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平成28年3月15日 総務委員会質問内容(1)

委員会, 議会活動,

◯おときた委員 私からは、初めに、選挙公報のウエブの掲載についてお伺いをいたします。
 選挙公報は、有権者が投票先を選ぶ上で極めて重要な参考資料であることはいうまでもありません。こちらのウエブ掲載が徐々に完備をされたことで利便性が向上したのは喜ばしいことですが、一方で、この掲載形式がPDFのみ、つまり音声認識ソフトで対応できない画像データになっているため、視覚障害者の方はアクセスができないという状況が生じております。
 次年度は、障害者差別解消法も施行される極めて重要な年であり、選挙における情報バリアフリーにも注目が集まります。
 選挙公報の音声読み上げには早急に対応していくべきと考えますが、こちらの見解と課題を伺います。

◯安藤選挙管理委員会事務局長 選挙公報をホームページに掲載することにつきましては、平成二十四年三月二十九日付の総務省通知におきまして、選挙期間中に限るものとされ、改ざん防止の必要性からPDFファイルとすることとの見解が示されております。
 都選挙管理委員会では、その見解に従い、みずから管理する選挙である衆議院議員選挙、参議院議員選挙、最高裁判所裁判官国民審査、都議会議員選挙及び都知事選挙における選挙公報等のPDFファイルを掲載しております。
 ホームページに掲載される選挙公報の内容を読み上げソフトにより音声化し、提供することにつきましては、立候補者の氏名等さまざまな文字情報全てにおいて正確な読み上げが可能か、立候補者が多数となる場合や、公示日または告示日から投票日までの期間が短い選挙において、選挙期間中に正確な音声情報で提供することが可能か、文字数の違いから候補者ごとの読み上げ時間に長短が生じることで立候補者間の公平性に問題が生じることはないか、イラストなど視覚に訴えるものの音声化が非常に困難であることなど、解決すべき課題が多いものと考えてございます。

◯おときた委員 確かに、選挙公報にはイラストや図を使用する候補者も多く、どこまでそれを忠実に音声読み上げで再現することができるかなどという点については課題が残ります。
 しかしながら、そもそも読み上げに対応していなければ、得られる情報はゼロになるわけですから、公平性の議論については、できる限り早急に一定の決着をつけ、できるところからでも情報保障の対応を始めることを要望いたします。
 次に、過去の選挙公報の取り扱いについてお伺いをいたします。
 選挙期間中には自治体などのホームページに掲載されているこの選挙公報ですが、従来は、選挙が終わるとともに掲載が終了し、閲覧ができなくなってしまうことが通例でした。これでは、政治家の任期中、選挙のときに掲げた公約を守っているのか有権者が判断することが難しくなりますし、逆に選挙公報を過去にさかのぼって閲覧することができれば、実績と公約を照らし合わせて、次回の投票材料とすることも可能になります。
 こうした過去の選挙公報の掲載については、現状どのような対応になっているのか、状況をお伺いいたします。

◯安藤選挙管理委員会事務局長 これまで実施された都選挙管理委員会が管理する選挙の選挙公報につきましては、毎回、選挙の実施後に作成する選挙の記録という冊子に掲載いたしまして、都民情報ルームや都議会の図書館、都内の都立及び区市町村立図書館、区市町村選挙管理委員会等に配布しておりまして、閲覧が可能となっております。
 都選挙管理委員会のホームページに過去の選挙公報を掲載することにつきましては、昨年五月二十二日に、総務省から、次回以降の選挙に係る選挙公報と混同されたり、選挙の公正を害するおそれのない形式で行われるものである限り、差し支えないという見解が示されたことから可能となったものでございます。
 都選挙管理委員会では、現在、都が管理する直近の一回分の選挙における全ての選挙公報についてホームページに掲載しております。

◯おときた委員 都が所管する分野に関しては、直近の選挙公報をウエブにて閲覧可能にしているということですが、こうした対応が、残念ながら基礎自治体レベルでは行われていないことがあるようです。
 実際に、私の地元北区のホームページでは、直近の選挙の公報がウエブで閲覧できませんから、こうした対応が少なくとも東京都内では基礎自治体レベルにまで徹底されるように、東京都が指導力を発揮することを要望いたします。
 また、直近だけではなく、より過去にさかのぼって選挙公報を閲覧したいという要望もあります。さきにも述べたように、その当該政治家が現職である限りは、公約の確認のためにも、過去にさかのぼって選挙公約を確認できることは、有権者の判断材料をふやす面で大変有効かと思います。
 紙では常に閲覧が、選挙の記録等で閲覧が可能ということですが、やはり利便性が高いウエブについては、さらにこの必要性が増すと思いますので、この点についての見解をお伺いいたします。

