◯おときた委員 私からは、初めに、予算案に関連して、都のオープンデータ政策についてお伺いをいたします。
近年の情報技術の急速な発展を受けてオープンデータに注目が集まり、国や地方自治体がその取り組みを推進しており、民間からのニーズも高まりを見せています。
私は早くから、政府、行政が持っている情報を二次利用可能な形で公開するオープンデータに着目しており、平成二十五年第四回定例会にて、オープンデータを積極的に推進していくよう文書質問を行いまして、その当時に比べますと、都の政策が前進していることは評価をいたします。
しかしながら、さらなる利活用の促進などの課題も多いのが現状です。
そこで、オープンデータについて、現時点での東京都の取り組み状況を伺います。
◯中島情報通信企画部長 ICTの急速な発展の中で、オープンデータの取り組みは、都民生活の質の向上を目指すICT利活用の方策の一つとして積極的に取り組むべき課題であると認識しております。
そこで、まず、都は、平成二十七年三月末に、オープンデータ一覧を都のホームページへ掲載し、試行を開始しました。その後、データ形式を問わず、各局において公開可能と判断したデータを公開していくことで、当初の四十四件から、本年一月末現在、約千六百件へと量的拡大を図ったところでございます。
今後、平成二十八年度の本格実施に向けまして、データ形式の整理や利用しやすい環境の整備に向けた取り組みを進めてまいります。
◯おときた委員 昨年三月末からデータの公開が始まり、現在では千六百件まで拡大していることがわかりました。
今年度までは、こうしたオープンデータ関連の推進政策には予算は計上されていなかったかと存じますが、平成二十八年度予算に計上されている金額とその用途をお伺いいたします。
◯中島情報通信企画部長 平成二十八年度オープンデータ推進の予算として、データ形式を変換するための経費、データ公開基盤の整備を図る経費及び利活用促進策に要する経費など、約三千七百万円を計上しております。
◯おときた委員 この予算の中にデータ形式の変換経費というのがございますが、最初のご答弁にあったように、現在公開されているデータは形式を問わずということで、二次利用が難しい形で公開されているものもあるかと思います。
例えば、PDFファイルをエクセルデータに変換していくような努力は必要かと思いますが、一方で、各局からデータを集める段階で連携をして、二次利用可能な形式で集めることも重要です。
そこで、現在、各局とはどのような連携が行われているのかをお聞かせください。
◯中島情報通信企画部長 平成二十七年十月には、都におけるオープンデータの取り組み指針となります庁内ガイドラインを作成し、都庁全体でオープンデータに取り組んでいくことや、取り組みを進めるに当たっての具体的な手順等を定めました。
この庁内ガイドラインの作成と周知に当たりましては、各局と、オープンデータの意義について共通認識を持つことや、データの更新方法や対象の選定などを定めるための意見交換を行っておりまして、現在、各局と連携して試行拡大の取り組みを進めているところでございます。
◯おときた委員 ガイドラインは作成をするだけではなく、各局がきちんと遵守することが何よりも大切です。かつても、ホームページ、ウエブサイトの作成において、ガイドラインが存在したにもかかわらず、各局ごとに非常に統一感のないページができていたという例もありますから、このガイドラインがきちんと運用されるよう要望をいたします。
加えて、オープンデータは、何よりもそれを利用する立場からのニーズが必要です。すなわち、都の各局が出したい、出しても差し支えないと思っている情報を提供するのではなくて、民間事業者などからのニーズが高いデータを公開するようになって、初めてオープンデータが本格的な力を発揮するようになります。
そこで、利用者目線でニーズがあるデータが優先的にオープンデータ化されていく仕組みをつくるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
◯中島情報通信企画部長 オープンデータの取り組みは、地域課題の解決等を目指すものであることから、地域課題と関係が深いデータや利用頻度の高いデータなどを優先的に公開していくことが重要でございます。
現在、国のガイドラインの参考例や、ホームページのアクセス件数の多いものなどをもとに、データを所管する局と協議しながら公開対象の選定を行っております。
今後も、他団体の事例なども踏まえまして、多角的な観点から、公開する対象について検討してまいります。
◯おときた委員 アクセス数でニーズをはかる方法などは有効である反面、現存しないデータの潜在ニーズは吸い上げられないという欠点もございます。ぜひ民間団体や都民の声を聞きながら、データ公開の優先順位を設定していただきたく存じます。
また、現状ですと、都内でも自治体によってオープンデータの姿勢に温度差が見られるほか、同じ内容のデータでも、自治体ごとに形式が異なって利用しづらいなどの声があります。こうした課題を解決していくには、区市町村と連携を図り、都が指導力、リーダーシップを発揮していくことが重要です。
