閉会間際の東京都議会、昨日から「自民VS非自民」の構図で激戦が続いています。
まず、「存続して並列か、百条委員会に統一か」で揉めに揉めた豊洲市場問題特別委員会は、紆余曲折あって午前3時前(!)に存続ということで決着。
同時並行で紛糾していた予算特別委員会の方が今現在も協議中になっており、今日はこちらについて経過をまとめておきたいと思います。
…お読みになった多くの方は「都議会、何やってんの?」と失望されるでしょうし、いずれにせよ議会が空転した責任は都議たち全員が負わねばなりません。
加えてずっと残業状態になっている職員の方々にも、心苦しい限りです。誠に申し訳ありません。
さはさりとて、委員会運営を司る委員長を擁している都議会自民党が
「委員長は公明正大にやっていたのに、非自民がおかしい」
「非自民の理事たちが誰にも知らせず勝手に帰って、議事を混乱させている」
など、まったくもって事実と反することを主張しているので、こちら側はこちら側から見た「事実」を主張しておくものです。その上で、判断は都民の皆さまに任せたいと思います。
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まずそもそも、予算特別委員会の理事会が紛糾したのは、都議会自民党が
「知事から誠実な答弁をいただけず、議論が尽くされていないので、委員会の日程を一日延長したい」
という申し入れを行ってきたことがきっかけです。正当な理由があれば審議延長を否定するものではありませんが、現時点ではまだ27日(月)の質問日が丸々残っています。
現段階で「議論が尽くされていない」と判断するのは早計であり、また自分たちが望む答弁がもらえなかったからといって延長を要求するのはいかがなものか?というのが、我々都民ファーストの会を含む自民以外会派(以下、非自民)の主な主張です。
理事会の内容は非公開なので詳細まで触れることは差し控えますが、24日(土)10時に始まった理事会で意見の隔たりは大きく、都議会自民党委員長による一方的な宣言で強制休憩に入ります。他の非自民5会派のすべてが
「独断で休憩に入るのはおかしい」
「まだこの場で議論を続けるべきだ」
と主張したにもかかわらず…です。まずここが、委員会運営混乱の最初の原因です。
以前にも触れた通り、「休憩」というのは水面下協議をする時間のことで、休憩を申し出た会派が調整努力を行うのが通例です。さらに今回の場合、議論のきっかけを作った「申し入れ」を行ったのも、そもそも自民党です。
ところが、メンバーが重複している豊洲市場問題特別委員会が開催されている14時間(!)の間、委員長会派である都議会自民党は一方的な主張を行うばかりで、調整努力をほとんど見せませんでした。
そこで業を煮やした非自民会派の代表者2名が、自民党委員長に「豊洲市場問題特別委員会が終わり次第、いずれにせよ理事会を再開するように」と申し入れを行います。
ところが特別委員会が終了後、自民党委員長は理事会を再開するどころか、「雲隠れ」をして交渉すら拒否する姿勢を見せます。
委員長こそ有しているものの、数で劣る都議会自民党は会が開かれると押し負けてしまう可能性が高いので、こうした「引き伸ばし戦術」でこちらの根負けや混乱を狙う作戦に出たわけです。
午前3時半前、非自民会派の代表者が都議会自民党を尋ねるも、やはり委員長は面会に応じず、電話をするも不通。これが我々が「雲隠れ」と言う理由です。
最終的には非自民会派の代表者が委員長の留守番電話に
「これ以上、理事会の開会を理由なく先延ばしにし、交渉にも応じないようなら今日は撤収する」
旨のメッセージを残し、まったくリアクションがなかったことから、やむにやまれず非自民のメンバーは都庁を後にしたと、これが時系列の流れです。
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いかなる理由があるにせよ、理事会の開会・閉会の権限は委員長にあり、委員長が閉会を宣言していないのに「帰った」ということに関しては批判もあると思います。
というより、それこそがおそらく都議会自民党の狙いの一つで、鬼の首を取ったかのように
「委員長に一言の断りもなく、勝手に帰った」
「議会局の職員も寝耳に水だった。責任放棄も甚だしい!」
などという情報発信を行っています。
しかしながら前述の通り、こちらは再三に渡って委員長に面会を求めて申し入れをしていますし、電話もして、最後には仕方なくメッセージを残して反応を待っています。
それでも何ら回答がいただけなかったので、議会局の職員にその旨を伝えて引き上げたのが事実であり、都議会自民党の主張はまったく当たりません。
(25日AM9時の開会状況パネル。委員長が閉会を宣言していないので、開会中のステイタスのまま)
なお私は予算特別委員会の理事でもないのに、特別委員会からの流れで朝まで議会棟にいましたが、当会派で理事をしている両角都議は撤収する前に、議会局の職員にきちんと事情を説明していたのを眼前に見ています。
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それでも結局、板挟みになり残らざる得ない議会局の職員たちは完全に被害者であり、彼らの負担が今現在も進行形で増え続けていることに対しては申し訳ない気持ちでいっぱいですし、繰り返しになりますが委員会を空転させた責任は、議会全体で受け止めなければなりません。
とはいえ、こうした事態にならないために委員会運営を行う責任は一義的には委員長にあり、こうなることがわかっていて「引き伸ばし戦術」を取ってきた都議会自民党のやり方は、とても首肯できるものではないと思います。
27日の予算特別委員会でどのような展開になるかまだ不透明ですが、委員長会派が日程を「政局」の人質に取ると、このような混乱が続きます。
…自分で読み返してみてもまさに「コップの中の嵐」であり、都民を置き去りにして一体なにをやっているのかと、自分たちの不明を恥じるばかりです。。本当に申し訳ございません。
政局ではなく、都議会として真摯な議論が尽くされる予算特別委員会に戻るよう、引き続き尽力をして参ります。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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