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都職員が、都議会議員の質問原稿を書いちゃダメ!…って、そんなの当たり前では??!

都議会の話

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

先週のニュースですが、こんな報道がなされていました。

都議の質問「お膳立て禁止」=小池知事が職員に指示:時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020800890&g=pol

東京都の小池百合子知事が、議会の本会議での質疑に際し、都庁職員による質問作成などを取りやめるよう各局に指示したことが8日、分かった。都議の質問を職員が「お膳立て」するケースもあったため、小池氏が問題視。就任後初めて編成した来年度予算案を審議する都議会定例会が22日から始まるのを前に、是正が必要と判断した。(中略)

都では職員が質問づくりに関わる慣行も根回しの一環として続いてきたという。都議が質問を職員に書かせたり、職員から都議に質問を持ち込んだりするなど、議会関係者は「『出来レース』と言われても仕方がない実態があった」と話す。(後略)

(上記記事より抜粋、強調筆者)

昨年の政党復活予算への切込みといい、小池知事は実に都議会の「痛いところ」をついてくるなーと驚嘆するところです。

いわゆる政党復活予算が、既得権益を強化するためのセレモニーであることが公然の秘密であったように、議会質問における職員の関与もまた、誰もが気づきながらも見て見ぬふりをしてきた慣習の一つです。

表向きはそもそも「ない」ことになっている慣習ですから、これに頼っていた議員サイドもおおっぴらに異を唱えたり抗議をすることはできず、なすすべもなく大きなダメージを受けることになるでしょう。

いや勿論、本来はこんなことでダメージを食らっていてはいけないのですが…。

実際に都職員は非常に優秀ですから、要点を伝えておけば議会質問の「原稿」を完璧にお膳立てしてくれます。私のような少数会派にすら、以前こんなことがありました。

議会質問をする際は、あたりをつけているテーマについて担当職員と情報交換・意見交換をし、問題意識やポイントを共有した後に原稿作成に入ることが多いのですが、その時点で

「先生のご意向を反映して、質問文を作ってまいりました!」

と原稿を持ち込んで来るわけです。

もちろん、都側がつくるものですから厳しい追及になっているはずもなく(苦笑)、褒め称えるとまではいかなくても、巧妙に都の失点が表に出ないような質問内容と答弁が用意されることになります。

もちろん却下するのですが、これがまた一度でも原稿に目を通してしまうと、その内容に自分でつくる文章が引っ張られてしまうんですよね…。たぶん、そこまで計算して都職員さんも原稿を渡してくるのだと思います。

そりゃあ、ちょっと対面でしゃべっただけで質問原稿が出てくるのだったら、おまかせした方が楽に決まっています。内容に間違いもないですからね。

しかしそれでは議会と行政の間の緊張感はなくなり、いつしか議員から政策立案能力が失われていくことは確実でしょう。そうして形骸化してここまで来てしまったのが、今の都議会とも言えるわけです。

もちろん、「とある大会派」に所属しているからといって全議員が都職員のつくった原稿を読んでいるわけではありませんし、自分自身の言葉と知識で議会質問をしている方もいらっしゃいます。

しかしながらそうでない議員たちにとって、次の定例会は初めて実力を試される正念場となるかもしれません。

そんな都議会の代表質問・一般質問は、まだ少し先ですが2月28日~3月2日の3日間が予定されています。私の出番もあり、3月2日の終盤予定です。

まだ一問一答形式が採用されていないため、見ている方としては若干厳しいものもあるかと思いますが、事実上都議選前の最後の本格論戦となる議会です(次回の定例会は、選挙直前のために非常に短時間)。

その他にも常任委員会や、予算特別委員会といった質疑も予定されています。ぜひともこれを機会に、足を運ぶことを検討していただけますと幸いです。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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