そこで、まず、東京都は区市町村とどのように連携をしているのか、現状の取り組みを伺います。
◯中島情報通信企画部長 オープンデータの推進に当たりましては、データ公開にかかわる業務の効率化や、複数地域にまたがるデータの利活用による広域的課題の解決という観点から、都と区市町村が連携していくことは重要であると認識しております。
このため、本年二月に、データの公開対象や公開基盤の整備における連携のあり方につきまして、都と区市町村の担当者間での協議を開始したところでございます。
◯おときた委員 協議は先月に開始されたばかりということですので、これはしっかりと行っていただきたいなと思います。
また、これは少し気の早い話かとも思いますが、都内基礎自治体のオープンデータ活用、利用を促進し、また、その形式などの統一に都の指導、助言が実効性を持つためには、オープンデータ政策促進に対して、自治体向けの助成金を出すなどの手段も考えられます。
都が指導力を発揮していくための今後の取り組みについて見解をお聞かせください。
◯中島情報通信企画部長 オープンデータの取り組みは、地域課題の解決や新たな官民連携による住民サービスの向上等を目指すものであることから、区市町村みずからが取り組みを進めていくことが重要でございます。
都といたしましては、区市町村との協議の場を通じて課題の共有や解決策の検討を行うほか、区市町村の取り組み状況に応じた技術的な支援などを行うことにより、区市町村の取り組みを後押ししてまいります。
◯おときた委員 区市町村の自発性が重要ということだったと思うんですが、特にこうしたIT関連の政策については、どうしても自治体職員の意識や技術レベルによって差が生じる場合がございます。オープンデータは、広域で同一なものが存在してこそ威力を発揮するものですから、中長期的な戦略もしっかりと考案していただきたく思います。
また、基礎自治体に限らず、既に多く現存しているオープンデータ活用の促進を促す民間団体との連携も重要です。現状で、都は民間団体とどのような関係性を構築しているのかを伺います。
◯中島情報通信企画部長 オープンデータは、行政データを二次利用可能な形で提供し、そのデータを民間企業や住民が自由に利活用することを通じまして地域課題の解決などを図るものでありますことから、民間団体との連携も必要であると認識しております。
現在、他団体の取り組み状況等について情報収集に努めているところでございまして、今後、効果的な利活用促進策を検討する中で、民間団体との連携のあり方につきましても検討をしてまいります。
◯おときた委員 こちらもまだスタートしたばかりとのことですが、重要性は認識されているとのことですので、ぜひとも関係団体と定期的な交流を持っていただき、オープンデータが行政視点が中心なものにとどまらないように運営をしていただきたいと思います。
この項目に関連しては、最後に、今年度に予算計上されているイベントについて伺います。
利活用促進費の中で、アイデアソンやハッカソンと呼ばれるオープンデータを取り扱うイベントを行う予定と伺っておりますが、既に民間レベルでは、こうした趣旨のイベントは数多く開催をされています。これらと競合しない形で、行政が行うにふさわしい意義をつけて開催されることが重要です。
そこで、区市町村へのオープンデータ化の意識づけを行う意味でも、区市町村との共催形式をとるべきと考えますが、こちらの見解を伺います。
◯中島情報通信企画部長 オープンデータの取り組みを推進していくためには、オープンデータに関する認知度の向上を図るとともに、データの利活用そのものを促進していくことが課題でございます。
他団体では、例えば、オープンデータの活用方法をテーマとして、データの使い方や価値について理解を深めるアイデアソンや、実際にデータを活用して具体的な課題の解決に向けた手法などを体験いたしますハッカソンといったイベントを実施することにより、成果を上げている事例も見られます。
ご提案の区市町村との共同につきましては、現在、区市町村のオープンデータの取り組み状況について差が見られますことから、今後、都では、既に行われているさまざまな事例や区市町村の取り組み状況を踏まえながら、効果的な利活用促進策を検討してまいります。
◯おときた委員 現時点では区市町村の取り組み状況に差が見られるとのご答弁でしたが、差があるからこそ、こうしたイベントを利用するという視点を持つことも重要ではないでしょうか。
繰り返しになりますが、以前に比べればオープンデータ政策が前に進んで、試行版まで公開された歩みは評価をされるところです。本日、私が指摘をさせていただいた点を踏まえまして、今後もスピード感を持って、さらなるオープンデータ施策の促進を行っていただきたい旨を強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、昨年十一月の事務事業質疑のときに質問をさせていただきました首都大学東京における都市外交人材育成基金事業、特に帰国留学生同窓会について、その後の経過等を確認するために、平成二十八年度の予算化の状況等についてお伺いをいたします。
