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繁栄するシンガポールはアジアの希望か、それとも明るい独裁国家か

日々のこと,

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員です。
そういうわけで、夏休みをいただいてシンガポールに滞在しています。

朝5時に到着して目いっぱい街中を周ってきましたが、
多くの政治家が視察に訪れる話題の「カジノ」にも訪問。

写真8月28日_6066

実際にルーレットにチャレンジして、

30ドルをチップに両替

80ドルまで増える

40ドルに減った時点で終了(10ドル+)

というショボい遊び方で、現地の仕組みと空気を堪能してみました。
度量が狭くてすいません…

日本国内でも導入に賛否がある「カジノ」ですが、
さすがに開発独裁国家であるシンガポールでも導入時期には異論が噴出

「シンガポール国民を賭博漬けにするつもりか!」

という世論に考慮し、
外国人観光客は無料・シンガポール人は入場料に100ドルという仕組みを取っています。
これは今まさに、日本でも同様のシステムが検討されているところです。

ちなみにセントーサ島にある方のカジノにいったのですが、
ここはカジノ内はなんとフリードリンク。つまり外国人であれば、
パスポートさえあれば飲み物だけ調達をしに侵入することも可能なんです(!)。

ただし、代わりと言ってはなんですが、ここではアルコールが提供されないらしく、
そのためにマカオやラスベガスと違ってヒートアップする人が少ないので、
掛け金の金額などが適正に抑制されているとの説もあるそうです。

外国人の扱い、入場料の有無、アルコール提供の有無…

一口にカジノ導入の検討といっても、細部の設定一つで
大きく結果が変わってくるだろうなあと言うことが改めてわかりました。

カジノの東京誘致に非常に積極的だった猪瀬都政から打って変わり、
舛添都知事はカジノに対しては非常に慎重&否定的なスタンスを取っていますが、
今後の政策提言についてもしっかりと自分なりの考えをまとめておきたいと思います。

さて、まだ一日の滞在ですが国内をウロウロしていて感じたことの一つに、
小・中学生くらいの子どもたちの異常なメガネ率の高さがあります。

シンガポールが超能力主義・学歴主義・競争主義社会になっていることは有名で、
現地で駐在している友人にも聞いたところ、幼少期から相当にハードな
(日本で言うところの)受験戦争が繰り広げられているそうです。

国民一人当たりのGDPでははるか昔に日本を上回り、いまや我が国の1.5倍。
「住みやすい都市」「ビジネスに適した都市」などの各種ランキングでも
一位を総ナメするなど、栄華を誇るかに見えるシンガポールにも、やはり負の面があります。

前述の超能力主義・過度な競争主義に加えて、
少しでもルールを逸脱すれば罰金が科せられる管理社会。
(そのおかげで、非常に清潔で治安の良い都市になっているわけですが)

特にひどいのは政治活動や表現・報道の自由に関する分野で、
「報道の自由度ランキング」では180か国中153位と先進国で最低ランク。
※情報ソース: https://news.careerconnection.jp/?p=15097

政治活動も厳しく取り締まられており、
5人以上の集会は違法行為と見なされることもあります。
これは我が国でいえば、「結社の自由」が認められていない戦前のような状況です。

こうした厳しい国民たちの「締め付け」の上に成り立っている
シンガポールの矛盾が表出するかのように、近年行われた国民の
「幸福度」ランキングでは、ついに世界最下位を記録する事態になってしまいました。

シンガポール「幸福度」世界最下位 
アジアで最も豊かなはずが 建国50年、「能力主義」行き詰まる

http://www.sankei.com/world/news/150808/wor1508080038-n1.html

この状態を評して友人曰く

「明るい独裁国家」

とのことですが、同様の指摘は世界中の有識者からも行われているところです。
特に前述のような政治活動の厳しい制限もあって、健全な野党がまったく育っていない
国政運営については、民主主義国家としての大きな欠陥が懸念されています。

資源も人口も土地もない人口国家において、

「生き残るためなら何でもやる」

と文字通り突き進んできたシンガポール。
その一つが観光政策におけるカジノ設置ともいえるわけで、
この国の負の側面を見るとますます考えさせられる部分があります…。

明後日までとの短い滞在ですが、
引き続きこの稀有な国家の功罪について、
できる限りを感じ取ってきたいと思います。

今日は3万5千歩あるいたようで、さすがにヘトヘトです…。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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