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ターゲットは都政改革本部と上山信一顧問か?都議会が反撃の狼煙をあげたようですが…

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

本日は緊急のオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会(以下、出てくるときはオリパラ特別委員会)が開催されました。

議題は「都政改革本部の位置づけ」と、「知事がIOCバッハ会長に提出した資料について」です。

発端はこちらの出来事。

「1500億円負担」訂正指示…IOCへの資料(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20161021/k00/00e/040/259000c

2020年東京五輪・パラリンピックで使われ大会後に取り壊す仮設施設整備費(最大1500億円)を東京都が負担すべきだとする都政改革本部の調査チームの提言が、都の決定であるかのように記された資料が国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長に渡されたとして、小池百合子知事は事務方に資料の訂正とIOCへの説明を指示した。

(中略)

この内容は調査チームの提言だったが、作成者は知事室を意味する「Governor’s Office」となっていた。小池知事は作成者を削除するよう指示した。

都政改革本部特別顧問の上山信一・慶応大教授が20日、この資料は小池知事が承認して渡したと明言。小池知事は同日、報道陣に「全額負担は都として決めたものではない」と否定していた。

(上記記事より引用、強調筆者)

すでに大きな話題になっているボート・カヌー場の見直し案に加えて、都内で発生する仮設施設の費用負担(1000億円~1500億円)を都が負担するなどの「提案」が書かれていたこの資料。表紙には上記の記事中にもあるように

「Governor’s Office(知事室)」

というクレジットが入っており、あたかも都知事・東京都の決定事項かのような誤解を招いたことが問題視され、都知事は後日速やかに訂正を行いました。

この失点を見逃さなかったのが、東京都議会です。

「上山信一顧問は、権限を超えて暴走しているのではないか」
「生煮えの数値や提案を、公文書として外に出すのはいかがなものか」
「そもそも都政改革本部や顧問の位置づけ・権限が不明瞭だ!」

と一斉に火の手をあげ、今日はこの点についての集中審議を行う日だったというわけですね。

※問題となっているバッハ会長への資料はコチラから。
http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/281018menkaishiryou.html

確かに一連の流れの中で、反省・改善しなければならない点はあると思います。

1. 「知事室」というクレジットを記載したこと
2. 上山顧問がこちらの資料を元に、バッハ会長に手渡す前日に報道協定を結んだ上で「記者レク」を行なったこと

前者についてはあくまで「提案段階」であることを、知事の最終案だと誤解される恐れがあり、再発防止に努めていただきたいと思います。

そして二番目の、前日に「記者レク(記者レクチャー)」を行うことについて、正確な記事を書いてもらうためにマスコミ対して別途の説明会を行うことは珍しいことではありませんが、やはり公式発表後に行うことが望ましかったと思います。

特に都議会側はご承知の通り、

「自分たちに説明がない情報が、マスコミに先に流されている」

ということに神経を尖らせています。

私自身は都議会より先に都民が知ることに対しては抵抗はないものの、都民や相手方に提示される前に事前レクチャーという形で記者に渡るとなれば、やはり軽々には看過できるものではありません。

一方で、正式決定ではなくあくまで「検討段階」であることがわかるのであれば、このような形で情報公開され、交渉の過程が明らかになることはむしろ評価されるべきであると考えます。

仮にこうした資料が明るみに出なかったとしても、実際のところは数字のやり取りも含めた下打ち合わせがされているであろうことは周知の事実、あるいは暗黙の了解になっています。

にもかかわらず、情報が関係者以外には固く秘匿され、ほぼ決定された段になって突然都民・国民に知らされるというやり方こそが、政治や都政に対して不信を招いてきた大きな原因の一つではないでしょうか。

私自身は、議会を含む関係者にいわゆる「根回し」を行い、表に出てきたときには事実上の決定事項になっているよりも、都民・国民を巻き込んで議論をする余地が残る、オープンなやり取りであることを望むものですし、また多くの都民もそうであろう感じています。

今日の質問では、各会派から特別顧問の振る舞いや情報発信を問題視する質疑が相次ぎました。

確かに改善するべきは改善していただきたいと思う反面、こうした本質的・建設的でない話題にほぼ半日を費やして細かい質疑を繰り返していることには疑問が残りますし、

「我々(議会)が知らない・許可しない情報を対外的に発信することはまかりならん!」

といわんばかりの、相変わらずな閉鎖的風土を感じるようなシーンもありました。

批判ばかりしていても、「都議会なにやってんの?」という都民からの冷ややかな目線が注がれるばかりです。

来週からは、都政改革本部が提案した見直し案の中身についての質疑も行われます。建設的な提案ができるよう、しっかりと準備をして臨みたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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