まず、平成二十八年度予算案では、都市外交人材育成基金により、公立大学法人首都大学東京で留学生の支援などを行う事業の予算額はどうなっているのかをお示しください。
◯初宿企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都が平成二十八年度に地方独立行政法人であります公立大学法人首都大学東京に交付を予定しております都市外交人材育成基金事業の予算額は、法人全体で約六億七百万円でございます。
このうち、首都大学東京において、都市の課題解決等に資する高度研究や留学生の支援などを行います都市外交人材育成戦略事業の予算額は約五億二千四百万円でございます。そのほかの内訳としまして、経済連携協定に基づきアジアから受け入れた看護師候補者や介護福祉士候補者に対し、首都大学東京で行いますアジアと日本の将来を担う医療人材の育成事業の予算額が約三千八百万円、首都大学東京の大学院におきまして、アジアから留学生を受け入れ、理学療法や作業療法などに関します高度な技術を習得させるアジアの高度先端医療者育成事業の予算額が約三千六百万円でございます。産業技術大学院大学におきまして、海外の大学の学生と問題解決型学習を行いますグローバルに活躍する高度専門職人材の育成事業の予算額が約九百万円でございます。
◯おときた委員 ただいまご答弁をいただいた事業のうち、都市外交人材育成戦略の中に帰国留学生同窓会の開催経費が含まれていると聞いております。
昨年十一月の事務事業質疑では、首都大学東京で受け入れた留学生たちが帰国後に何をしているのかを把握し、東京都とのつながりや留学生同士の交流を保ち、アジアや東京都に貢献する人材になるようフォローアップを行うという趣旨で、帰国留学生同窓会には一定の意義があるとは認めつつ、それを海外で開催することは税金の無駄遣いであり、都民の理解は得られないと指摘をしたところです。
この指摘に対する反響は非常に大きく、都民から厳しい目を向けられている事業であることは間違いがありません。
そこで、帰国留学生同窓会が平成二十八年度は海外で実施されるようなことはないとは思いますが、次年度はどのような形で開催される予定となっているのか、現時点での計画をお伺いいたします。
◯初宿企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十八年度の実施方法等につきましては、現在、首都大学東京において検討中でございます。
平成二十七年度は、都市外交人材育成基金を充当しておらず、一般財源によります都からの標準運営費交付金を財源といたします公立大学法人首都大学東京の予算で、帰国留学生の人的ネットワークの強化を目的に、集まりやすいタイ王国の首都バンコクにおいて、首都大学東京のバンコク事務所を活用して開催したと聞いております。
帰国留学生が現在所属しておりますバンコク市内の協定校や、親交のあります王室を初めといたしますタイ王国との交流関係をさらに深める貴重な機会であったことなども聞いております。
都は、都市外交人材育成基金の所期の目的が達成できますよう、引き続き首都大学東京を支援してまいります。
◯おときた委員 必ずしも留学生の集まりやすさだけではなくて、他大学や外国との交流を促進するという意味合いもあったものだという答弁かと思います。
もちろん、その意義の全てを否定するものではありませんが、あくまでこちらは都市外交の人材育成の基金です。そこに理由を乗せて海外で開催ということは、なかなか都民目線では理解されがたいのではないでしょうか。首都大学東京の卒業生ですから、今後も東京に愛着を持ち、尽力していただくためにも、東京に招待するのが当然ですし、往復の航空運賃を負担するということであればなおさらです。
留学生を核として他大学や外国と交流を深め、人的ネットワークを構築するという狙いには一定の理解はできるところではありますが、それが幅広く解釈されて、不要不急の出費にまで基金が利用されることは防がねばなりません。現在は計画段階ということですが、次年度の留学生同窓会は、東京都内で適切な形で運営されることを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
最後に、人事に関連する項目につきまして幾つかのお伺いをいたします。
ことしの特別職報酬等審議会からの答申に基づき、知事や都議会議員らの給与が引き上げられる条例案が提案されました。この妥当性と審議のプロセスについて確認をしたいと思います。
まず、この特別職報酬等審議会というのはいかなる組織か、改めて概要をお聞かせください。
◯内藤次長 東京都特別職報酬等審議会は、特別職の報酬等の改定に際しまして、公平性、公正性をより一層高める観点から、第三者機関の意見を反映することを目的として設置されております。
