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「都知事が変われば東京は変わる」は幻想。本命は、日本一旧態依然とした東京都議会だ

都議会の話

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
本日が舛添知事の任期最終日となりましたが、各種報道の通り本人は現れず、
代わりに(?)新しく就任した方を含めて4名の副知事が挨拶にきて下さいました。

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(両角都議は公務のため不在)

左から2番目の安藤副知事は、石原・猪瀬・舛添知事の三代に仕え、
そのいずれもが任期途中の辞任となった結果、三度目の知事職務代行に突入するという、
まさに都政を支えるエース中のエースです。

もう東京都知事、安藤副知事が昇格でいいんじゃないか…?
なんて話も冗談めいて流れる今日このごろです。

そして昨日から都議会議員団のリオ視察の件が燃え上がっており、
今日もメディアなどの関係者と色々と話していたのですが。
どうも多くの人は

「都知事が変われば、東京都政のすべてが変わる!」

という、過剰な幻想を抱いているのではないかという結論に到達しました。
確かに、直接選挙で上り詰められる最高権力である東京都知事の力は絶大です。
絶大ですが、そこには明白な限界があります。

その前に立ちはだかるのがそう、まさに「東京都議会」です。
厳格な二元代表制を取る地方自治体では、議会の承認なくしては
重大な物事を進めることは決してできません。

それはそれで健全な姿ではあるのですが、
とにもかくにも東京の場合はこの議会のタチが悪いと。
私自身がそう言うのは天に唾する部分もありますが、もう言い切るしかありません。

長い歴史を持ち、「国政以上に保守的」「伏魔殿」とも揶揄される東京都議会は、
今回の視察の件といい、セクハラやじ問題といい、本当に多くの問題を抱えています。

にも関わらず、普段はほとんど注目が集まらないことから、
まったく自浄作用が働きません。自らの利権と子分たちを守ることに長けた、
「長老」と呼ばれる大物議員たちが我が物顔で跋扈する世界です。

そんな都議会の三分の二をいわゆる「与党」が占めているのですから、
どんな方が知事になるのであれ、彼らの顔色を伺わずにはいられません

仮に蓮舫さんが都知事になろうが、宇都宮けんじさんが都知事になろうが、
相当に議会に対して「歩み寄り」を見せなければ、ほどなくして都政は完全にストップし、
一歩も動くことができなくなってしまうでしょう。

このように実は重大なファクターである東京都議会なのですが、
その選挙は統一地方選挙日程から外れており、比較的ひっそりと行われます。
加えて徹底した組織・政党選挙になる

「準国政選挙」

とも呼ばれており、都政課題よりも
国政の状況によって争点が決まったりすることもしばしばです。

これは浮動票が動きづらく、大番狂わせが起きにくいことを意味します。
結果、東京都議会はいつまでも新陳代謝が起こらず、旧態依然とした状態が続いていくのです。

このサイクルをどこかのタイミングで打ち破らない限り、
隠蔽体質で税金の使い方にルーズな東京都政の体質を改めることは、
極めて難しいのではないか
と私は感じています。

ちなみに某民主党の「政権交代」の際に、
都議会でも史上初めて民主党が第一党になるという変革のチャンスがありましたが、
国政同様にほとんど成果を残せず、混乱のうちに都議会は元の構図に戻りました…。

都知事だけを変えても、都政は変わらない。
その1年後の都議会議員選挙こそ、実は変革の本丸である。

まだまだ都知事選挙は候補者すら定まらない状況ですが、
そんなことに鑑みながら投票行動を考えていただけると、
少し違った光景が見えてくるかもしれません。

そうこうしているうちに、明日から参議院選挙!
お役御免かとおもいきやまたTBS「ビビット」に呼ばれましたので、
スタジオ出演してから諸々の選挙戦の波に突っ込んでいこうと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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