こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
いよいよ自民党都連が推す「本命」増田寛也氏の出馬が確定的になりそうです。
増田氏、10日に出馬表明=自民、分裂確実に-石田氏も前向き・都知事選:時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016070800523&g=pol
(2)五輪後の東京の持続可能な成長
(3)東京から地方再生
を柱とする。増田氏は人口減による「消滅可能性都市」を提唱し、東京一極集中に警鐘を鳴らしていた。都知事を目指すことが批判を浴びかねないため、地方と東京の共存共栄の方策を掲げる。首都直下地震対策や待機児童対策も盛り込む方向だ。
(上記記事より引用、強調筆者)
以前に私もブログの中でも少し触れましたが、上記にもある通り、
この増田寛也氏というのは東京一極集中に強く懸念を示し、地方法人特別税などの
財源を東京から「召し上げて」地方に再配分するルールを作った人です。
仮に日本全体のためにこうした方向性が必要なのだとしても、
東京都を司る都知事や都議会がこうした施策に賛成できるはずもなく、
歴代知事はもちろん都議会は全会一致でこの税の再配分に反対してきました。
そしてその都議会の最大会派で、この税の再配分見直しを訴えてきた中心は都議会自民党であり、
彼らがこの増田寛也氏を担ぐことにそもそも政策の不一致があるわけです。
で、今日はバイキングに出演させていただき東国原さんらと議論していて、
この「東京一極集中の是非」が都知事選挙の政策的争点になる気がしてきました。
① 一日中、舞台稽古で缶詰めになっていると、外界の情報と遮断される。またそれがちょっと心地良くもあったりする。東京都知事選は、増田さん、どうなったのか。僕は個人的には増田さんになって欲しい気がする。増田氏はこれまで東京一極集中の是正を強く主張されて来られた。
— 東国原英夫 (@higashi_kokuba) 2016年7月4日
② 「ヒト・モノ・カネ・情報等の東京への一極集中の流れを地方へ分散する」が氏のこれまでの主張である。地方創生会議が正しくそうである。例えば、地方税を一旦国税にして、地方に配分する等の政策を打ち出してくれると思う。
— 東国原英夫 (@higashi_kokuba) 2016年7月4日
③ もし、これまで一貫してきた主張や政策を増田氏が撤回するような事があるのなら、それは、全地方や自分自身への裏切り行為である。それはある意味、舛添氏以下である。まさか、都知事になる為だけににそんな事(これまでの活動や主張の全否定)をすることは無いと思う。
— 東国原英夫 (@higashi_kokuba) 2016年7月4日
東国原さんは、「一極集中是正派」のようです。
今日の番組内でも、東京都の人口は800万程度が適当とおっしゃっておりました。
ここで私の立場を明確にしておくと、「一極集中肯定派」になります。
確かに日本全体がすべて均等に発展していくことは理想ではありますが、
そのやり方は「東京を貧しくする(財源や人材を移す)」ことではないと思います。
むしろ東京都はこれまで以上に人口や産業を集積し、
国際的な競争力を高めて日本をリードしていくことが、
日本全体の発展につながるのではないかという考え方です。
参考:
もしも私が、都知事選挙に立候補するなら…。公約は「東京をタテに伸ばす」容積率緩和による成長戦略だ
だからこそ、容積率の緩和などの政策提言をさせていただきました。
人口集中によって起こる渋滞や通勤ラッシュなどの問題は、
職住近接などによって解決すべきであると思っています。
まあこうした手段には賛否はあるとしても、
基本的に都知事や都議会議員は自ら「東京の富や人を減らす」ことを言い出せないはずです。
例えば「介護は地方でやるべき」って、それは「面倒見れないから出てけ!」ってことになりますからね。
■
前置きが長くなりましたが、さあ「本命」増田寛也氏はどうするのか?
自分の主義主張としては「東京一極集中の是正」をずっと掲げてきた。
しかし都知事として、それをそのまま主張することはできない。
そこで出てきた苦肉の策が、冒頭で引用した
「東京から地方再生」
「地方と東京の共存共栄の方策」
という公約になるのでしょう。
つまり「両方やるよ」ってことを言いたいんですね。
東京都の人口や財源は守りつつ、地方も発展させていきますって。
ありえねー!!ですよ。
率直に言って。
この選択と集中の時代に、一体なにを言ってるんでしょう。
「アレもコレも」ですべてを中途半端にしてきた結果が、今の経済停滞・借金大国ニッポンの姿ですよ。
その中で唯一まだ気を吐いている東京都に、同じ末路を辿らせてしまって良いのでしょうか。
ですから私は、こうした「玉虫色」のスタンスで出てこようとする増田寛也氏に対して、
小池百合子氏などの対抗馬は「東京都の発展を第一に考える!」ことを鮮明に打ち出して、
政策論争を仕掛けていくべきだと考えます。
マーガレット・サッチャーの有名な言葉に、
「金持ちを貧乏にしたところで、貧乏人が金持ちにはなりません」
というものがあります。
まったく同様に、東京都を貧しくしたところで、地方が豊かにはなりません。
地方創生のバラマキがむしろ地方の依存体質を高め、
衰退にまったく歯止めがかけられていなことは、
すでに結果が出されていると思います。
東京都知事は、何よりも都民の税金を守り、東京都民の発展のためにそれを使う。
そしてたくましく成長していく東京都が、日本全体の発展を牽引していく。
それこそが、多くの都民が東京都に望むことではないでしょうか。
(利己的に東京都だけのことを考えているわけではありませんよ、念のため)
これまでのしがらみから、中途半端なスタンスしか打ち出せないであろう増田寛也氏に対して、
こうした政策・リーダーシップを打ち出す知事が登場することを強く望むものです。
なお、増田寛也氏の公約については過去の主張と報道ベースから論じたもので、
正式な出馬記者会見の時には
「東京か、地方か」
に対してぜひはっきりした答えを述べていただきたいですし、
会見で記者の方々には厳しく突っ込んで欲しいと思います。
繰り返しになりますが、「両方」は虫が良すぎる答えです。
■
そんなこんなで今日も都知事選挙について書いてしまいましたが、
まだまだ参議院選挙の期間中ですよー!いよいよ日曜日(10日)が投開票日!
都知事選挙の行方と合わせて、
引き続き参院選挙にもご注目いただければ幸いです。投票に行こう!
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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