審議会は、知事が委嘱する委員十人以内をもって組織されており、委員は、多様な視点からの議論が可能となるよう、学界、実業界、労働界、報道界等、幅広い分野から選任されてございます。
審議の対象は、議員報酬の額、知事、副知事、教育長の給料の額となっており、これらの額を改定する条例を都議会に提出するときや、人事委員会が給料表に関する勧告をしたときに諮問を行っているものでございます。
◯おときた委員 ご答弁をいただいたこちらの審議会なんですけども、審議会の内容が一部非公開となっております。議事録なども公開されていないので、審議会ではさまざまな議論が行われたことと存じますが、我々議員は、答申の紙一枚でその妥当性を判断しなければなりません。
そもそも都の附属機関は、個人情報を取り扱う場合などを除いては原則公開となっており、一部非公開にしているのは、この原則にも反します。私は、以前から再三指摘をしておりますが、昨秋には都の附属機関の約七割が実質非公開になっていることがメディアに報じられ、都の閉鎖体質は大きな問題となっているところです。
この特別職報酬等審議会が一部非公開となっている理由についてお伺いいたします。
◯内藤次長 実際の審議会におきましては、社会経済情勢や民間賃金の動向、国の特別職を初め公務員全体の給与改定状況の把握等を踏まえた上で、報酬等改定の基本的な考え方やその適否など、最終的な答申に盛り込む事項に関する審議につきまして、ほぼ全てを公開で行っております。
この審議過程におきまして、改定の基本方針が合意された後、具体的な改定額につきまして、引き上げ、引き下げのいかんにかかわらず、各委員の自由かつ率直な意見交換を引き出し、意思決定の中立性をより一層高めるため、審議会として、その運営要綱に基づきまして非公開としております。
◯おときた委員 運営要綱に基づいてとのご答弁がありましたが、確かに運営要綱によれば、審議会がそのように決定した場合は非公開にすることができるとされています。
しかし、そもそもこれこそが大きな欠陥であり、この規定を使えば、あらゆる審議会を非公開にすることも可能で、実際、個人情報やセキュリティー以外の理由でも、多くの審議会が非公開とされています。
公開にすると自由闊達な意見交換が妨げられるのか否かについては、いま一度慎重な議論が必要であり、責任ある立場で発言をするのだから公開は当然という意見も根強く存在します。特別職の報酬は、都民の興味、関心も強い事項ですから、公開の場で議論されることがふさわしいと考え、この非公開状況については強く改善を求めるものです。
また、一部非公開ということで、その他の大部分については傍聴も可能であると伺っております。少なくともこの公開部分については、議事録の公開などをホームページで積極的に行い、都民に判断材料を提供すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
◯内藤次長 繰り返しになりますが、本審議会の審議に当たりましては、具体的な改定額にかかわる部分を除き、ほぼ全てを公開で行っております。
最終的にまとめられる答申文は、こうした審議のポイントを端的でわかりやすく反映した構成となっており、審議会終了後、速やかにプレス発表することで、審議内容の迅速な周知にも努めております。
本審議会はこれまでも、できる限り開かれた会議運営に努めてまいりましたが、今後とも公開情報を都民により一層わかりやすく伝えられるよう、議事録のホームページへの掲載なども含めまして、必要な工夫を重ねてまいりたいと考えております。
◯おときた委員 答申が端的でわかりやすいことも重要かと思いますが、要点だけでなく、議論の概要を知りたい方もおられると思いますし、特に、この件を審議する我々都議会議員には必須ともいえる情報です。
今後は議事録のホームページの掲載なども含め検討いただけるという、非常に前向きなご答弁もいただけましたので、ぜひ早期の実現を図っていただきたく、こちらは評価するとともに期待をいたします。
さて、こうしたプロセスを経て決定された答申ですが、東京五輪を控えて多大な都民負担などが予測される中で、特別職の報酬が公民較差や国家公務員との均衡から算出されるのはいかがなものかという疑念がぬぐえません。
このような状況下での引き上げは都民理解を得られず、引き上げは行うべきではないと考えますが、答申を受けての都の見解を伺います。
◯内藤次長 もとより、都政運営の最高意思決定にかかわる都議会議員や知事、副知事等の報酬、給与水準につきましては、その職責に応じたものであるとともに、広く都民の理解と納得が得られるものでなければならないと認識しております。
このため、その改定の適否につきましては、任命権者限りではなく、第三者による公平公正なチェックが欠かせないことから、都では、外部有識者で構成される審議会を設置いたしまして、多角的な観点からご審議いただいているところでございます。
今回の答申は、最近の社会経済情勢や民間賃金の動向等を踏まえつつ、一般職や指定職の給料月額、さらには国の特別職の俸給月額がそれぞれ引き上げる方向にあることなどを総合的に勘案の上、判断されたものと認識してございます。
