一昨日に秋の定例会がスタートし、
初日は恒例の「知事所信表明」が読み上げられました。
(写真は知事の部屋より)
演説内容の全文は下記からご覧いただけます。
平成26年第三回都議会定例会知事所信表明
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/HATSUGEN/SHOUSAI/30o9h100.htm
オリンピック・パラリンピック計画の見直しや、
ヘイトスピーチに関する見解などがいくつかニュースになりましたが、
あまり取り上げられなかった点で興味深い部分をご紹介。
そこで、各局が自ら施策の見直しを行った場合、削減額の2倍まで新規の予算要求を認めることで、インセンティブを働かせる仕組みを導入いたしました。
これはなかなか画期的な試みだと思います。
税収が比較的豊かな東京都とはいえ、その財源は有限です。
「シーリング」といって予算編成には上限が設けられ、
新しい政策をやろうにも従来の枠組みを超えることは認められない…。
というのが、東京に限らず全国の自治体でも一般的な状況です。
しかし今回、「政策的予算」と呼ばれる分野では、
どこかの削減に成功すれば、その倍額まで新規の予算要求ができるということですから、
まさしく見直しや無駄排除の「インセンティブ」が働きます。
ただ、あくまで「予算要求」が認められるだけなので、
最後の知事判断で却下される可能性もあります。
そうすると、削減した分だけバカを見る可能性もありますので、
この制度がワークするかどうかは初年度の運用が肝心になるでしょう。
この制度の詳細は、財務局のHPからご確認いただけます↓
【シーリングの見直し】
・「東京都長期ビジョン(仮称)」の事業案に係る経費は、シーリングの枠外
・施策の見直しを行った場合、削減額の2倍まで要求することができる
・その他の事業は、原則としてゼロシーリングを継続
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2014/07/70o7t100.htm
■
ところで、こうした「削減に関するインセンティブ」は、
ぜひ決算にも仕組みとして取り入れてほしいと強く思います。
民間企業では、経費を節約して予算を余らせれば
褒められることもありますが(そうじゃない場合もあるけど)、
ご存じの通り、行政は予算の「使い切り」を重視する傾向にあります。
予算と執行額の差額は「不用額」と呼ばれ、
これは決算委員会で議員から突っ込みを受ける最大のポイントです。
「なぜ、予算がこれほど余ってしまったのか」
「無計画ではなかったのか」
などなど…なので、議員もあまり良くないんですよね。
たしかに立案段階で無計画だった可能性もあるとは思いますが、
これでは「節約」へのインセンティブは皆無になります。
自治体によっては「使い切り」の悪しき慣習を断ち切るため、
こうした「不用額」を次年度に持ち越せる仕組みを採用しているところもあります。
そしてまず、名称から改めた方がいいような気もしますね。
東京都には現在、こうした仕組みがありませんが、
予算における積極策を採用した舛添都知事には、
ぜひ決算でも新しいインセンティブの導入を期待&提言したいところです。
良い週末をお過ごしください。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
twitter @otokita
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Tags: 舛添知事