こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
来週の本会議開会に先立ちまして、本日は私も所属する総務委員会が行われました。
(本会議の前に委員会が開催されることはけっこう多いので、これ自体は異例ではない)
総務委員会といえば、前猪瀬知事を議員たちが問い詰めた委員会です。
もし舛添知事に対する疑惑追及を本会議以外の場で集中的にやろうとするならば、
百条委員会もしくはこの総務委員会が舞台になります。
というのも、都議会には「厚生」「警察消防」など9つの常任委員会がありますが、
どこにも当てはまらない事案はすべて「総務」になるという決まりがあるからです。
そんなわけで今日の総務委員会は、次回の総務委員会に舛添知事を呼んで
集中審議を行うか否か、追加の日程などを設けるかどうかなどが決まると見られ、
大勢のマスコミが詰めかける中で行われました。
■
が、そういう今後の大事な日程などの決定って、
委員会ではなく非公開の「理事会」で行われるんですよねえ。。
非公開ですので、終了後に委員長がマスコミに答えていた範囲と、
自分の発言内容を中心に今日の結果をお伝えさせていただきたいと思います。
私からは、
1.
速やかに舛添知事に総務委員会への出席を求め、追加日程を検討すること
2.
「知事所信表明や代表・一般質問での答弁を聞いてから」というのであれば、
一般質問(8日)終了後に総務委員会(理事会)を設定しておき、そこで速やかに協議すること
を求めました。
しかし結論としては、
●今日の段階では、舛添知事の総務委員会への出席は求めない
●一般質問終了後の理事会開催についても、その時点になってから判断する
ということになり、まあつまり
現時点では「何もしない」ということが決定されたわけです。
極めて消極的で典型的な先送り対応であり、都民の信頼を失いかねない意思決定であると思います。
以下に、私がこの時点で速やかに総務委員会に知事を
招聘すべきと考える理由を記載しておきます。
1.本会議での代表質問・一般質問は政策論議に時間を割くべき
このまま多くの疑惑を抱えたままで代表質問・一般質問の日程に突入すれば、
各議員からの質問時間の多くはこの疑惑追及に割かれることになります。
待機児童に介護問題、東京五輪に産業政策と
都政には課題が目白押しであり、本来の議会はこうした点について
知事・執行機関と議員たちが政策論議をするはずの場です。
そこで、総務委員会(百条委員会でも良いけど、いきなりはハードルが高い)の集中審議を
別途設定しておけば、舛添知事の一連の疑惑はそこですべて質問を行うことにして、
この本会議の貴重な時間は本来の用途に充当することができます。
特に私のような少数会派ですと、一般質問の時間はわずか9分(!)です。
舛添知事の疑惑追及質問をしたら、それだけで大半が終わってしまいます。
記者会見での内容から合理的に考えれば、
所信表明や質問日に舛添知事から画期的な説明が行われる可能性は低いです。
「調査中」に毛が生えたような答弁しか返ってこないことも、十分に考えられます。
もっとも都議会で格式が高く、政策決定に強い影響力を持つ
本会議での質問は、そんな不毛な時間に割かれるべきではありません。
2.事前通告制の本会議では、厳しい追及をすることは不可能
以前に何度かお伝えしている通り、都議会の本会議は
「シナリオ議会」とも呼ばれるほど徹底的に筋書きが事前に定められており、
質問の内容はすべて「事前通告制」です。
質疑応答の形式も一問一答ではなく、まず質問側が持ち時間一杯を使って
一気に質問を読み上げ、それが終わると知事や執行機関の理事たちが
代わる代わるすべての質問に答えて行く形式になっています。
…もうおわかりですね。
事前通告されれば答える側は用意周到な準備をすることができますし、
相手の言葉尻を捉えて追撃を行うなどのテクニックも使えません。
一問一答の記者会見すらあの有様ですから、
この形式の質疑で舛添知事から十分な答弁を引き出すことは難しいでしょう。
3.圧倒的に時間がなく、質問準備も満足にできない
都議会の閉会日は6月15日の予定です。
代表質問・一般質問が終わるのは6月8日。
その段階で初めて
「舛添知事の答弁が不十分だった」
となって総務委員会を開催することになっても、
閉会日まで空いているウィークデイは残りわずか4日間しかありません。
非常にタイトなスケジュールになるのは間違いないですから、
舛添知事への集中審議はできたとしても1日か2日です。
もちろんそれを想定して準備を進めていくとしても、本会議での質問にも
労力を割かれますから、どうしたって急きょの総務委員会への準備は
不十分なものにならざる得ません。
以前に予想した通り、舛添知事が「時間切れ引き分け」に
持ち込むためには、これ以上ない展開になりつつあると言えるでしょう。
■
いずれにせよ今日の総務委員会で
議会が追及のイニシアチブを放棄したことで、
舛添知事側が「ボール」を握った状態になりました。
我々議会側は
「舛添知事が、所信表明で何を言うか」
「代表質問・一般質問でどんな答弁をするか」
という動きを見てから対応を決めなければならず、
極めてアクションを起こしづらい、不利な立場に追い込まれたと言えるでしょう。
本気で追求するならば、先手先手を取る戦術こそが定石なのは自明なのですが…。
舛添知事はもちろん、この都議会の対応についても
厳しい批判に晒されることはやむを得ないと思います。
力不足で大変申し訳ない限りです。
しかしまだ、大勢が決まったわけではありません。
本意ではありませんが、まずは一般質問日にできることを考えていきたいと思います。
9分しかない上に、代表質問を聞いた時には自分の質問通告終わってるんだよなあ…
また議会の動きとともに、本件は詳しくご報告いたします。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 舛添知事