都といたしましては、これまで、報酬、給与水準の引き上げの場合のみならず、引き下げや見送りの場合におきましても、こうした審議プロセスを経てなされた答申につきましては十分尊重すべきものと考えておりまして、その内容においても妥当なものと認識しております。
◯おときた委員 答申は妥当とのご判断をお示しいただきました。
さきの定例会で審議をされた職員給与引き上げの際にも申し上げたことですが、公民較差に基づいて判断をするという旧態依然としたやり方については、比較対象の選定も含めて不適切なものではないかとの指摘も相次いでおります。
加えて、今後は消費増税や少子高齢化などの、財源が幾らあっても足りないといわれる中で、これまでどおりのやり方で特別職の報酬を引き上げるということは極めて不適切なやり方であるとの意見を申し添えまして、最後の質問に移ります。
最後に、職員定数についてです。
東京五輪を見据えて、職員定数の引き上げが予測をされております。東京五輪の重要性、規模を考えれば、増員に対しての一定の理解はできるところですが、その後の見通しとセットで考えることが欠かせません。特に公務員は、一度こういう雇用をしてしまうと、なかなか数を削減しづらいという現状がありますので、職員定数の増員には極めて慎重であらねばなりません。
そこで、長期的な職員定数についてはどのようにお考えか、展望をお伺いいたします。
◯内藤次長 二〇二〇年東京大会の開催に向けまして、競技施設の整備を初めとして多くの準備業務が発生することが想定され、また、さまざまな関連事業等の動向を含めまして、現段階で長期的な職員定数を詳細に推計することは困難なものと認識してございます。
こうした中で、これらの業務を確実に遂行していくためには一定の人員措置が必要となりますが、毎年度、各業務の内容や業務量等を十分に精査するとともに、その他の業務における徹底した執行体制の見直しもあわせて行っているところでございます。
また、人員確保の面でも、新卒者の安定的な採用のみならず、一定の期間で需給調整の可能な任期つき職員制度の拡充や、再任用制度のさらなる活用等にも取り組んでいるところでございます。
こうした取り組みを進めながら、二〇二〇年東京大会を初めといたします都政の重要課題に対応するとともに、内部努力を継続いたしまして、常に最少の経費で最大の効果を発揮するよう、適正な定数管理を行ってまいりたいと考えております。
◯おときた委員 ご答弁をいただきまして、任期つき職員制度の拡充なども行い、また既存事業の見直しも行うとのことですので、これらはぜひ人員増を行う際の車輪の両輪と認識をして進めていただければと思います。
また、こちらは、我々が都議会に籍をいただいてから常に主張しているところですが、かつて石原都政で一定の成果を上げた行政改革プラン、特に人員削減についての計画が現在の都政には存在をしません。行政業務は不断の見直しが欠かせないものであり、テクノロジーの進化や民間の活用などによって、肥大化した機能は積極的に削減していかなければなりません。
舛添都政においても、人員削減に関するプランを策定すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
◯内藤次長 都ではこれまでも、徹底した事務事業の見直しや内部努力によりまして、簡素で効率的な執行体制の構築に努めてまいりました。
今後は、二〇二〇年東京大会の開催準備や東京都長期ビジョンの実現など、行政の質の高さや成果が一層求められる中、さまざまな変化や課題に即応していく必要があると考えております。
そのため、職員定数につきましては、あらかじめ期限や目標を定めて管理するよりも、毎年度、事業動向や個々の職務内容、業務量をつぶさに精査し、めり張りをきかせた措置をしていくことが重要であると考えております。
こうした考えのもと、今後も、現実の行政展開に応じ、引き続き定数管理を適正に実施してまいりたいと考えております。
◯おときた委員 こちらは、なかなか前向きなご答弁はいただけないところなんですが、やはり石原都政が一定の成果を出したというのは、数値目標をしっかりと設定したことにあるのではないかと思います。毎年めり張りをきかせて柔軟にという手法のメリットもあるかとは思いますが、反面、期日や数値目標がなければ、先延ばしになりがちな欠点が大きくございます。
繰り返しになりますが、東京五輪や未曽有の少子高齢化社会を迎えるに当たって、都政には、これまで以上に厳しい都民の目が注がれます。公務員給与や特別職の報酬の引き上げ、あるいは職員定数の増員などには極めて厳格に向き合うべきということを強く意見として申し上げまして、私からの質問を終わります。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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