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平成27年11月13日 総務委員会質問内容(1)

委員会, 議会活動,

◯おときた委員 私からは、初めに、都内の投票所における対応の格差についてお尋ねをいたします。
 投票所によって、有権者に対する対応が異なる事例が報告されることがあります。例えば、投票所への児童の同伴です。ある投票所では子供の同伴が認められたものの、ある投票所に行った人は制限をかけられるなど、自治体あるいは投票所のスタッフによって対応が異なるケースが見られます。また、多くの場合、こうした対応についての詳細な説明は現場では行われていないようです。
 投票所への子供の同伴というのは、あくまで一つの例ですけれども、公平かつ適正なルール運用が全ての投票所で行われることが望ましいのは当然のことです。
 こうした現状についての見解と都の対応についてお伺いいたします。

◯安藤選挙管理委員会事務局長 公職選挙法におきます投票所に入場できる者として、かつては選挙人、投票所の事務に従事する者、投票所を監視する職権を有する者及び警察官に限られておりました。
 しかし、投票の秘密保持や投票所の秩序維持という趣旨に鑑みれば要件緩和も可能であるとして、平成九年の法改正により対象が拡大されまして、現在は、選挙人の同伴する幼児その他の選挙人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めたものの入場も可能となってございます。
 この投票管理者が入場を認めるものの範囲を統一することは、投票所の周辺環境やその時々の混雑ぐあいなどの条件が異なることから難しいものと考えてございます。
 投票所に入場できる者についての投票管理者の対応につきましては、法改正がされた際の趣旨も踏まえまして適切に行われるよう、引き続き区市町村選挙管理委員会に働きかけてまいります。

◯おときた委員 ご答弁いただいたとおり、例えば小学校一年生ぐらいのお子さんだと、外で遊んで待っていられる環境がある投票所ではいいけれど、そうでない場合は現場判断で同行を許すなど、ケース・バイ・ケースになることも当然あり得ると思います。
 ただ、大切なのは、投票所のスタッフがその理由を適切に説明して、有権者に不安と疑惑を与えないことだと思います。特に今はインターネット社会ですから、すぐにこういった情報はネット上に書き込まれて、有権者同士が情報を共有して不信を感じるということも報告されております。さらには、現在、投票所に同伴が可能となる範囲が幼児から児童へと拡大されることも、法改正が検討されています。原則のルールを全ての選挙管理委員並びに投票所のスタッフが理解をした上で、全ての有権者にとって不公平感のない投票所運営が行われることを望みます。
 次に、投票所における障害者対応についてお伺いいたします。
 まだ不十分な点があるとはいえ、さまざまな身体障害を中心とする方々に対応する投票所の整備は着実に進んでおります。しかしながら、ハード面の整備が重要な一方で、ソフト面での対応も欠かせません。特に見た目でわからない障害をお持ちの方々については、投票所のスタッフがあらかじめ知識と理解を持って対応しなければ、ハード面の整備だけでは対応することができません。
 以前に、ある投票所で、なれない状況でパニックを起こしてしまった精神障害の方がスタッフに追い出されてしまい、結局投票ができなかったという事例も仄聞いたしました。
 こうした投票所におけるハード面、ソフト面における障害者対応について、東京都の見解と対応をお聞かせください。

◯安藤選挙管理委員会事務局長 障害を有する有権者の方々が投票するためのよりよい投票環境を整備することは大変重要なことと考えております。
 まず、ハード面での対応としましては、投票所において、コミュニケーションボードや車椅子の配備、段差解消スロープの設置などバリアフリー化への取り組みが区市町村選挙管理委員会によって進められておりまして、東京都選挙管理委員会も、都が管理する都議会議員選挙や都知事選挙におきまして、区市町村がバリアフリー化に要した経費を優先的に交付してございます。
 また、ソフト面での対応としましては、東京都選挙管理委員会が区市町村選挙管理委員会の職員を対象に実施している研修事業におきまして、毎回、東京都心身障害者福祉センターから講師を招きまして、投票所における障害を有する方々への接遇などについての研修を実施しております。

◯おときた委員 ハード面、ソフト面とそれぞれご説明いただきまして、都選管も対応に力を入れていることがわかりました。
 確認になりますが、ご答弁の中にあった選管職員を対象としている研修事業の中には、精神障害と発達障害などの講義も含まれるのでしょうか、伺います。

◯安藤選挙管理委員会事務局長 ただいま申し上げました投票所における障害を持った方々への接遇についての講義では、精神障害や発達障害も含め、さまざまな障害の特性や接遇のポイントなどについての講義を行っております。
 今後とも、障害を有する有権者の方々が心配することなく投票ができる環境の整備に向けて、区市町村選管と十分連携を図りながら取り組んでまいります。

◯おときた委員 近年、とみに問題が表面化してきた発達障害、精神障害者対応については、まさにソフト面での支援が課題になっています。そのために、あえて課題を切り分けて質問させていただきました。
 冒頭に述べたパニック状態になってしまった障害者の方に対応できなかった事例では、現場スタッフの理解が足りなかったことが原因であると推察されます。精神障害、発達障害の方への適切な対応とサポートを、全ての選挙管理委員と現場スタッフが理解することが重要です。
 現在行っている研修事業などをさらに推し進め、ソフト面、ハード面双方からのバリアフリー、ユニバーサルデザインによる投票所対応を徹底していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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