世代が後期高齢者になる二〇二五年ごろには、生産年齢人口が占める割合が著しく低下し、税収が大きく減少すると見込まれます。
こうした東京が直面する超少子化、超高齢化社会に対応するために、社会保障を充実していくことはもちろん重要ですが、その基礎となる持続可能な財政運営を可能とするためには、中長期で社会保障のあり方を捉え、不要不急の投資的経費を削減していく努力がますます不可欠となります。
同時に、今後の都政においては、将来世代が安心して暮らせる環境づくりを進め、次代を担う若年層への投資という視点からの政策を大胆に立案し、実行していくことが重要であり、そのことを強く要望するものです。
我が会派は今後とも、議会活動を通じ、行財政改革の観点から、都政事業全般にわたり、常に現場を見た丹念な調査を重ね、都民目線での政策実現に努めてまいります。
続いて、各局についての事項を申し上げます。
初めに、政策企画局です。
一、都市外交に係る出張費などの経費については、徹底的な情報公開と透明性の確保に努めること。
一、都市間交流推進に当たっては、民間交流の促進の視点を持ち、迎賓施設の使用に当たっては、既存の公的施設、民間施設等の利活用に努めること。
一、広域化する行政課題へ対応するため、九都県市首脳会議の活用はもとより、より広域な自治体間の連携を強化すること。
次に、青少年・治安対策本部です。
一、関係機関との連携を密にし、児童養護施設退所者支援及び非行少年の立ち直り支援に取り組むこと。
一、東京こどもネット・ケータイヘルプデスクなど、青少年や保護者へのネットリテラシー向上施策を充実強化するなど、ネット社会の現状に対応した青少年の健全育成策を、民間を含む関係機関と連携協力し推進すること。
一、自転車利用のルール、マナーの周知、啓発に努め、自転車安全利用条例に基づき、市区町村と連携し、自転車に関する総合的な取り組みを進めること。
一、執行委任のあり方については、効率的、効果的な予算執行及び物品管理の観点から適正化に努めること。
一、身近な犯罪の防止対策については、警察、教育機関など関係機関と連携協力して推進すること。
一、不健全図書の選定においては、思想的な偏りがないよう、引き続き適正な運用に努めること。
また、その審議会は傍聴可能にするなど、決定プロセスの透明性を高めること。
一、若者総合相談対応について、誰もが気軽に利用ができるように周知に努めること。
一、本部の存在意義、業務の範囲については、社会経済情勢の変化に応じ、国、区市町村、各局との事業の重複回避など、不断の見直しに努めること。
次に、総務局です。
一、都の附属機関の多くが自主的な非公開あるいは事実上の非公開となっている状態を改め、開かれた都政が実現できるよう指導力を発揮すること。
一、社会状況の変化や公民の役割分担を踏まえ、時代に応じた都政のあり方を示し、新たな行財政改革プランを策定すること。
一、外郭団体は、監理団体、報告団体にとどまらず、まずは全体像を把握し、そのあり方を再検討し、不必要な組織は徹底的に整理を進めること。
一、IT化の推進に当たっては、現行システムの検証を行い、ホームページやIT運用の効率化と利便性向上に努めること。
また、危機管理の視点からセキュリティー対策に万全を期し、バックアップ体制を構築すること。
一、ホームページのアクセシビリティーの向上に、全局を挙げて具体的に取り組むこと。
一、行政が所有する情報を二次利用可能な形で公開するオープンデータ施策は、引き続き積極的に進めていくこと。
一、事務処理特例制度による事務移譲などを通じ、区市町村の意思を尊重した分権を推進すること。特に児童相談所の移管について、引き続き早期の検討を進めること。
一、関連機関と綿密な連携のもと、首都直下型地震などを含めた危機管理への対応をより充実されること。そのために、まずもって都が全ての業務に危機意識を持って臨むこと。
一、防災ブックの周知、活用を進めること。特に、乳幼児、妊産婦、災害弱者への配慮の拡充を進めること。
一、東日本大震災による都内避難者の実態把握と継続した支援を進めること。
一、指定代理人のスキル向上を継続して進めること。
一、非常勤職員について、適正な配置と待遇をすること。
一、障害者雇用率について、引き続き向上に努めること。
監理団体においても、最低限、法定雇用率に到達すること。
一、職員の懲戒処分について、関係者、特に被害者のアフターフォローに努めること。
一、全職員の人権意識を高め、障害者、高齢者、児童虐待案件などには、都民最優先で機動的に、まず職員が動く精神風土を醸成すること。
一、多摩振興については、関係者と十分連携し、新たな多摩のビジョン行動戦略の着実な進捗を図ること。
また、顕在化する多摩ニュータウンの諸課題に対処するため、関係市への総合的な支援策を検討すること。
次に、監査事務局です。
一、監査とその結果のフィードバックをより一層進め、各局に徹底すること。
一、議選委員を含む委員及び職員の専門性の研さんに努めること。
次に、人事委員会事務局です。
一、人件費において、民間準拠のもと、引き続き適正化に向けた取り組みを進めること。
一、都においても、女性が活躍できる職場環境づくりに向けて、女性職員の昇進試験のさらなる受験率向上、各種ハラスメントの相談、支援を引き続き進めること。
最後に、選挙管理委員会事務局です。
一、若年層啓発については、選挙権年齢の引き下げを念頭に、学校等教育機関との連携により進めること。
一、都外入所施設などを含む障害者の投票環境の向上について、引き続き技術的な課題のクリアに努めること。
一、ウエブに掲載された選挙公報の読み上げソフト対応を行うなど、さらなる情報バリアフリーに努めること。
一、選挙公報は、過去にさかのぼって閲覧可能にするなど、有権者に一層の情報提供を行うこと。
以上で、かがやけTokyoを代表しての意見開陳を終わります。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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