政治家・議員は「票を金で買う」とよく言われます。
もちろん、あからさまに買収して選挙で票を取りまとめさせたり、
饅頭の下に万札を入れて渡すようなことは(一部を除いて)なくなりました。
しかしそれでも、政治家たちは選挙のためにお金を
直接的に・間接的にバラまき、票を集めています。
わかりやすいのは「道路」や「施設」などの箱物、インフラ物に関わる政策です。
目に見える実績を出すために行政の予算を引っ張り、効果の疑わしい箱物をつくり、
「あれは私が実現した」
と胸を張る。
各種の補助金を業界団体につけることも、この類です。
そこには、将来世代への負担や中長期的な視点は残念ながら欠けています。
しかしながら時として、これらの「バラまき」が可愛く見えるくらい、
あからさまな政治家の醜態を見ることがあります。それがいま現れているのが、
「地域プレミアム商品券」
です。
詳細はわが会派幹事長の両角都議のブログをお読みいただきたいのですが、
プレミアム商品券は誰からの贈り物?
http://morozumi.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-ab24.html
税金を商品券などにして配り、地域の商店街で消費させるこの政策は、
典型的な「バラまき」であり、その効果については批判的な論調も多くありました。
私もこの政策には、一貫して反対の立場です。
で、このクーポン券の支給の仕方は各自治体に任されておりまして、
両角都議の地元で行われている支給方法が、これ。
なんと、現役市長の名前入りで、現ナマと同じ価値を持つ金券が届きます。
ちなみに八王子市は、半年後の来年1月に市長選挙が予定されています。
これ、選挙前の「合法的な利益供与」なんじゃないでしょうか…
類似のケースは他にもあります。
某M市では、70歳になるともらえる「敬老祝い金(1万円)」を、
現職市長がその人の家に訪ねて行って、手渡しで渡しているそうです。
な ん だ そ れ 。
完全な裏取りをしていないので自治体名はイニシャルにしましたが、
現職市議からの情報なので、おそらく本当のことでしょう。
こういうことが「合法的に」できてしまうので、
現職の首長は選挙において滅多に負けることがないわけですね。
■
政治家は誰もが日本のため、未来のため、子どもたちのための口にします。
その一方で自らの保身のためにこれほどあからさまなことが行われる現実を
この世界に入ってから多く目にしてきました。
一体、その政策は誰のため??
目に見えるものに弱いのは人間の仕方のない習性ですが、
政治家こそ目先の利益に囚われず、政策を立案しなければなりません。
また、政治家たちは真っ当な政策実績をアピールするべきであり、
金券に名前を添えるような下世話な行為は厳に慎むべきです。
クリーンな政治家ほど選挙に弱いのが「ギョーカイの常識」ですが、
こうした例を見てわが身を引き締め、染まらずに信念を貫けるように
活動を続けていきたいと強く思います。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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