さて、政務活動費の初支給から丸二ヶ月が経過したので
ここまでの使用用途について途中経過を公表いたします。
前回の記事を読んでない方はコチラ↓
月々60万円、「政務活動費」の実態を追え!
http://otokitashun.com/blog/togikai/1440/
支給額:
60万円×2=120万円(8月、9月分)
支出額:
会派への供託=20万(月10万×2ヶ月分)
事務所費=18万(1/2按分※して月6万円、8月・9月・10月分)
人件費=15万(1/2按分した9月分)
スタッフ定期代=11,340円(1/2按分した9月、10月分)
事務用品費=74,877円(1/2按分でノートPC本体購入、他細かいもの)
通信費=10,620円(1/2按分した8月分の電話代、ネット回線代)
光熱費=6,363円(1/2按分した事務所の8月・9月文の電気・ガス・水道代)
計 633,200円
残額 566,800円
※按分
都政に関わらない「その他の議員・政治活動」が含まれるとみなされる出費は
その活動割合に応じて政務活動費が充てられる金額が按分され、
特に合理的な理由がない限りその上限額は1/2とされる。
※なお、政務活動費は「完全先払い、後日用途を報告」するシステムで、
上記の中で申請しても通らないものがある可能性もある。按分の割合も変更されるかも。
見づらくてごめんなさい。
図ったように端数がそろいましたが、特に数字は丸めてません(苦笑)。
部分的に説明しますと、「会派への供託」というのは
所属議員たちから会派で一定の政務活動費をプールしておいて、
会派で雇うスタッフの人件費や視察費、会議費などに使うものです。
どこの会派もこのようにお金を集めていることが一般的みたいで、
みんなの党の場合は「月10万円」と定めてスタートしています。
その他の金額はおわかりになるかと思いますので、説明省略。
「なんだ、けっこう余るじゃん!もらいすぎだろ?」
と思われるかもしれません。
が、前回の記事中で政務活動費の使用用途トップ3は
1.人件費
2.広報紙発行費
3.事務所費
とお伝えしました。
ここからは、僕がまだそうするかは決めてないので一般論として読んでほしいのですが、
一般的に議員は年4回程度「都政報告レポート」のような紙媒体を発行します。
そしてそれを後援会員に郵送したり、選挙区の戸建にポスティングします。
以前に選挙費用の記事の中でお伝えした通り、
この紙媒体を住民の方に届けるにはむちゃくちゃお金がかかります。
例えば今、北区には約37万世帯ありますが
ここにすべてレポートを投函しようとすると、
印刷代=17万×4で68万(両面カラー、折済で一枚4円換算)
ポスティング代=17万×3.5円で約60万
と、一回当たり130万弱の費用がかかり、
これを複数回やると本来用途である調査費用にお金が回ることなく
年間の政務活動費がすっ飛んで行くことになるようです。
80万世帯なんてある大選挙区の方は、
1回でもっととんでもない金額になることは想像に難くありません…
新聞折り込みをする方もいらっしゃいますし。
んでこの広報誌発行費用ですが、都政に関わる「政務活動」である以上は
当然使用にあたって厳格なルールがあります。
・都政に関わること以外は対象外
・政治家個人の写真は紙面の1/3の大きさまで
・議員や都議会以外の役職(民間経験やNPOなど)はプロフィールに入れてはいけない
・必ず「都民の声をお聞かせください!」などのスペースを設けること
etc…
あくまで議員個人の選挙対策のアピールにならないよう、
ある程度きちんとしたガイドラインが定められています。
もし「都政に関わること」以外を紙面に掲載するとその部分は
政務活動費が充当できず、スペースの割合によって費用が按分されるようです。
30%ということもあれば60%ということもあるみたい。
それでは、突然ですがここで問題です(!)。
下記は来週から駅頭でお配りする予定の私の都政レポートですが、
こちらの内容には何%の政務活動費が充当できるでしょうか?!
正解は…
0%!
…ひっかけ問題みたいで恐縮ですが、
上部にある「当選報告」の部分が問題で、
「選挙に関わることが少しでも入ると政治家個人の広報誌とみなし、
どんなに他に都政のことが入っていても政務活動費は充当できない」
というルールがあるそうです。
へぇぇ!
ただ正直、ご覧のとおり今回の内容は都政についてというよりは
自分の近況報告をしながらウェブに誘導するタイプのレポートなので、
元から政務活動費を使う予定もなかったですし(本当!)、自費で発行・配布いたします。
ちなみに後学のためにお伝えしますと
このチラシの内容的には、
・委員会の所属、情報公開については都政報告としてOK
・当選の報告、会派についての説明はNG
・プロフィールに余計なものが入ってる部分はNG
となるようで、もし選挙に関する部分を修正して政務調査費を使おうとすれば、
50%くらいは充当できたのではないでしょうか。
(正規の精査を受けてないので、確証はありませんけど)
ともあれ、一連のやり取りの中で感じたことや
過去の議員さんのレポートを見ても、
「こうした広報誌の発行が『政務活動』として適切なのか?」
(議員個人の、いわば選挙アピールの広報になっていないか?)
という疑問はやはり拭えない部分であります。
だからこそ議会局も上記のような運用ルールを定めているわけですし、
裏を返せば何か透けてくる意図が見えなくもありません。
やはり政務活動費の本来意義は「政策調査」のためであり、
広報誌の発行をするのであれば
「本当に住民にとって有意義な都政に関する調査内容を、
ここぞという時に、紙媒体でしかリーチできない相手にする」
ということを、個人的には心掛けていきたいと思います。
そして肝心な政策調査については鋭利準備中ですので、
政務活動費を使用する際はその成果を必ずご報告させていただきます。
(余った分はきちんと返します!)
長くなりましたが、それでは今日はこの辺りで。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 政務活動費