◯安藤選挙管理委員会事務局長 都内の区市町村選挙管理委員会に対しましては、先ほど説明した総務省の見解が出された際に、その内容等について、事務局長会や研修会等の場を通じて説明してきておりまして、現在では、都内の多くの区市町村選挙管理委員会が直近に行われた選挙の選挙公報の掲載に取り組み始めているところでございます。
 お話のございました、直近の選挙よりも過去にさかのぼった選挙公報をホームページに掲載することにつきましては、今後行われる選挙の中で、総務省が見解で示した次回以降の選挙に係る選挙公報との混同や選挙の公正を害するおそれの観点も踏まえ、慎重に検討する必要があるものと考えております。
 また、お話の当該政治家が現職である限り掲載するというようなことにつきましては、結果として、個別の候補者や議員が着目される形での管理となる可能性があることから、選挙の公平公正な管理という選挙管理委員会の役割に鑑み、そのような掲載方法は考えてございません。

◯おときた委員 確かに、その政治家が次の任期も出馬をするとは限りませんから、公平公正の観点から、個別のケースで掲載を検討するのは難しいということは理解ができます。
 しかしながら、過去三回分あるいは五回分であるとか、期限を決めて掲載することは可能であるはずです。過去の選挙公報を掲載することで、選挙の公正を害することはまずあり得ないと思いますし、混同の可能性については掲載の仕方次第であって、それをいえば、行政の発信する情報の全ては、過去、古いデータとの混同を心配しなければなりません。
 選挙公報の過去掲載については、現行の国のルールで禁止されたものではないのですから、この実現はぜひ前向きに検討していただきたく強く要望をしておきます。
 最後に、投票所の増設についてお伺いをいたします。
 十八歳選挙権を契機に投票所をふやそうとする機運が高まっています。選挙に行かない理由の断トツの一位は、仕事が忙しく時間がないですから、何かのついでに投票ができる環境を整備していくことは、投票率の向上に直結する政策といえます。
 そこで、基礎自治体が期日前投票所、当日投票所をふやそうとする場合、都としてはどのような支援を行っていくのか伺います。
 また、住所によって投票所が指定される当日投票所には制限があるものの、そうした投票制限のない期日前投票所は、特に利便性と投票率の向上が見込めます。ショッピングセンターや大学に期日前投票所をふやしていくというアイデアも出ているところですが、こうしたところに期日前投票所を増設していくに当たり、どのような課題があると認識されているのか、見解を伺います。

◯安藤選挙管理委員会事務局長 期日前投票所や当日投票所を増設することは、一般的に有権者の利便性の向上が期待できるものでございます。
 ショッピングセンターや大学に期日前投票所をふやしていく上での課題といたしましては、二重投票防止のための選挙人名簿対照システムをつなぐオンラインの敷設が必要になること、投票所外からの投票用紙ののぞき込みや投票用紙の交換、入場できない者の立入防止など不正行為を防ぐための設備が必要となること、投票所内における投票の秘密の確保、投票管理者及び同立会人が投票所内を見通すことのできる配置の可否、選挙の種類にかかわらず、将来に向けた継続的な施設の使用の可否などがございます。
 これら期日前投票所及び当日投票所の増設につきましては、地域の実情に応じて、効果やコストの観点も踏まえて区市町村選挙管理委員会が判断することになりますが、都選挙管理委員会といたしましては、増設を検討する区市町村選挙管理委員会に対する具体的な増設事例の紹介や助言、あるいは設置に要する経費につきまして、国政選挙の場合は、要した経費についての国への請求及び交付、都議会議員選挙及び都知事選挙の場合におきましては、都からの交付金の交付といった支援を行うことによりまして、区市町村選挙管理委員会の取り組みを後押ししてまいります。

◯おときた委員 ご答弁いただきまして、確かに、オンライン環境の整備や秘密投票を保持する環境づくり、また、次年度以降も継続的に使用できるかどうかの継続性などに課題があるということは理解できました。
 加えて、大学などに設置をする場合には、さきにもご指摘があったように、多くの大学生は、その大学所在地の有権者ではない場合もあるなど、その費用対効果に疑問が呈されることも多いようです。
 しかしながら、冒頭述べさせていただいたように、こういった投票所の増設は、有権者の利便性向上に直結をする政策です。我が国の若年層を中心とする投票率の低下は喫緊の課題となっており、この改善には、あらゆる手段を講じて対策をとらなければなりません。
 都は、基礎自治体が投票所を増設する活動を強く後押しし、また、実際に増設がなされた場合は、自治体負担が過剰なものとならないよう、くれぐれも配慮を行い、投票所の増設が全都的に行われていくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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